2016年12月23日

やげん通信 Vol.81〜Vol.84 中医学による婦人科治療 4回シリーズ

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4回シリーズで、漢方療法推進会の情報誌、「やげん通信」に婦人科をテーマに執筆させていただきました。

2016年3月号 中医婦人科について
2016年6月号 原発性月経困難症
2016年9月号 中国での妊娠と産後について
2016年12月号 中医学で考える更年期障害

婦人科は、中医学が得意とする分野の一つですし、その割りにはあまりその有効性が知られていないようにも感じます。最近では、PMS(月経前症候群)で来られる方も多いですが、イライラに対しても、かなりラクになる方が多いです。そういった経験も紹介させていただきました。

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2016年11月23日

大阪市立阿倍野市民学習センターで「中医学のすすめ」

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 11月13日から12月17日まで、4回シリーズで、大阪市立阿倍野市民学習センター主催で、それぞれの分野の専門家が順番に中医学をテーマに一般市民を対象とした講演会を行い、私は2016年11月23日の第2回に登板して、「中医学からみた腰痛と腎」についてお話しました。多くの方に来ていただき、質問も沢山出て来て、大変充実した講演会を行うことができました。

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 地道な活動ですが、NPO法人TCM小児推拿協会の新開先生とともに、中医学の魅力を大阪の皆さんにもお伝えできたらなと思っております。

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2016年10月14日

食材・生薬両用で便利、馬歯莧(スベリヒユ)

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 よく上海の公園を散歩していると、高齢者達がゴソゴソと雑草を集めているのを見かけますが、食べられる雑草でかつ薬効があるものとして人気の有るもののひとつに馬歯莧(スベリヒユ)があります。実際、私も上海で食べますし、うちのクリニックの単味生薬エキス剤にも馬歯莧の顆粒があります。実際、『本草綱目』にも紹介されています。

 庶民向けの食堂なら、メニューに載っている場合もありました。大抵は、炒め物として使い、あっさりとして、とくに苦みもなく、ただ酸味がありますが、野菜として普通に食べられる感じの味です。
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 中医学の臨床では、私はとくに下痢や皮膚疾患に馬歯莧をよくつかいます。内服でもいいし、外用でも使えます。性質はやはり寒・酸。

 内服では、主に清熱解毒・涼血で、湿熱系の下痢、女性の血の混じったおりものにも使います。下痢につかえるという話は結構上海市民でも知られていますね。細菌性赤痢の場合、生で使うことが多く、その場合は最大60グラムまで使うこともあります。私が一般的に処方するとき、干燥した場合だと15グラム程度、外用で使う場合だと30グラム程度です。湿疹やアトピー性皮膚炎など皮膚の痒みや腫れの場合は、葉っぱを潰して塗りつける方法もあります。

 野菜として炒めるときは、ニンニクと一緒につかうのもポイント。実は、この組み合わせは膿血のある下痢なんかでも使われたようです。

 身近な雑草ですが、昔から人々の健康のために色々と使われているのです。

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2016年09月17日

台風の中、洸英塾での講義と日本中医学会でのサプライズ

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9月17日〜21日までは東京に出張していました。
今回の出張、行きが結構大変でした。久しぶりのJALで、大船にのった気分で東京へいこうと思ったら、なんと飛行機が来ず。
上海浦東空港の地上で機内食をいただくという初めての体験をしました。結果、羽田空港についたのも深夜の12時を回ってからで、どうやって秋葉原に出ようかと悩んでいたら、JALから交通費1万円上限で交通費の補助がでるとかで、タクシー移動させてもらえました。助かりました! ただ、飛行機遅延自己最高記録の7時間の更新にはならず。

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9月17日午前中は、千葉松戸で講演し、9月17日〜18日は第6回日本中医学会。
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土日診療をしている関係で、週末はなかなか休めず、唯一休んで参加するのがこの学会です。今年もタワーホール船堀でありました。

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毎年、1日目の夜に懇親会があるのですが、突然会長の平馬直樹先生からお声がかかり、会長賞をいただくことに。本当にありがとうございました。

これを励みに、これからも中国での臨床活動を通して本場の中国の中医学を探求していきたいと思っています。

ちなみに、来年度の第7回日本中医学会は熊本です。はじめて東京を離れての開催。いまから楽しみです。

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そして9月20日は、産婦人科医で、日本漢方ご専門の中田英之先生とコラボでさせていただいている洸英塾の講演。2ヶ月に1回私の当番で、今回はあいにくの台風が首都圏直撃で、全身ずぶ濡れになって会場入りしましたが、にもかかわらず多くの方にご参加いただきました。いつもありがとうございます。

※洸英塾に関してはこちらから。

そのあと、大阪にもどってきて、勉強会をこなしたあと9月21日は天川村で知り合ったメンバーと会食、9月22日に無事関空→上海へ。さすがに帰りは順調でした。

東京出張がはいると、ものすごいスピードで予定をこなすことになりますが、なんか1ヶ月ぐらい日本にいたような感覚になりますね。

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2016年09月11日

2回目の医師定期考核を受験して〜中国の2年に一回の医師定期試験〜

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  2014年から本格的に制度として始まり、私も前回はこれもまた外国人として初めて受験した医師定期考核。あれから2年たち、今年も9月11日にありました。2年に1回受けるというシステムは、今後も続くことになるようですね。ただ、前回は春先にあったのに、今回は秋でした。いつ試験が行われるのかが読めないのはちょっとツライですね。

 今回は上海市だけで13,200人の医師が受けました。この試験制度は、中国の厚生労働省に相当する「国家衛生和計画生育委員会」によって定められた法律で決められていて、中国全国の各省・市単位で実施されます。臨床歴12年未満の場合は、パソコンによるデータベースからの無作為試験で、12年以上の場合は、テストが簡略化され、書類審査だけになります。

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(試験会場)
 前回私が受験したときは、臨床(西洋医学)・中医学・口腔・公共衛生の3部門に分かれていましたが、今回からは主治医以上の職称を持つ人で、西洋医学の場合は、眼科・耳鼻咽喉科・精神科・消化器内科・腎臓内科などなど11分野で、中医学の場合は、中医内科学・中医外科学・中医小児科学・鍼灸推拿科の4分野で選択して試験を受けることになりました。なお、2年間の期間中で職称試験など規定の試験に合格した場合、重大な研究成果を出した医師に関しては、試験免除になる特例もあります。

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(公式のテキストも)
 前回もそうでしたが、試験内容はそう難しくはありません。復習問題は上海市医師協会のHPにも上げられていて、それをしっかりと練習すれば合格できるはずです。そもそも中国全土で医師不足であるため、そんなに厳しい試験をしてしまっては大変なことです。

 しかし、医師としてちゃんと中国で活動しているかをチェックするためには大切な試験だと思います。医師登録はしていても、医療活動をしていないような医師も結構いますから。

 試験は、自分の医学専門に関しては70%、人文とよばれる法律・心理学・倫理学に関する問題は30%という構成です。前回は、医学専門が60%、人文は40%でしたので、比率が変更されていますね。

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(復習資料)
 従って、万が一不合格になってしまうとちょっと厄介です。3ヶ月の研修をすることになり、さらに再試験となります。その再試験ですら不合格になると、医師免許がなくなる仕組みになっています。

 ということで、今回の試験も無事終了しました。

 いつも思うのですが、医学系の中国の試験システムは、本当によく出来ています。問題はデーターベースのなかに蓄積されていて、パソコンから直接回答を入力していきます。したがって、筆記用具や時計類は持ち込み禁止になっています。

 私も2年後は12年の臨床経験をクリアしていますし、今年は主治医師試験にも合格したので試験は受けなくてもいい状態になっているはずですが、でもこうやって定期試験をすることで知識の整理をすることは結構なことだと思います。

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2016年08月16日

中国の医師職称( professional title)試験

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 今年8月、中国の中医内科学の「主治医試験」に合格することができました。
 日本人では間違いなく初めて、外国人でも初めてだと思います。本来は、医学博士を取得した翌年に受験できるハズでしたが、外国籍の問題でなかなか実現しませんでした。

 職称試験は、中国人の医師が受験するのは当たり前なのですが、これが外国人となるとなかなか大変で、私もまずは中国の永住権を取得して初めて受験資格がもらえました。以前は、永住権を持っている外国人でもダメで、一切門戸を閉ざしていた資格でもあります。しかし2年前の制度改革で、ついに受験が可能になったことは、私にとってはラッキーでした。ものは試しと言うことで、私も早速チャレンジしての今回の合格でした。今年は例年通り60%の得点率で合格だったようです。

 ちなみに、公立病院に勤める中国人の医師にとっては、職称は将来もらう退職金の額とも関係してくるため、非常に重要な資格でもあります。

 職称は大きく分けて中級・副高級。高級の3段階あるのですが、医師・薬剤師など医療系以外でも、小中高大学の教職や弁護士などの国家資格にはすべてついてきます。私が今回合格できた主治医はこの中で「中級」に相当します。また専攻では今回私は中医内科を受けましたが、中医学では中医内科学・中医外科学・中医小児科学・中医鍼灸学・・・などいくつかの専門に分かれて受験します。私も次の資格を目指して勉強していきたいと思っています。うちの妻も、全科医・中医内科医・鍼灸医の3種類の主治医師資格をもっています。まあ、冷めた中国人はそんなの必要ないと言いますが、私は勉強するキッカケとしては決して悪いものではないと思います。知識の補充にもなりますし。

 詳しいことは、日本の東洋学術出版社が発行している季刊『中医臨床』2016年9月号に「中国の医師職称制度〜外国人初の主治医師資格(中医内科学)合格体験記〜」で紹介していますので、関心のある方はぜひご一読ください。

 この職称制度によって、医師は西洋医学・中医学(中国伝統医学)にかかわらず、医師免許取得後のキャリアに応じて職称をスキルアップしていくのですが、日本だと専門医制度と似ているのかもしれません。ただ、中国の場合は職称資格は国の一括で行政(人力資源社会保障部)が管理していて、統一試験の形で実施されています。こうした医学系の試験は問題のデーターベースがあるそうで、すべてパソコンで行われます。一般に、大学や各種学校には大きなパソコンルームが完備されていて、筆記用具などの持ち込みは一切禁止で、パソコンの前でキーボードから択一試験を解いていきます。この方法だと、マークシートを塗り違える心配もありませんし、前後左右で受験する専攻科目が違うので、カンニングの心配もありません。こうした試験システムは、さすが科挙の国中国だけあり、ほんとうによく出来ています。日本も見習えるところがあるかもしれませんよ。

 ただ、受験したのは上海の5月後半、梅雨前のジメジメしたときに、1日かけて朝から晩まで行われた試験はさすがに疲れました。

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 出題範囲は、私の専攻である中医内科学以外にも、中医学の基礎科目全体と西洋医学との融合問題、症例問題、法律・倫理・心理学なども含みます。一応、1000ページぐらいの参考書も売られていて、それをみて練習問題も解きつつ復習しました。相変わらず、中国の参考書は字面ばかりで図などで一切整理しないのが特徴ですね。

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 主治医資格を取得すると、初級(住院医師)医師の指導にあたるほか、他院でのアルバイトも認められます。また、有名な先生について公式に弟子入りして勉強するときも、最低限の資格として求められたり、行政での仕事でも資格として必要となることもあり、中国で医師として仕事をしていく上でも最低限の職称となります。

 とはいえ、一連の職称取得レース(?!)のなかでは、主治医師の資格はまだまだ入り口。今回、外国人の私が初めて受験できて、さらに合格したことで、中国の職称制度にもすこし風穴を開けることができたのではないかと思っています。

 次に向けて、まだまだやることがいっぱいです。

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