2011年01月11日

今日は暦の上でお粥を食べる日

2011年を迎えましたが、中国ではまだ春節が来ていないので、気持ちの上では新年を迎えていません。2011年の1月11日は、旧暦でいうとまだ12月8日。12月は腊(月+肉)月というのですが、この腊月八日にお粥を食べる習慣があります。

 腊の字は蝋とも関係があり、祭事の意味があると言われていて、1年の終わりになる12月には様々な祭事があるので、腊月といわれています。

 一方で、お正月があけた1月15日に春の七草を食べる習慣が日本にありますが、時期は同じ頃とはいえ、日本は新年1月の行事、中国では12月の行事ですので意味合いはかなり違います。

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 上海でもお粥を食べる習慣があります。この時期、豫園や老舗の中医薬局などにいくと、お粥を振る舞ってくれます。地方によってお粥の中に入れるものが異なるのですが、中医薬局にいくと、生薬(漢方薬)の中から、お粥の中にいれるのにふさわしいものを選んで売っているところもあります。

 上海人に一般に好まれる腊八粥は、クコの実や落花生、小豆、ハトムギ、蓮の実や山芋、茯苓(松の根元にできる菌類・生薬です)などを入れたりしますが、写真のようにグリンピースが入っているパターンもあったりします。ひらめき

 12月は腊肉と呼ばれる肉の乾物(中華ソーセージやハム)ができてくる時期でもあり、こうしたものをお粥にいれると結構いい味が出てきます。今年も、我が家では中華ソーセージを作りました。exclamation豆腐や大根なども入れるところもあるみたいです。 

 いずれにしろ、体がしっかりと温もるお粥は、この時期には欠かせません。
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2010年12月13日

冬の大根と中医学

 中医学の養生で、「冬に大根をたべて、夏に生姜を食べよう」という有名な言葉があります。なにか逆のようなイメージがありますが、生姜の発散させる力を利用して、夏に発汗して体温を下げ、食欲を増進させるだけでなく、解毒の作用もあるので、食中毒の予防にもなるという意味があります。では、冬に大根を食べるというのはどういう意味があるのか、中医学的に考えてみます。

 『大雪』後の中医学的養生でも、ご紹介しましたが、冬というのはカラダを補うことが多い季節です。しかし、補うだけでは全身に補ったものを到達させることができません。

 循環を重んじる中医学では、絶えず「流れている」ことが必要でなのですが、「補う」ことはこれと相反してしまいます。そこで、補ったあとは「通」と呼ばれる、気血の流れを整えてあげることが必要なのです。例えば、運動することも「通」です。

 我が家でも妻が時々料理しますが、牛肉や豚肉を煮込むときに、大根を入れます。実は、この大根に「通」の大切な意味があります。

 大根の種、すなわち生薬:莱服子(ライフクシ)は、気の流れを整え、食べ過ぎたときの腹部膨満感、さらに喘息などの治療にも使いますが、大根にも解毒や痰をとる作用、さらに熱を冷ます作用などがあります。肉類と一緒に摂取することで、油っぽいものに対する脾・胃の負担を和らげ、消化を助けてくれることになります。すまわち、肉などで「補う」ことに対して、動きをもたらすことができる食材ということになります。

 といっても、禁忌もあります。有名なのは、生薬人参と大根を一緒に食べないと言うこと。人参は気を補う力の強い生薬ですが、大根は気の流れを生み出す力が強く、気を補う力に支障をきたします。また、大根をたべるとゲップが出やすくなることから分かるように、「気」が出やすくなります。よって、胃潰瘍など症状がある場合は、食べ過ぎないようにしましょう。

 でも、この時期、大根が美味しくなります。季節の野菜をしっかりと食べたいですね。
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2010年12月12日

1g約1万円、生薬・冬虫夏草はどこへ行く

 正直、最近の生薬価格の上昇には、中医学や漢方をやっている関係者からするとかなり頭が痛い。もちろん、中国全体の中医学に関係する産業に影響を与えているのですが、例えば、風邪薬でお馴染みの板蘭根(バンランコン)の場合、10月ごろは10gで0.38元程度だったのが、12月に入って、0.63元ぐらいにまで値上がりしました。

 こちらはメデイアでも報道されましたが、子供の食欲不振や咳、不眠などにも使う太子参が、高騰し、今では10gで1.5元近くします。さらに、品切れということも。太子参などは、栽培もされているので影響は少ないように私も思っていたのですが、どうやら中国内陸部の気候不順で、それが影響を与えているらしい。そして、さらに投機マネーも生薬市場に流れ込んでいるというのだから、これは困ったものです。

 値段の問題でいると、高いと1gで1万円(約700〜800元程度)することもある冬虫夏草の問題は、もっと深刻です。黄金よりも高いですね!
 臨床では、私自身滅多に処方することはありませんが、それでも肺がんであったり、喘息であったり、肺疾患では使うことがあります。冬虫夏草自体、性質が穏やかなので、咳止めや免疫力を高める作用は注目されていますし、今では肝硬変、慢性腎不全やネフローゼの治療でも使います。

 冬虫夏草は昔から野生の人参や鹿茸(ロクジョウ)などとともに高価な薬として重用されていましたが、なんせ、標高3000メートルという高原に生息するため、手に入れるのが難しい生薬でもあります。そのため、冬虫夏草の乱獲が進むと、生態系への影響が懸念されています。

 冬虫夏草というのは、鞘翅目昆虫の幼虫に真菌が寄生し、春になると、真菌の部分が地面から顔を出します。そして、草のように地面に生えてくるわけですが、これを収穫するためには、地面を掘り出す必要があり、これが環境破壊につながるというわけです。

 冬虫夏草の中でも、一般的に青海省玉樹や果陽のものが品質的にもよいとされていますが、このエリアは黄河の大切な水源でもあります。過去、2回にわたって黄河の流れが止まってしまったのも、こうした環境破壊と関係あるとも言われているのです。

 皮肉なことに、人々の健康への意識が高まるにつれて、冬虫夏草のような高価な生薬が好まれ、さらに投機マネーの対象となってしまいました。商売人からすると、いいもうけ話かもしれませんが、患者さんや我々医療関係者からすると本当に頭の痛い話です。
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2010年10月05日

ブロッコリーの思わぬ力

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 イギリスのイースト・アングリア(East Anglia)大学の研究で、ブロッコリーが骨格や関節の保護に有効で、関節炎や関節の老化を予防するのに有効であるという研究結果を発表しています。

抗癌作用などもあり、ブロッコリーなどに多く含まれているSulforaphane (スルフォラファン)が、関節炎での、関節の退化に予防効果があるとされ、軟骨の損傷を緩和させる働きがあることが分かっています。そこで、関節置換術の前に、患者さんにブロッコリーを食べさせ、手術後に関節内にスルフォラファンが含まれるか、という実験も行っているようです。もし、これが可能だったら、高齢者に多い関節の痛みの治療に使われる可能性もあります。

 私も、うちの中医クリニックで様々な理由で関節の痛みや不具合を訴える患者さんを診察していますが、こうした研究成果が少しでも役に立てばと思います。
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2010年07月19日

悪玉コレステロールと主食の関係

 中国での生活が長くなると、どうしても油分の摂取の問題が心配になり、また体重が増加傾向となる人が多いように思います。私自身も気をつけていますが、正直言って上海で生活をするようになってから太りました。

 そんな中で、健康診断の結果をみせていただくと、悪玉コレステロールの数値に問題がある患者さんが少なくありません。これに関して、アメリカで興味深い研究があったのでご紹介します。

 ダイエットを考えるとき、一般に食べる量を減らしたらいいと思うわけですが、実はどうもそう単純ではないというのはご承知の通りです。

 コロラド州立大学の研究で、320人の肥満と判断された人たちを2つのグループにわけ、一つは毎日炭水化物を殆ど摂取させず、1日20グラム以下に抑え、一方のグループでは、炭水化物の摂取量を1日の総カロリーの55%程度にまで高めました。

 6週間後、双方のグループで6キロほど体重が減りました。このうち、主食をたくさん食べていたグループでは悪玉コレステロールが減ったのに、主食をあまり食べなかったグループでは逆にコレステロールが増加してしまったという結果でした。

 主食を十分に摂取しないと、人間の正常な新陳代謝に影響を与え、脂肪が分解したときに血液中の遊離脂肪酸が増え、糖尿病のリスクが高まると考えられています。よって、研究グループでは、1日100グラムは最低でも主食を摂取しなさいと結論づけています。

 中医学でも、以前ご紹介したように五穀と中医学というテーマで以前ブログを書きましたが、主食を非常に大切にします。

 中国人の皆さんも、ご飯をしっかりと食べる国民ですが、どう考えても食べ過ぎという人もよく見かけます。。。。
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2010年07月09日

夏にふと辛いものが食べたくなるわけ

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 中医学や漢方的な立場から夏の食べ物の問題を考えるときに、高温や湿気の問題が大きいので、必然的にヨクイニン(米仁)・冬瓜・黒ごまなど性質が比較的穏やかで、健脾去湿利水作用のある食べ物が浮かびますが、中医学の五行説的に考察すると、また違った見方もでてきます。

 『黄帝内経』にもあるように、人の体は四季の陰陽の変化と大きく関係があり、春は「生」、夏は「長」、秋は「収」、冬は「蔵」といった性質があることを知っておく必要があります。特に、夏はこの暑さからもわかるように、五行説では火に属し、五臓では心と関係があることになります。そこで、五行の相克の関係からみると、火は金に克つことができるので、火が強すぎなくなるように、金をサポートしてあげる必要があります。

 となると、五行説から金と関係の深い肺を補う必要があり、肺といえば五味の関係から「辛」がキーワードになってきます。そういった観点から、夏場に辛い物を食べるというのは意味があるということになります。特に、猛暑の季節では心火が強くなりすぎるので、金がしっかりと後ろ盾になってあげなければなりません。夏場は、空調にあたったり、冷たい物を食べ過ぎたりすることが多いわけで、そういった意味で寒気を防ぐ辛い物が役立つというわけですが、中庸を重んじる中医学で、四川料理のような辛い物を食べなさい、といっているのではなく、マイルドな辛い物を食べましょう、ということです。

 代表的な食べ物には、香菜とかニラ、生姜、タマネギ、ニンニクといったものになります。こういった食物は夏の食欲を増進させますし、発汗作用や血の巡りをよくする性質が多かったりします。そのほか、情緒の問題も大切です。五行説では、肺の五志は「笑う」になっています。喜ぶことで、肺の活動を活発にしてあげる必要もあります。

 さらに、肺を補うという観点からいうと、果物も大切です。梨なんかは肺を潤わせる代表的な果物ですし、咳止めの作用もあります。この上海の酷暑を乗り切るためにも、脾・胃以外にも、心・肺を考えた生活にもチャレンジしてみたいものです。

 中医学は本当に色々な考え方のつながりを大切にしますね。
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2010年05月20日

五穀と中医学

 中国で生活している、五穀を食べるチャンスが多いと思います。何を五穀というのかは、時代によって定義がちがいますが、『黄帝内経』に書かれている「五穀為養」の発想からいうと、あらゆる穀物を摂取しましょうということに繋がるようにも思います。

 ここでは、中国や日本でもよく食べられる五穀、粟・小麦・米・大豆・コウリャンについて見てみます。

 まず、粟ですが、一説には五穀の中のトップとも言われることがあります。中国語では小米とかくので、よく悪口などにも使われるのですが、効能自体は豊富で、おかゆなどにもよく入れます。主な効能としては、中医学でいう脾・胃の働きを整える作用があります。特に胃腸が弱い人にはお勧めで、お粥としても重宝されます。中国では、粟のお粥の上澄み部分に有効成分が集まっていて体にいいとされています。

 そして、小麦も大切です。生薬でも更年期障害や自律神経失調症などによる汗かき、ヒステリーなどの治療にも使います。汗かきには生薬では浮小麦を処方します。これは、小麦を水に浸けて浮いてきたものを指します。小麦は、秋に種をまき、冬に一旦成長が止まり、春になると葉が伸び、夏に実るという四季の変化を取り入れているため、五穀の中でも重宝されます。皮のついたままの小麦はお粥にもします。精神を安定させ、イライラの解消に役立つとされています。

 我々がもっともよく食べるお米は、陰を潤す作用があるといわれていて、主に肺・胃にいいとされています。

 大豆は、例えば黒豆だったら腎を補います。体を元気にし、解毒や皮膚を潤す作用も言われていますが、中国では豆乳としてもよく飲みます。牛乳よりもむしろ豆乳の国ですから。上海でも畑にいくと、畦などに大豆が植えられています。黒豆の豆乳もなかなか美味しいです。

 コウリャンは、大豆同様に雑穀に分類されることが多いですが、中医学でいう肝を補うとされており、胃の働きも整えてくれます。さらに、慢性の下痢にもいいとされています。

 こう見ると、五穀は五臓をそれぞれ補うことができるので、バランスよく摂取できたらいいというわけです。
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2010年02月19日

大豆と肺がん

 日本の厚生労働省の研究で、日頃よく大豆を食べる男性で、かつ喫煙をしていなければ、肺がんのリスクが下がるという結果が報告されていました。
 45歳〜74歳の男女あわせて7.6万人を対象にした研究で、11年にわたって調査を続け、大豆を摂取した量にあわせて、4組に分けて比較しました。
 その結果、大豆を一番多く食べたグループと、一番少なかったグループを比較すると、肺がんのリスクが57%下がったということです。
 大豆の中に含まれているイソフラボンが肺がん予防に効果があるそうなのですが、タバコを吸っている男性には効果がないとのこと。

 大豆製品は、中国でも非常によく食べますよね。豆乳は日本以上に飲むチャンスが多いですし、朝食に欠かせないアイテム。豆腐もかなりのバリエーションがある。最近の上海では納豆も簡単に手に入るようになりました。
 ちなみに、私は豆腐花が大好き。柔らかめの豆腐に、様々なトッピングをし、温かくして食べます。

 ちなみに、漢方や中医学の世界では、黒豆を生薬として使います。特に、黒豆の黒い皮は、「養血平肝」や「滋陰止汗」の作用があり、高血圧や頭痛、頭のクラクラ感、めまいなどの治療に使うことがあります。また、陰を補うので、体の火照りや汗かきの治療にも使ったりします。
 余談ですが、漢方や中医では、黒豆には補腎以外にも、美白効果があるともいわれています。解毒作用も有名ですからね。
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2010年02月09日

黒ごま

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 中国で生活していると、多くの食べ物中で黒ごま使われていると思いませんか?ちょっとしたお菓子の中にも、黒ごまペーストが入っていたりします。

 私が今朝食べた饅頭も中は黒ごままんでした。なかなかあいますよね。

 黒ごまは中医薬(漢方薬)です。といっても、食品でも普通に使われますし、医食同源の代表選手の一つですね。

 後漢時代ごろに書かれた生薬の本、『神農本草経』をちらっと見てみると、黒ごまの項には「・・・補五内・益気力・長肌肉・填脳髄・久服軽身不老・・・」と書いてあったり。昔から、不老長寿の食材として重宝されていました。

 中医学・漢方的には、生薬・黒胡麻は、五臓六腑の肝・腎・大腸に関係があり、肝腎を補ったり、「血」を養ったりする作用があります。昔から、髪の毛を黒くするとかいわれていますが、そういった効能も中医学・漢方からきているものです。立ちくらみや腰のだるさなどにも使います。

 胡麻ですから、豊富な油脂を含んでいます。そのため、皮膚の乾燥や便秘などにもいいです。最近の研究では、ビタミンEの含有量が植物性の食べ物のなかではトップクラスで、これが老化防止に役立っているということがわかってきています。偶然にも、中医学・漢方医学の「補腎」の作用と似ていますね。美容にいいというのもそのためです。

 特に大きな問題がなければ、メタボの患者さんも胡麻を適度に摂取することはいいと思っています。

 中国では、胡麻や山芋などを粉にして少し発蜜などで甘くして食べますよね。食文化はおもしろいです。
posted by 藤田 康介 at 08:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2010年01月26日

下痢の時には山芋などいかが?

 冬場に気温が下がってくると、例年下痢の患者さんが増えてきます。特に、お子さんの場合、中医学的にも消化器にあたる脾胃の働きが大人よりも弱いため、「虚」の状態になることが多く、便がゆるくなりやすいです。

 下痢の初期は、水分をしっかりと摂取することが大切ですが、全く何も食べさせないというのも問題で、そんなときに利用したいのが山芋です。中医学や漢方の生薬の世界では、「山薬」と書きます。陰を補うだけでなく、胃腸(中医学では脾といいます)や肺・腎の働きを補う作用があります。

 肺に関しては、とくに痰があまりないのだけど、咳が続いたり、喘息の発作が起きそうなときなど、私はよく使います。腎では、オネショウや夢精、腰のだるさなどの症状にも使えます。

 中医学の生薬で使う山芋は、乾燥されていて、簡単に粉にすることができます。そこで、お米を30分ほど水にしっかりと浸け、その後山芋の粉をお米2、山芋1の割合で配合して、おかゆにします。

 さらに、体の中に貯まった寒邪をのぞくために、胡椒も少々いれてみましょう。胡椒も生薬でして、下痢止めや痛み止め、嘔吐止めなどの治療に使います。

 寒さでお腹の調子が良くないときなど、大人でも使える方法です。ぜひお試しあれ。
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2009年12月24日

脂肪肝と山査子

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新鮮な山査子が上海の市場などで出回っていますね。我が家でも妻が買ってきていました。生薬でもよく使う山査子は、竜華医院の腎臓内科にいた頃、私の中医学の師匠である陳以平教授と研究したときに、尿酸値を下げる生薬の実験で使いました。

 山査子の真っ赤な果実からイメージできるように、山査子はいわゆる「血」にも作用し、活血散瘀の働きがあり、産後の腹痛や鼠径ヘルニア、大腿ヘルニアなどの痛みにも使います。

 でも、山査子の最も代表的な作用は、肉の食べ過ぎによる消化吸収を助けることです。山査子を粉にして、食べ過ぎによる下痢・腹痛の治療にも使います。山査子は非常に酸っぱいのですが、豊富な有機酸が、酵素の働きを助けてくれます。
 最近では、高血圧や高脂血症、心筋梗塞などの治療にも使われる山査子は、コレステロールの転化を助け、血管を拡張し、冠状動脈の血流を増大させるなどの作用が報告されています。

 そんなわけで、中医学や漢方の生薬の世界では山査子はものすごく重宝します。

 そのほか、脂肪肝にいい食べ物として、動脈硬化を防止し、血栓予防の作用があるタマネギ、善玉コレステロールを高め、血糖値を下げる作用のあるニンニク、牛黄酸を豊富に含み、植物繊維を豊富に含む海藻も脂肪肝にいいとされています。

 中華料理でよく出てくるヨウサイ(空心菜)も中性脂肪やコレステロールを下げる働きがあります。(道理でよくでてくるわけだ。。。)

 冬になると急増する便秘の患者さんですが、腸内の脂肪や老廃物を出すためにもサツマイモはお勧め。サツマイモの繊維質が腸内の水分を吸収して、腸壁を潤滑にすることができます。便通をよくして脂肪肝を防ごうという発想です。

 そのほか、なすびは糖尿病による脂肪肝にもいいと言われたりしています。

 脂肪肝の方には、朝にエン麦を食べることも勧められています。エン麦はリノール酸やサポニンを豊富に含み、中性脂肪やコレステロールをさげてくれる働きがあります。

 こう見てみると、身近で脂肪肝に良さそうな食べ物は多そうですね。
posted by 藤田 康介 at 17:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2018年06月24日

今日はお粥を食べる日

 2011年を迎えましたが、中国ではまだ春節が来ていないので、気持ちの上では新年を迎えていません。2011年の1月11日は、旧暦でいうとまだ12月8日。12月は腊(月+肉)月というのですが、この腊月八日にお粥を食べる習慣があります。

 腊の字は蝋とも関係があり、祭事の意味があると言われていて、1年の終わりになる12月には様々な祭事があるので、腊月といわれています。

 一方で、お正月があけた1月15日に春の七草を食べる習慣が日本にありますが、時期は同じ頃とはいえ、日本は新年1月の行事、中国では12月の行事ですので意味合いはかなり違います。

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 上海でもお粥を食べる習慣があります。この時期、豫園や老舗の中医薬局などにいくと、お粥を振る舞ってくれます。地方によってお粥の中に入れるものが異なるのですが、中医薬局にいくと、生薬(漢方薬)の中から、お粥の中にいれるのにふさわしいものを選んで売っているところもあります。

 上海人に一般に好まれる腊八粥は、クコの実や落花生、小豆、ハトムギ、蓮の実や山芋、茯苓(松の根元にできる菌類・生薬です)などを入れたりしますが、写真のようにグリンピースが入っているパターンもあったりします。ひらめき

 12月は腊肉と呼ばれる肉の乾物(中華ソーセージやハム)ができてくる時期でもあり、こうしたものをお粥にいれると結構いい味が出てきます。今年も、我が家では中華ソーセージを作りました。exclamation豆腐や大根なども入れるところもあるみたいです。 

 いずれにしろ、体がしっかりと温もるお粥は、この時期には欠かせません。
posted by 藤田 康介 at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界