2012年05月17日

中医学の外治法の一つ、香嚢(香り袋)が出来てきました

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 中医学の外用治療の一つでもある、香佩法。

その中でも端午の節句前後からよく使われるのが、香嚢をつかった治療法です。

 袋のなかに、芳香性の強い生薬をいれて、部屋にぶら下げたり、子供の首から掛けたりします。風邪の予防や、各種アレルギー対策など用途が広いですが、小児科の湿疹やアトピー性皮膚炎の治療などにも活用されます。

 元々は厄除けとして使われてきました。中には、白芷や丁香、ヨモギ、蒼朮、藿香など揮発性の強い生薬をいれます。非常にいい香りを漂わせています。

 庶民の文化としての中医学の一つですね。
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2012年05月06日

妊娠する前に&不妊治療をする前に気をつけたいこと

 今年は辰年ということもあり、中国ではまたまたベビーブームですが、上海に居る日本人の間でも、妊娠した女性が多いようにも感じられます。家政婦さんとかも比較的雇いやすい環境ですので、意外と便利であったりします。私も、そうして元気に生まれてくる赤ちゃんを楽しみにしています。

 中医学や漢方の世界でも、不妊症の治療や妊娠前の体調管理は古くから実績のある分野でもあり、いろいろな手段が考えられますが、ただ、西洋医学にしろ中医学にしろ妊娠をする前にぜひ気をつけてもらいたい最低限の注意事項があります。未病対策の観点からも、妊娠を目的にすることで、夫婦共に体調管理を整えることは非常に大切です。
 今日は上海で生活するにあたって、注意することをいくつかご紹介します。

 まずは喫煙の問題です。先日も受動喫煙でご紹介しましたが、ニコチンがホルモンや精子に直接的に与える影響はいろいろあります。また、胎児の発育への影響も大きく、妊娠するのなら、3ヶ月〜半年前には禁煙する必要があると言われています。

 また、お酒についてもアルコールが精子や卵子の質に影響を与え、また男性がアルコールを飲み過ぎていると性機能に障害が出るほかに、精子の発育や運動に
影響を与えます。そのため、妊娠を検討しているのなら、女性の場合なら1ヶ月前にはお酒をやめ、男性でも2ヶ月前にはお酒の量を制限し、夫婦生活の1週間前ぐらいにはできたら禁酒をしたいところです。

 コーヒーに関しては諸説があります。ただ、近年の研究ではコーヒーの飲む量が1日4杯以上であれば、早産の確率が30%高まるとか、流産の可能性が20%高まるとか、さらに精子の運動力が落ちるとか、いろいろ言われています。やはり、コーヒーの量は減らしたほうが無難のようです。

 中国での生活で気になるのは、やはり食品添加物の問題。そこで、中国では中華料理でも時々出て来ますが、ソーセージやベーコンなどの肉の加工食品や、塩辛い漬け物類は控えるようにいわれています。寧波などでは、塩漬けにした魚なども食べる習慣がありますが、こういった食品は亜硝酸塩などを含んでおり、長期に服用している子供の奇形と関係があるといわれています。そのほかに、保存料や防腐剤、着色料など体内に蓄積される心配のある物質はよくないのはご承知の通りです。

 妊娠を考えているのなら、日頃から新鮮な天然の食材を摂取するように心がけたいところですね。
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2012年05月05日

今年の5月5日は立夏でした 肝→心へ

 最近、上海の気温は急上昇、5月5日はついに最高気温が30℃を突破しました。おかげで、スモッグも。空気の良くないときは、外での運動は控えるようにいわれています。

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 さらに、5月5日といえば、日本では「こどもの日=端午の節句」ということでしょうが、中国では旧暦ですので、むしろ立夏のほうが強調されます。ちなみに、中国の端午節は、今年は6月23日です。同じアジア文化圏なのに、端午の節句の時期がずれているのは、どうも納得いかない。。。。

 立夏ということは、暦の上では夏モード。中医学の養生でもいろいろと変化が出てくるころです。

 立夏にはいると、気温が明らかに上昇し、雷雨も増えてきます。そして、農作物が一気に生長し出します。そう、子供たちも一気に成長します。そんなとき、自然界では暑さの原因となる暑気が増え始めてきます。これが、過剰になると暑邪となり、人の元気を消耗させて夏ばての原因となります。余談ですが、太陽がしっかりと出ている時は、可能な限り子供を外で遊ばせてあげたいです。最近の研究で、近視の予防には外で遊ぶことが大事だという結果が出ています。(Lack of outdoor life blamed for high rate of myopia among East Asian kids

 最近、朝が明らかに早く明けてきます。よって、いつもよりは少し遅めに寝て、早く目覚めることを心がけます。そして、お昼の暑いときは、極力お昼寝を取る時間を確保しましょう。15分〜30分ぐらいでいいと思います。また、午後からの活動を活発にするためには、お昼寝後はすぐに起き上がらないことも大切です。すこし一服してから、活動開始すると頭がすっきりしますし、偏頭痛の予防にもなると思います。

 五臓六腑では、春では肝の働きを重視していましたが、立夏以降は、心への影響を考えることになります。暑気はが心影響を与えると、イライラや倦怠感が増すことになります。よって、楽しいことを考えたり、笑ったりすることが大切です。

 食べ物では、いよいよ瓜類や緑豆など夏系のものの登場です。中医学や漢方でも、夏場は消化器の働きが弱まるので、あっさりしたものを食べるようにといいます。その代表がやっぱり夏野菜。トマトや冬瓜、キュウリなどは代表選手で、清熱利湿・消暑系の働きがあるものを食べます。

 よく、西瓜とかキュウリは体を冷やすから食べないという話を聞きますが、それは冷蔵庫で冷やした西瓜とかキュウリを食べるからで、本来は、そういった食べ物も夏場では必要で、冷やしていないものならぜひ食べてみたいところ。決して、いつでも温野菜でいいというわけではないのです。バランスが大切です。

 ただし、気温の上昇で、細菌の繁殖も盛んになります。上海市当局も、食中毒に気をつけるように注意を呼びかけています。また、中医学的にも脾胃など消化器系が弱まる時期なので、例えば朝にお粥をたべてみるのもいいかもしれません。胃を養うのには一番いいのです。
 
 また、冷たいものの食べ過ぎには要注意を。特に、冷蔵庫から出してきたものをすぐには食べないようにしてください。これは鉄則です!!
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2012年04月25日

今年も端午の節句の季節になりました。(6月23日)

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 2012年は6月23日が端午の節句になります。粽を食べたりする以外にも、様々な風習が中国では残っています。地域によって、いろいろと違いがあるのも興味深いです。

 その中でも、上海で派香りのある生薬を袋詰めにした香り袋や、部屋を生薬で蒸す蒼朮白芷を袋につめた煙薫剤が中医薬局に並ぶようになってきました。もともとは、部屋の空気を殺菌したり、伝染病が増える季節に子供を病気から守るためも習慣の一つでした。

 写真は、淮海路で見つけた中医薬局の店先です。

 鮮やかな袋が並んでいますね。
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2012年04月24日

癌予防のためにもちょっと早歩きを

 上海の朝。

 公園などを散歩していると、お年寄り達が思い思いのスタイルでジョギングや散歩をしているのを見かけます。私も以前、ここでうしろ歩き健康法が中国で人気がある理由を紹介しましたが、やはり日頃適度な運動もしないで、マッサージや鍼治療で肩こり対策をしようというのは、時間もお金も勿体ない。

 いろいろ調べてみると、興味深い研究を見つけました。
 オーストラリアのConcord Hospitalで、70歳以上の1700人の男性が歩くスピードを5年間にわたって追跡しました。その結果、実験期間中に266人が死亡しましたが、生存率が一番高かったのが、時速4.8キロ以上で歩いていた人のグループでした。また、時速2.95キロ以上で歩いている人はそれ以下で歩いている人よりも、死亡率が20%さがったということです。

 日頃、患者さんに歩くことを口うるさく言っていますが、万歩計の記録を見せてもらうと、同じ時間歩いているのに、個人差が結構あったりするのです。歩く速度の違いというのは、注意すべき点だと思います。

 また、癌予防のためにも、歩くことが大切だとイギリスのWorld Cancer Research Fundが提唱しています。毎日最低30分でも歩くことで、脂肪を燃焼させ、免疫を強化し、消化吸収を助けることが癌予防に欠かせないと。WCRFの分析では、毎日45分程度体を動かすだけで、イギリスの乳がん患者を毎年5500人減らすことができ、毎日30分の運動で、イギリスの大腸癌患者を毎年4600例減らせるとし、毎日30〜45分の運動は継続すべきだとしています。

 上海の便利な生活。ここではバスやタクシー、地下鉄で移動できてしまうし、人によってはドアツードアで送り迎え付きというのが少なくありません。これでは、全然運動になっていないわけで、運動するための時間確保は、仕事をするための時間確保と同じぐらい大事であるという認識を持つ必要があると思います。記録を見ていると、一日8000歩以上歩けたら、体調はかなりよい方向に行くことが感じられますし、一万歩以上あるけたら、着実にダイエットできるはずです。

 もう一度歩くことを見直したいですね。
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2012年04月19日

4月20日は二十四節気の「穀雨」、種まきのシーズンです

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 4月20日は旧暦の3月30日。二十四節気では穀雨になります。あっという間に、春の最後の節気になってしまいました。これで、寒さはほぼなくなることになります。

 つい先日、私も上海郊外の崇明島に行ってきましたが、農民達は畑に出て大忙しでした。(写真)

 気温が安定的に上昇し、雨が多くなり、農家では種まきのシーズンです。お茶摘みのシーズンでもあります。昔の人たちがこの時期のお茶を重視したのも、やはりこの時期の新茶は栄養価が高いと言うことも関係があるかも。

 このように気温が暖かくなってくると、「上火」と呼ばれる症状が出やすくなります。咽の調子が良くなかったり、顔にニキビなどが出やすくなります。(中医学での上火については、
中国語でよく耳にする「上火」という言葉
をご覧ください。)さらに、雨が増えてくると、湿邪が身体に入りやすくなり、関節が痛くなったり、身体や頭が重く感じたりします。

よって、食べ物は冬の時と違って薄味重視とし、揚げ物など油っぽいもの、味の濃い物は避ける必要があります。

 今年は、5月5日になると立夏です。ああ、上海の猛暑が刻々と近づいていますね。恐ろしや。
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2011年10月15日

「白露身不露、寒露足不露出」

 先日、この時期にしては珍しくかなりしっかりと雷がなり、すっかり気温が下がってしまった上海です。
 
 うちの家には、時々義母、義父が子守の救援に来てくれるのですが、そんなとき、中国ならではの生活習慣をいろいろ教えてもらい、私も中医学的内容と組み合わせて考えると、興味深いことが多いです。

 そんな中、最近、とくに娘へ「靴下をはきなさい!」と言っています。上海人の妻もそうですが、特に足の冷えには敏感で、私のようによく裸足でぺたぺた歩いているのは信じられないらしい。

 よく中国の民間で言われている言葉に、「白露身不露、寒露足不露出」という言葉があります。「暦の上で、白露になると、夏場によく見かける上半身裸はやめなさい、寒露になるとはだしをやめなさい」という意味です。中医学でも、寒邪は、足の裏から身体を襲ってくるといった表現がありますが、なにより足裏は心臓から最も遠い位置にあるので、血液の循環が悪く、脂肪も少ないので寒さの刺激を受けやすいはずです。

 さらに、足裏が冷えると、呼吸器の粘膜にある毛細血管が収縮し、気道の内側の繊毛運動が弱くなり、風邪を引きやすくなるという研究もあります。抵抗力を高めるためにも、やはり足は温めた方がいいのでしょね。

 中国ではこれから足湯をする人が増えます。冷え性の人に限らず、下半身の保温は、しっかりとしておきたいところですね。
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2011年10月08日

2011年10月8日は「寒露」

 先日9月8日「白露」を迎えたと思ったら、あっという間に「寒露」になってしまいました。文字通り上海の気候もすっかり寒くなり。。。と言いたいところですが、このあたりではまだまだ日中は汗ばむ陽気です。

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 この時期、時々雨の天気もありますが、気候は総じて乾燥です。中医学で言う「燥邪」の季節です。また、乾燥しているのでウイルスや細菌も繁殖しやすく、呼吸器疾患や下痢などが増えます。折しも、日本ではRSウイルスが流行っているようです。以前、「秋凍」でも紹介しましたが、そのために部屋の換気をよくして、多少寒くても我慢できる身体作りが必要です。

 白露のころに比べると、明らかに露の量が増え、さらに寒さが増すと、やがて霜になっていきます。まさに、秋本番と言える時期です。
 先日の江西省の旅でも見つけましたが、まさに大豆の収穫時期です。レンコンなども収穫され始めます。まるまる肥えた淡水魚も、今が食べ時。上海蟹の便りも聞かれるようになりました。

 秋も深まってくると、潤す生薬を使うことが多くなります。薬膳の世界で同じで、食卓には秋の味覚が並びます。一方で、乾燥を助長する生姜やネギ、ニンニク、唐辛子類は控えめにしたいところです。

 蜂蜜や胡麻、胡桃、クリ、モチ米、棗などがお勧め。そろそろ、家鴨や鶏、牛肉類もいいかもしれません。多少胃腸に負担にならない程度にこってり気味のものがいいといわれています。

 よく知られていますが、身体を冷やす上海蟹を食べるときは、紫蘇や生姜など身体を温めるものを忘れずに。日本人が刺身や鮓を食べるときと同じ感覚です。
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2011年08月24日

「処暑」のあとの中医学的養生

 2011年8月23日は24節気では、処暑でした。偶然かそれとも計算されたからなのか、気温は見事にさがり、昨夜はこの夏初めて夜中に起き出して窓を閉めました。正直、寒かったです。

 とはいえ、本格的な秋の到来まではまだもうすこし時間が必要で、気温的に過ごしやすくなったとはいえ、何となく猛暑の疲れから身体がだるいという方も少なくないはずです。

 真夏のころは、私も患者さんには眠れないときには無理して長く寝ようと考えなくてもいいよ、と言っていたのですが、処暑を過ぎた頃から徐々に寝る時間を延ばしてあげてもいいといわれています。やはり夜は11時前ぐらいには眠りにつきたいです。

 さらに、上海エリアでは朝夕の気温の変化が大きくなります。残暑もあり、朝は涼しいと思ったら、昼はまだまだ汗ばむ陽気となり、空気も乾燥してきます。その結果、喉がイガイガしたり、鼻が乾燥したり、また下痢が多かった夏時期と比較して、便秘の症状を訴える方も増え始めます。

 そのため、「燥邪」を呼び込むような飲食はさけ、なるべく身体を潤す、陰の力が必要です。例えば、揚げ物とか焼き肉などの焼き物をさけ、蜂蜜や胡麻などの潤しの食品を取り入れることがよく言われます。また、肺を潤す百合根を使ってみたり、お粥などもお勧めです。

 暑さでばて気味の皆さんには、やはり脾胃を養うことが基本です。上海の市場でも、小豆や蓮の実、ハトムギなどは簡単に手に入りますので、生薬薬局などで茯苓を買ってきて料理に使ってみるのもまた一興です。

 一方で、乾燥シーズンに備えて、花胡椒や肉桂、唐辛子、酒類などは量を控えたいところ。いわゆる「上火」になりやすい季節ですので、身体を潤すことを徐々に考えてきたいところですね。

 「処暑」以降は、本格的な秋到来に備えて、夏ばてから身体を回復させる絶好のチャンスだと思います。
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2011年06月22日

夏至と果物

2011年は6月23日が夏至でした。夏至が過ぎると、いよいよ夏本番の三伏がやってきます。三伏とは、1年のうちで最も暑い季節で、夏至から3回目にやってくる庚の日を初伏、4回目にやってくる庚の日を中伏、さらに立秋後にやってくる初めての庚の日を末伏とし、それぞれ10日間あります。この3つの伏をあわせて三伏といいます。

 三伏は、冬の病気を夏に治すという冬病夏治の大切な時期であり、喘息や鼻炎などアレルギー体質の人や、冬の冷え・関節痛の予防など未病的見地から治療を行います。うちの中医クリニックでも、この時期に大陸や台湾人の子供たちが三伏貼の膏薬貼りにやってくるのもそのためです。

 夏になると、様々な果物が美味しくなります。

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 その代表が、やはり西瓜でしょう。上海では8424の品種が有名です。夏至を過ぎた頃から、自然に受粉した西瓜が増えてきますので、お勧めです。ただし、身体を冷やす性質が強いので、食べ過ぎると食欲が落ちたり、下痢・腹痛になったりすることが多いので、要注意です。冷やす性質のものですから、冷蔵庫に入れたものを直接食べてはいけません。

 冷やすものといえば、熱帯のマンゴーも代表選手です。ただし、この果物は汁などでアレルギー反応を起こす人が多く、注意が必要です。対策としては、食べるときはなるべく小さめに切り、直接汁が肌につかないようにすることが大切です。特に、お子さんがマンゴーを食べた後はしっかりと口を漱いであげてください。

 アレルギー反応といえば、パイナップルも多いです。パイナップルは、繊維質やビタミンCも豊富なのですが、胃腸の粘膜に作用する酵素の影響で、腹痛や皮膚の痒みなどアレルギー反応を起こす人が少なくありません。対策としては、この酵素を分解させるために、食べる前に希釈した食塩水へ20分間浸けておくことをお勧めします。

 夏場といえば、身体を冷やす果物が多いですが、温めるものもあります。その代表が、上海エリアでも多く収穫される桃です。桃は、気を補う滋養強壮の作用のほか、便通を改善する働きもあります。ただし、温める性質がありますので、食べ過ぎると顔に吹き出物ができたり、喉がイガイガしたりする症状を訴える人も少なくありません。サクランボも同様に身体を温めるものですので、いわゆる「上火」にはご注意ください。

 とはいえ、せっかくの夏ですから、色々な果物を食べてみたいですね。朝食にぜひ果物の彩りを添えてみてください。(くれぐれも冷やして食べないでくださいね。)

 暑くなってくると、身体の調子が今ひとつになり、抵抗力が弱まってしまう人も少なくありません。上海では食中毒が多発する季節でもあるので、いつも以上に気をつける必要があります。
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2011年06月13日

睡眠時間

 人間は一体どれぐらい眠ると身体にいいのか?色々な研究がされています。中医学の場合、季節による睡眠時間の調節を大切にします。一般に、夏場は短めにし、冬場は長めにするように心がけます。ただ、長すぎる睡眠や短すぎる睡眠はやはりよくないわけで、睡眠時間に関する研究は世界各国で行われています。

 アメリカの研究では、中年世代を対象とした認知能力と睡眠の関係で、毎晩7時間程度眠る人の認知能力が最も高く、6時間未満や8時間以上の睡眠時間だと能力が劣るとしています。その衰え方は、実際の年齢よりも4〜7歳分加算される程度に相当するのだそうです。

 また「寝る子は育つ」とよく言われますが、赤ちゃんの発育と睡眠時間の関係はどうなのか?Emory Universityの研究では、よく寝る赤ちゃんのほうが身長が伸びやすいのだそうで、毎回1時間多く眠ると、身長が伸びる可能性が20%高まるということです。研究者は身長の増加と睡眠時間との関係はあるとしています。

 睡眠時間と肥満との関係も研究されています。スイスのUppsala Universityの研究では、以前、睡眠不足の女性は腰・腹部が肥満になりやすく、浅い眠りや夢をあまりみない眠りも女性の肥満と関係があるとし、徹夜をした人が朝食を食べると、8時間睡眠をとった人と比較して、カロリーの消費が15%低下し、消費されなかったカロリーは、脂肪として蓄積される傾向にあるとしています。

 さらに、アメリカのNorthwestern Universityの研究でも、夜更かしをすると体重が増えやすいことを研究しています。平均年齢30歳の人を対象に、午前3時45分〜午前10時45分まで睡眠をとるグループと、午前0時30分〜午前8時まで睡眠をとるグループを比較した場合、前者のほうが体重が増加したのだそうです。

 夜更かしすると、カロリーの消耗が減少する一方で、食欲を増進させるグレリンと呼ばれるホルモンの分泌が増え、ものをますます食べたくなるようになり、肥満になるということです。

 寝ると言うことは、ダイエットに関しても非常に大切ということですね。
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2011年06月04日

後ろ歩き健康法-その後の研究

 上海の公園にいくと、よく見かける後ろ歩き健康法ですが、その後欧米でも様々な研究が行われているようです。色々なところで紹介されているので、中国や中医学などを超えた範囲で普及するかもしれません。

 これまで、後ろ歩き法は太ももや脛やおしりの筋肉をきたえるのに有効であると言われてきました。また、循環器系の健康維持にもいいということも言われてきました。

 今回見つけたのは、米国・University of Oregonの研究です。後ろ歩きをした方が、(この実験では後ろ走りをしているようですが)普通のランニングをするよりも短時間で運動効率を高めることができ、後ろ歩きなら前向きの時よりも2割ほど遅いスピードでも同様の運動量になるということです。

 研究では、直線で50〜100メートルの距離があれば一番よく、さらに2人一組になって1人が前向き、1人が後ろ向きになって同時にランニングすることを勧めていました。

 アメリカでも後ろ歩き健康法が普及するかも。
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2011年05月21日

中医薬局で香袋を買い求める市民の列

 今年2011年は6月6日が端午の節句になります。

 日本ではすっかり旧暦で端午の節句を迎えることはなくなりましたが、中国ではまだまだ健在です。菖蒲を飾ったり、粽を食べたりするわけですが、この時期、上海の中医薬局はにわかに忙しくなります。

 その一つが香袋。

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 うちの中医クリニックでも毎年作っていますが、巷の薬局でもいろいろな香袋が売られています。

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 そもそも、天気が暑くなって、ジメジメし出すこの時期、蚊などの虫たちも動きだし、伝染病なども気になります。そこで、生薬をつかって部屋を生薬の煙で蒸したり、香袋をぶら下げたりして、病気の原因となる「邪気」から身体を守るようにします。

 部屋を蒸すときによく使うのが、蒼朮や白芷などの生薬。また、香袋としてよく使うのが藿香・薄荷・丁香・白芷・竜脳などの生薬です。こうしたものは、上海市内の中医薬局で簡単に手に入ります。
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2011年05月06日

「立夏」を過ぎての中医学的養生

 2011年は5月6日に立夏を迎えました。上海でもなぜか、この日を境に連日のように最高気温が30℃を超えています。これより先に、4月20日に「谷雨」を迎えました。雨がこれから増えてきますよということですが、立夏に入ると、これまで以上に雨が多くなります。まさに、ここ中国でも田植えのシーズン最盛期となります。(しかし、本当に今日は蒸し暑い上海です。)

 立夏から徐々に夏に突入していくわけですが、夏と言えば五臓六腑で、「心」とのつながりを考えます。中医学の心臓は、西洋医学のいわゆる循環器としての心臓ではなく、人間の精神的活動を司るものとして重要視します。天気が熱くなってくるわけですから、当然この心臓の陽気が盛んになりやすくなります。

 暑さが増してくると、不快指数も急増し、イライラすることも多くなります。イライラは、交感神経の刺激とともに免疫力を低下させ、様々な疾患の原因となることは現代医学でもよくいわれることですが、夏こそ精神的な落ち着きを必要とする季節でもあります。

 そのほか、これから夏至にかけて日照時間が長くなっていきます。夜寝る時間は遅くなる一方で、朝はいつもより早く目が覚めます。これは、自然界の陽気が盛んになっている状態と、身体のリズムが合致してきていることを意味し、決して不眠症というわけではありません。

 そのため、夏こそ昼寝を重視したいこところです。元々夜の睡眠時間が短めなわけですから、30分以内の昼寝は疲れをとるのに有効ですし、汗を発散させるために血が体表に集まり安く、脳への血が減少して、眠気や疲労感へとつながります。

 よく、「夏こそはスタミナ!」といって、夏にコッテリしたものを食べる人が多いですが、中医学・漢方的には、むしろあっさりがいいとされています。脂っこいものは、身体の「火」をより盛んにしますし、なにより脾・胃の働きを弱めてしまい、食欲不振へとつながります。

 そのため、この時期は一般的にビタミンを豊富に含む果物や野菜類を食べるように心がけます。タンパク質類では、魚類がお勧めで、土用の丑にウナギをたべる日本の習慣とも関係がありそうですね。タマネギやニガウリ、冬瓜、豆類、胡麻、サツマイモ、胡桃、トウモロコシ、粟、などがよいとされています。益気養心・清熱解暑などの作用のある食べ物が効果的だということになります。
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2011年05月02日

過度なきれい好きも問題あると思う

 中国で生活して気がつくこと。それは「消毒」という言葉が、特に裕福な家庭ほどよく耳にします。確かに、日本と比べて明らかに衛生に関する考え方がテキトーなのに、妙なところに衛生にこだわっているような気もします。

 果たしてきれい好きは、本当に身体にいいのか?

 これには諸説があると思います。

 最近よく言われているのが、きれいにしすぎると、人体の免疫システムを弱め、喘息やアレルギーの発生を増加させるといいます。細菌自身が、人体の免疫システムを強化し、身体を丈夫にするのだというわけです。

 一方、きれいにしすぎることがうつ病の原因にもなるという実験も読んだことがあります。
脳科学の研究が進み、きれいにしすぎることが、大脳から分泌されるセロトニンに影響をあたえ、うつ病のリスクが高まるというもの。

 教育でもそうですが、人間の身体も細菌や寄生虫に多少は曝されることで、さまざまな炎症に対して身体が鍛え上げられ、それが精神的な問題にもいい影響を与えていくようです。
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2011年04月26日

火曜日午前10時のストレス

 英国のMichael Page社が行った、3000人の英国人を対象にした研究で、働いている人たちで、1週間のうち最もストレスを感じるのは、火曜日の午前10時であるというデータがありました。

 このうち、25%の人が出社するだけでストレスを感じ、75%の人が通常11時16分にストレスのピークとなり、20%の人が始業時間の9時前にこなす仕事が多すぎると答えています。また、30%の人が、上司がストレスの原因になっているとも。仕事の量が多すぎる、ということに関しては40%が不満を持っているとのこと。さらに、曜日別では火曜日にストレスがかかりやすい傾向があるということです。

 一般に、月曜日は週末の休み明けということもあり、まだ身体の調子がいいし、話題も豊富にある一方で、火曜日から本格的に仕事の山が出てくることが多いため、仕事のストレスも高まるということです。

 まあ、勤務体系により個人差はありますが、私個人の場合、休みは毎週火曜日しかなく、土曜日・日曜日は患者さんの数も多く、仕事内容がぐっと忙しくなるので、火曜日はゆっくりと休憩できる楽しみの一日であります。
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2011年04月13日

言うことを聞かないのが医者?!

 医者とはいえ、やはり人間です。病気や怪我もします。糖尿病の専門医の先生なのに、ご自身が糖尿病だったということもよくあります。では、そのとき自分はどう治療するのを望むのか、 最近興味深い研究結果がありました。

 アメリカのDuke Universityが242人の医師対して行った研究なのですが、もし医師が病気になり、患者となった時、その治療法に対する選択をアンケートしました。まず、もし自分が大腸癌に罹患したとき、どういう治療法を望むか?という問いに対して、38%が死亡率は高くても、副作用が少ない治療法を望むと答え、医師が通常臨床で患者に行っている典型的な治療法を選ぶと答えた人は25%しかいなかったようです。

 では同様に、鳥インフルエンザの感染したときの治療法は?という問いに対しては、63%が死亡率が高いが、副作用が少ない治療法を選ぶと答えたようです。

 結論として、大部分の医師は、自分自身の治療を考えるとき、死亡リスクが高まっても、副作用リスクが少ない治療方法を選ぶ傾向があるとしています。

 さらに、なるほどと思ったのは、University of Illinoisの心理学者のコメントとして、他人のためを思ってくだす決断と、自分のためにくだす決断とは、まったく思考的にも違うものであるということです。

 人に対してものすごくいいアドバイスができるのに、自分では旨くいかないとか、その逆のケースはこの世の中よくありますが、それを裏付ける一つの例だとも思います。

 ただ、中医学の場合、医師自身の健康に対する養生的知識とその実践が求められます。その昔、中国の多くの医学者が山にもこって仙人のような暮らしをしていたのも、そういった背景と関係があると思います。
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2011年04月03日

運動して風邪を予防

 まだ上海の天気は落ち着きません。今日も風が強くて、かなり肌寒い1日です。

 こういう日は、風邪に要注意というわけですが、アメリカのAppalachian State Universityの研究で、運動することで風邪引きを予防したり、風邪になっても軽くすませることができるというのがありました。2010年11月の『British Journal of Sports Medicine』(インターネット版)に紹介されています。

 実験では、2008年の冬に1000人の成人を対象に12周におよぶ追跡調査を行いました。この調査では、秋に風邪にかかった日数は8日間で、冬に風邪にかかった日数は13日間でした。ところが、1週間に1度もしくは全然運動しない人と比較すると、運動した人の方が風邪にかかる日数が平均で46%短くなったということです。また、運動をしていたら、風邪にかかっても症状の程度が30〜40%軽くなったという結果です。

 結論として年齢に関係がなく、日頃運動することで、風邪にかかりにくくなるとしています。

 運動することで、体内の免疫細胞を活性化し、抵抗力を高めることができるわけですが、中医学的にも、運動することで肺の衛気を高めることができるので、風邪にかかりにくいと説明されます。
 風という邪気だけでなく、これはあらゆる邪気に対してもいえることだと思います。
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2011年03月22日

月経前症候群にビタミンB類の食べ物がいいようです

 女性の月経前に発生し、月経が始まるとともに解消される月経前症候群(PMS)に関して、ビタミンB類を沢山含む食べ物の摂取が有効であるという研究結果が、米国のUniversity of Massachusettsから発表されていました。

 うちの中医クリニックでも時々見かけるPMSでは、生理前にイライラしたり気力が出なかったりする精神的な症状のほかにも、ニキビやむくみ、頭痛や眠気など肉体的な症状を抱えておられる場合が多いです。

 中医学では、心血不足や肝経欝熱、さらに痰などから弁証し、生薬を使うと一定の改善がみられますが、西洋医学の研究では、ビタミンB類の摂取に効果があるようです。ただし、サプリメントなどでビタミンB類を摂取するのでは効果が無く、ほうれん草やオートミールなどで摂取するのが望ましいとしています。

 実験によると、PMS予防のためにも、ビタミンB1やB2などをしっかりと日常生活に取り入れるべきで、そうするとPMSの発病率が25%減少したということです。

 胡麻やニラなんかにもビタミンB類が多く含まれています。

 薬を服用せずに、食材で症状の改善できればそれが一番です。
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2011年02月10日

春節(立春)からの中医学的養生のコツ

 2011年2月4日に迎えた「立春」ですが、暦が旨くできているのか、それとも偶然なのか、いずれにしろこの時期を過ぎると、上海でも非常に春らしく感じられます。その後、若干の寒の戻りもありましたが、最高気温が10℃を越えるような日も出てくるようになりました。

 「立春」を過ぎると、人の身体の徐々に春に向けて変化するようになります。自然界でも陽気が活発になってくるため、この陽気を身体が旨く取り入れられるようにしてあげる必要があります。

 ただし、少し厄介なのは、まだ自然界には寒気がたくさん居座っていることが多く、邪気が身体の表面から入ってくる湊理(いわゆる毛穴)のコントロールが難しいので、暖かい天気が続くと湊理は緩んでくるのですが、寒くなると再びしっかりと閉じてしまい、旨く陽気を取り込んだり発散することができません。

 中途半端な状態で陽気を閉じ込めてしまうと、陽気が体内で鬱積してしまう状態となり、陽が盛んになる一連の症状が出てきます。陽が盛んになると言うことは、「火」も盛んになるわけですから、この時期に喉がいたくなったり、便秘になったり、イライラしやすくなる(うつ的症状)が増えるのも理解できます。そんなときは、陽気がしっかりと発散しやすくしてあげる必要があります。

 従って、衣類などは暖かくなったからといって一気に減らすわけではなく、むしろ徐々に脱いでいく方が望ましいというわけです。

 春に気をつけないと行けないのは、春の風の邪気、すなわち風邪です。春になると陽気が盛んになり、湊理が開きやすく、そこから風邪が入り込みます。身体の中に入った風邪は、頭の上の方へ走り去れば頭痛を起こしますし、経絡に入り込めば関節痛になります。中国人が頭や膝(バイクに乗るときなど)にしっかりと風よけをつけるのも、そうしたことと関係があります。

 頭痛といえば、生薬「天麻(てんま)」が有名ですが、そのほかにも、髪の毛を櫛でとくことも過剰に溜まった頭部の陽気を発散させるのによいとされています。ツボとしてよく使うのが足少陽胆経の風池(頭を下げ外後頭隆起から正中線に沿った下方の陥凹部が瘂門穴で、その外方1筋を隔てた、後髪際陥凹部)や、督脈の風府(後頚部で後正中線上、外後頭隆起の下方、後髪際を入ること1寸)などを重点的にクシなどで刺激してあげると、頭がすっきりします。頭部刮痧なんかがいいのもそのためです。

 中医学的にクシをつかった頭皮の簡単な刺激方法として、まずおでこから後ろにかけて髪の毛をとき、今度は後頭隆起から耳の上にかけて再び前の方に戻ってくるという順番でやり、これを5〜6セット繰り返します。こうすると足少陽胆経や足太陽膀胱経などの経絡にそって陽気を循環させてあげることができるというわけです。
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