2012年04月17日

痩せていても脂肪肝に注意を

 中医学の養生では、春は肝関係があるという話題をしますが、それ以上に気にして頂きたいのが西洋医学の脂肪肝の問題です。
 中国の食生活から十分に予想がつくかと思いますが、ここ20年来、上海では脂肪肝が増えています。

 中国に駐在にきている日本人も、数年後には体重が増えてしまって健康診断で脂肪肝と言われている方を多く発見します。比較的、中医学や漢方医学が改善に力を発揮できる分野でもありますが、その根本を治すにはやはり自分自身の生活を見直すことが最も大切です。薬を飲めば治せるというほど簡単ではありません。

 以前の中華料理と違って、今の外食での中華料理は、脂肪と動物性タンパク質のかたまりです。さらに、夜までカラオケなど不規則な生活も影響を与えています。決定的なのは運動している人が少ない。生活習慣を改善させず、脂肪肝を放っておくと、肝細胞が損傷し、肝臓の繊維化がはじまり、場合によっては肝硬変や肝臓癌に発展する可能性があります。

 現在、中国全体では、脂肪肝の発生率は30%前後といわれていますが、サラリーマンやOLなど、いわゆる「ホワイトカラー」になると、50%前後にまで上昇するようです。また、アルコールの過剰摂取によるアルコール性脂肪肝は、脂肪肝患者の6%前後占めると考えられています。また、アルコール性肝炎や肝硬変の70%以上は、脂肪肝があるといわれています。

 こうした脂肪肝の大部分は、食べ過ぎや運動不足、さらに体重の増加などが原因で、いわゆるメタボ的なアプローチとなりますが、近年時々見かけるのは、過剰なダイエットによる脂肪肝です。どんな方法であっても、急速で無理なダイエットは控えるべきなのですが、過度なダイエットは、一時的に体に栄養不良状態をもたらし、血液中の遊離脂肪酸が増加、これが肝臓に運ばれて脂肪肝になるというものです。

 肥満などが原因の単純性脂肪肝なら、食べ物を節制して禁酒し、毎日8000〜10000歩の運動をすれば半年〜1年で自然に治ることが多いといわれています。しかし、重度の脂肪肝の場合はそうは行かないので、病院で治療を受けて下さい。特に、体がだるいとか、お腹に膨満感がある場合は、エコーを受けてみて下さい。

 また、日々接待漬けで苦しんでいる方も、とにかく飲む量・食べる量は腹7分目にして、食べ過ぎないことは非常に大切です。
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2012年01月29日

肺癌と中国の大気汚染問題

 春節の連休中は、天気が今ひとつだったこともあり、上海の大気汚染は体感的にもマシだったようですが、ただ、スモッグの問題に関してはまだまだ解決されていないことが山積みで、中国在住者にとっては頭が痛い問題です。

 中国では近年、肺癌患者がものすごいスピードで増えてきています。その数は、30年前と比較して4.5倍以上の増加ともいわれています。中国国内で討論されているのには、ここ数年で喫煙者の数が急増しているわけではないのに、なぜ肺癌患者の数が増え続けているのかという問題です。

 そこで、北京・上海などの大都市で注目を集めてきているのが、PM2.5(particulate matter)の数値で、空気中に漂っている2.5ミクロン以下の微粒子による健康への影響問題です。この中には、鉛やカドニウム、マンガン、クロームなどの有害金属も含まれています。直径の大きなPM10やTSPの粒子に関しては、気管で沈着できても、PM2.5となると、直接肺胞にまで入り込んでしまうため、その脅威は計り知れません。政府もやっと規制に動き出してきました。

 PM2.5の発生源はクルマの排ガスであったり、工場から出るものであったりするわけですが、上海市内には現在24箇所の観測点があり、現段階では何れも基準値をクリアできていません。上海だけでなく、PM2.5による汚染の深刻さは、北京とその周辺の場合だとアメリカの基準値の5−6倍、南方の都市圏で2−4倍程度は越えていると言われています。(『新聞晩報』報道)

 やっかいなのは、このPM2.5は、スモッグなどの原因になっていて、しかもすぐには身体に影響が出ず、7〜8年後に肺癌などの問題として発生してくると言う点です。広州市での研究では、スモッグと増加と肺癌と増加の関係に、数年のタイムラグがあることが分かっています。(『東方早報』報道)スモッグに関して言えば、中国では河北省南部や山西省南部がかなり深刻な状態です。ご存じの通り、石炭が採掘され、鉄鋼や火力発電が盛んで、重工業が集積しているエリアです。1年のうち、300日以上もスモッグが出ていることもあり、中国の中でも極めて大気汚染がひどいエリアだと言われています。

 スモッグでは、もともと珠江エリアが酷かったですが、近年は上海も含めた長江デルタエリアの大気汚染が楽観できません。都市によっては、年間200〜250日もスモッグが観測されることもあるぐらいですから。一方で、広州市の大気汚染が近年改善されてきているのは、隣接している香港からの圧力も関係があり、北京や上海が後れを取っている点は否定できません。中国の大都市の多くは、日本の60〜70年代の大気汚染のような状態を、今初めて体験しており、その結果がどういうことになるのかまだよく分かっていないのもまた事実なのです。歴史から学習できていないことも悲しいわけですが、でも経済の発展なくして国が成長できないとすれば、なんとも遺憾なことですね。

 では、上海に住んでいる我々はどうするべきなのか?

 マスクをしなさい、といってもPM2.5に有効なマスクは、SARSのときに争奪戦となったN95マスクレベルが必要です。となると、せいぜい空気清浄機を使うぐらいしか残念ながら私には思いつきません。それと、休みがとれたら都市圏を脱出して、少しでも空気のいいところに避難するしかないのかもしれません。また、スモッグの出ている時は、極力外での活動は避けましょう。
 タバコも同様にPM2.5の値を高めます。完全禁煙できていないレストランなどには行かないようにしたいところです。分煙程度では全然効果がありません。(中国では田舎にいけば行くほど、タバコを傍若無人に吸う人が急増しますね。)

 本当の意味で持続可能な発展をするためにも、中国は今後ますます大気汚染への規制に力を入れてくるはずです。環境問題とはある意味、もっと大きなマナーの問題です。個人のマナーですらまだまだの中国にとっては、非常に高いハードルだとは思います。
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2011年07月11日

妊娠中のストレスと喘息の関係

 最近、上海でもアトピー性皮膚炎や気管支喘息の患者さんが増えているという話はたびたびここでも紹介しています。冬場に発作が起こりやすい喘息対策として、夏場に三伏貼に中医医院やってくる患者さんが多く、うちの中医クリニックもすでに大忙しになっています。

 どうして喘息が発生しやすい体質になるのかは、今でも諸説がありますが、一つ興味深いデータがありました。

 最近、アメリカのコロンビア児童環境健康センターの研究で、母親が妊娠中にストレスを感じることが多いと、生まれてくる子供は喘息になりやすい傾向にあるというのです。279人の女性を対象にした研究で、妊娠期間中にうつ病などの精神的ダメージを受けると、その子供は5歳までに喘息にかかりやすいということでした。

 ひょっとしたら、アトピー性皮膚炎などの発生も、母親の妊娠時の食べ物以外にも、精神的な要素と関係があるのかもしれません。

 いずれにしろ興味深い研究結果だと思います。
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2011年06月27日

さらに早まった上海人女性の自然閉経年齢

 上海市老年医学会の最新のデータによると、上海市の50歳前後の女性を対象にした調査で、自然閉経した平均年齢は47.41歳で、10年前と比較すると1.02歳若くなったようです。

 女性の更年期障害の中医薬(漢方薬)による治療は、昔から比較効果が期待できる分野の一つでもあります。卵巣の働きが衰え、女性ホルモンが低下するすることによる生理不順、ホットフラッシュ、情緒不安定、不眠、身体のだるさなどが程度に違いがあるにせよみられるようになります。

 また、今回の上海の調査で、更年期障害で最もよく見られる症状は、不安・イライラ感であり、全体の半分の女性に見られるということです。さらに、生活に支障が出てくる人も全体の2割程度おり、有効的な治療が求められています。

 ただ、中国の場合、こうした症状を正しく認識していない人も少なくなく、薬の使い方の問題も出ています。
posted by 藤田 康介 at 08:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の健康事情

2011年06月01日

中国の女性の乳がん発病年齢は平均で48歳

 中国で初めての大規模な乳がんの疫学的調査が行われ、その結果が発表されました。『中国流線癌流行病学調研項目』と呼ばれる研究で、中国医学科学院腫瘤医院、腫瘤研究所が中心となり、中国全国の7つの総合病院が2年間にわたって華北・東北・華中・華南・華東・西北・西南の各エリアを疫学的に調査したという画期的なものです。

 その結果、中国の乳がんの発病平均年齢は48歳で、欧米よりも10歳程度早いことが分かりました。また、上海で発病率が高いように、東部沿岸部の方が西部内陸部よりも発病率が高く、都市部のほうが農村部よりも発病率が高いことも分かりました。以前言われていたとおりの結果です。中国都市部でのストレスや飲食との関係や環境汚染との影響が言われています。

 中医学で乳腺に関係する疾患を考えるときに、漢方薬などを服用すること以前に、まず精神的なストレスや疲労を改善し、如何にリラックスできるかを重視します。これは、乳腺に関係する疾患が肝や腎と関係があるからです。
 また、一般的に食生活では揚げ物や焼き物類を控え、動物性タンパク質や脂肪の摂取量をコントロールし、滋養強壮といわれる漢方薬や中医薬の服用は控えめにするようにいいます。
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2011年05月11日

陰性エイズ事件の結末

 2011年5月6日に、SARS期にその研究で一躍有名になった広州の鐘南山院士が、中国各地でウワサされた陰性エイズ問題について、自分が感染したと思い込んでいる60人の患者を対象に行った検査結果を公表し、その結果33人がEBウイルスに感染し、12人がクラミジア・トラコマティスに感染、淋病に7人感染、Ureaplasma urealyticum(UU)感染症に9人、サイトメガロウイルス感染症に8人などの性病に感染していたことなどがわかり、さらにHIV検査に関しては全員で陰性であったようです。

 今回、「陰性エイズ事件」として取り上げられた患者の症状として、共通していたのは発熱や湿疹、頭痛や関節の痛み・腫れなどの諸症状で、ポイントとなったのはそれぞれ不特定多数と性交渉があったという点です。そのために、心理的なストレスをずっと抱えていたのではないか、とも考えられています。さらに、発病してもちゃんとした検査を受けておらず、知識もないことから恐怖心だけが先走りしたのではないかとも考えられています。

 ところで、最も多くみられたEBウイルス感染に関しては、広東省で多発している鼻腔癌とも菅家が深く、咳のほか、唾液からも感染することから、キスや箸の使い回しは避けるように呼びかけています。少なくとも、会食するときは箸は使い分ける習慣が大切です。

 とりあえず、今のところは新型の病気であることは否定された形になっています。いずれにしろ、一般市民もよく知っている影響力の強い専門家のコメントは、衛生当局のコメントよりも、はるかにインパクトがあるのが中国の実情でもあります。
posted by 藤田 康介 at 17:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の健康事情

2011年04月01日

小学校での中医学知識普及の試み

 中医学や漢方医学の知識を普及させるのに一番いいのは、小中学生に興味をもってもらうことですが、残念ながら日本ではそういったチャンスはありません。特に和漢や鍼灸はせっかくの日本の文化であるのにもったいない。ご要望がありましたら、この私が世界中どこでもお話にいきますよ。

 中国では、北京市で中医学の文化を小学生に教える試みがスタートしています。

 北京市中医薬管理局と北京市教育委員会がいっしょになって、『青少年中医薬文化知識』という小学生向けの冊子を編集し、まずは「東城区中医薬発展改革総合試験区」にある2校に配布するということです。私もこの本をぜひ手に入れてみたいと思います。

 中医学をうまく利用すると、動植物を使った生薬にも関心を持ってもらえるだろうし、自然保護にも大いに役立ちます。さらに、食育にもいいし、健康管理のための知識を身につけることができます。

 北京市では成果を踏まえながら、今後北京市各地の学校にも広めていきたいと言うことです。

 広い目で見れば、将来の医療費節約にも役立つかもしれません。
posted by 藤田 康介 at 12:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の健康事情

2011年03月25日

男性30〜39歳

 中国の大都市に住む市民の健康管理は、かなり難しい。よっぽど意識をしなければ、ズルズルと流されていってしまうからです。

 中国医師協会などが行った4ヶ月に及ぶ調査で、中国の大都市に住む市民の健康診断などのデータで、男性の場合は脂肪肝・中性脂肪・骨密度の低下が増加している一方、女性の場合は、乳腺増殖・子宮頸炎・痔が順に増加傾向にあるということでした。

 この調査で興味深いと思ったのは、男性の場合、高血圧や脳梗塞、冠状動脈アテローム硬化性心疾患のような慢性疾患の原因の多くは、我々のように30〜39歳の間に原因があり、40〜49歳に発症するという調査結果。また、女性の慢性疾患の場合、男性よりも10年遅くて、50〜59歳が慢性疾患発生のピークになるという傾向があるようです。確かに、女性は更年期とも関係がありますからね。

 さらに、都市部の女性の間で痔が増えているらしい。

 運動しない人が多いだけでなく、やはり事務の仕事など坐ってする仕事が女性に多いことが原因と言うことです。また、最近、中華料理でもあまり噛まなくてもいい柔らかい食べ物が増えているのも原因らしい。その通りです。中国の中華料理の肉も軟らかくなりました。

 男性の脂肪肝は、中国では若年層でも非常によく見かけますが、データでは20〜40歳の世代では、その割合は6割にものぼります。運動不足や過度の外食・接待が問題であることは言うまでもありません。

 ちなみに、地域別にみると、上海人は心理的には結構うまく調節できている人が多いのに対して、広東人はイライラしている人が多いそうですが、これはホントかどうか。。。

 上海で働いている日本人のみなさんについても同様です。日本以上に接待や外食が身体を蝕んでいる人が多く、日本から出張にこられる方も、そのあたりを配慮されたほうがよいかと。うちの中医クリニックでも、接待疲れで身体を痛めている患者さんが少なくありません。
posted by 藤田 康介 at 07:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の健康事情

2011年02月15日

不妊が増える上海の実態

 最近、うちの中医クリニックでも、私が上海地元の人を診察する機会が去年と比較しても明らかに増えてきているのですが、その中でもちょくちょく見かけるのがやはり不妊のカップルです。

 上海人の間でも確実に増えているようで、現在、上海エリアでは結婚したカップルの15%で不妊がみられるとも言われています。こうした背景から、上海市でも対策に乗り出していて、上海交通大学医学部にも男女の不妊を専門に治療するセンターが設立されました。ものすごく必要なことだと思います。

 一般的に、不妊のカップルのうち、女性側に問題があると言われているのが全体の60%前後で、その多くがいわゆる卵管閉塞や卵巣機能不全などです。上海では一人っ子政策の影響もあり、妊娠中絶をしている人が非常に多いという現実もあります。実際、仕事などの理由で、若いときにせっかく妊娠したのにさっさと中絶してしまい、今となって不妊になって悩んでおられる上海人のカップルもおられました。

 男性の場合は、無精子症も問題になりつつあります。

 男性も女性も晩婚化が進み、さらに仕事などのストレスを抱え、最近では環境汚染の問題も人間の生殖機能に大きな影響を与えています。

 昔、上海の朱氏婦人科で有名な朱南孫先生にご指導を受けたときも、その当時から不妊症の問題は上海で問題になりつつあり、その中医薬(漢方薬)での治療法には感銘を受けたことがあります。朱先生は、2種類の薬の組み合わせを巧みに使われる治療法です。

 中医学を使った不妊治療では、男女両方の治療が必要です。機会があれば、またその最近の研究成果をご紹介します。
posted by 藤田 康介 at 07:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の健康事情

2010年12月17日

中国都市部でもノロウイルスにご注意を

 今頃になってこちらで報道されていますが、広東省衛生庁が、広州市従化でアジア大会が開催される前の11月に、429人が下痢や嘔吐などの症状を訴えて病院に運ばれるさわぎがありました。いずれも、現地の農民だったようですが、当局の調査では、飲み水の衛生状況がよくなかったようで、市民に対して、水をしっかりと煮沸するように呼びかけていました。

 ノロウイルスは、1968年にアメリカで確認されたウイルスで、感染力が強く、汚染された食品や水を摂取すると、悪寒や喉の不快感、むかつきや嘔吐・下痢などの症状がでてくるのですが、今回の広州のケースでも、ノロウイルスであると当局が発表していました。

 中国では、もとも生水をあまり飲む習慣はありませんが、生水をさけて煮沸するようにし、中華料理に時々出てくる半生系の魚介類、冷菜などには注意する必要があります。

 中国では、1995年にはじめてノロウイルスが確認されていて、広東省など南方エリアを中心に、学校機関での集団感染が毎年のように発生しています。一般に、中国で下痢を起こした5歳以下の子供のうち、15%前後でノロウイルスが検出されているということ。血清の抗体サンプルからも、中国でのノロウイルスはかなり広くみられるようです。

 ノロウイルスで死亡することはほとんどありませんが、感染力が強いため、排泄物の処理にはマスクや手袋をして対応するなどの注意が求められています。

 しかし、アジア大会が終わってからの報道なのですね。地元の人は、下痢が流行っているというウワサをしっていたそうですが。。。
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2010年12月10日

タバコ・酒・肥満、上海人の健康問題

 上海人の健康状態に対して、またまた心配すべき数値が出てきました。

 上海市衛生局が、上海人の健康問題のなかで、最も心配すべき課題として「喫煙率の上昇・お酒の飲み過ぎ・油、塩の摂取しすぎ」を取りあげ、その結果メタボリックシンドロームなど慢性疾患が急増しているという現状を最近発表しました。

 15歳から69歳までの17000人を対象とした調査では、55.1%の成人男性が喫煙し、特に女性の受動喫煙が深刻で、73.3%の女性が、家庭での受動喫煙の状態であるということ。また、上海市民のうち、お酒を飲む人の割合は21.6%だが、このうち8.7%が身体が1日に分解できるアルコール(男性1日60g、女性1日40g)以上のお酒を飲んでいるということ。

 そして、私が見た中で、おそらく最も問題が多いのが、食塩と油の摂取量で、油の摂取量では、全体の約60%の家庭で基準値の1日25〜30gの範囲を超えており、平均でも39gとなっていました。塩に関しては、38%の家庭で、基準値である1日6gを越えていたという旨。

 そりゃ、あのゴテゴテの中華料理を食べたら当然ですよね。

 その結果、高血圧の罹患率は23.6%となり、2002年よりも5ポイントの増加、癌の発生率も、2007年は2006年と比較して1.34%の増加となりました。

 一方で、運動に関しては若い世代で積極的に運動に参加している人は17.1%にすぎず、運動する人もまだまだ少ないのが現状。

 忙しくなって、仕事ばかりに時間を割かれてしまう上海人。
 私も人ごとではないので、せっせと自転車運動と歩き運動をがんばります。

 高齢化社会とともに、メタボ社会にもなってしまうと、未来は決して明るくないわけで、政府も早めの介入を考えているようです。
 上海はやり出したら早いですから、なにをするのか注目しています。
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2010年10月30日

100%ジュース隆盛の裏側で

 いま、上海で、食べ物に注意する市民が増えているように思います。たとえば、「素食」といったベジタリアンや、有機野菜を買ってみたり、健康にお金を投資する人が少なくありません。中医学の外来で、未病に関する質問が多いのも、そのためでしょう。

 そんな中、日本人にも中国人にも共通して言えることが、野菜不足をどうにか解消しようと対策に取り組んでいる方が多いという点です。その代表選手が、野菜ジュースや果物ジュースでお馴染みの100%系のジュースだと思います。これ一本飲めば、1日に摂取しなければいけない野菜・果物を摂取できるとなると、なんとなく魅力に映りますよね。ついつい手を出してしまいます。

 昔から、缶入りの飲料水は、糖分も多いので体によくない、ということはよく言われてきました。毎日飲むと糖尿病などのリスクが高まるというのも有名な話です。飲料水が痛風の発病とも関係があることも分かってきました。

 だったら、100%ジュースなら大丈夫なのか?といえば決してそうではないようです。

 近年、アメリカで研究されたデータでも、やはり純粋な果汁や野菜ジュースを飲み続けた人とあまり飲まない人を比較した場合、カロリーの摂取が同じ程度でも、ジュースを飲み続けたグループの方が、2型糖尿病になるリスクは30%程度高まるということです。

 結局、固形物として摂取する場合と、液体として摂取する場合とでは、胃腸における吸収の速度も変わってきますし、血糖値の上がり方も変わってくるということですね。また、固形物だったら、結構、満腹感があるのに、液体だったらぐいぐい行けてしまうことも関係があります。

 いずれにしろ、どんな食品でもほどほどに摂取しましょう、ということが非常に大切です。たまに飲む程度なら大丈夫ですが、くれぐれも野菜ジュースや果物ジュースで、毎日の野菜や果物の摂取を補おうということはやめておいた方が良さそうです。両者はまったく違うものと認識したいものですね。

 中医学でも何でも「ほどほど」に、という中庸の思想を大切にします。
posted by 藤田 康介 at 16:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の健康事情