2012年11月05日

秋本場の薬膳弁当「三味南瓜鶏」

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最近、上海にいらっしゃる日本人の間にも、薬膳を勉強されている方が増えてきて、巷の薬膳教室は結構賑わっているようです。中医学をやっている私からしても、これは嬉しいことです。中医学への正しい認識を広めてもらってこそ、治療効果が高まるというものです。

 ところで、例のゴタゴタ騒ぎで結局お流れになってしまったのですが、実は延期して11月3日に開催予定だった、東日本大震災被災地支援イベント「第2回上海秋祭り」のお弁当コンテストに、我が家からも妻の力作を出展していたのですが、古北のヤマトギャラリーでの参加者写真ポスター展示ということになりました。

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 私は、基本的に昼食は妻の弁当を持って行っていますが、完全に中国式の弁当です。すなわち、日本式のようにおかずを一品ずつ分けるのではなく、ご飯のおかずをのっけるタイプ。このやり方だと、とてもシンプルなのと、飾りが一切ないので弁当のゴミがでにくい。合理的と言えば合理的だと思います。


 ただ、弁当コンテストではちょっと不利。さすがに、日本人のお母さんが作られるお弁当の美的センスには妻も驚いたようです。もちろん、妻も中医学の医師だけに、食材にはいろいろ工夫しました。ということで、本場中国の秋の薬膳弁当です。(薬膳といっても、我が家ではよく使う普通の食材なのですが。。。。)


 名前は「三味南瓜鶏」です。秋の食材として、南瓜・鶏肉(手羽・足など)・タマネギ・生姜をミリン・氷砂糖・塩・醤油を使って炒め、ここに鬱金(ウコン)・陳皮(チンピ)・香附子(コウブシ)などの生薬を煮出してからスープとして加えています。味を調えるために、日本のミリンを使うことで、生薬特有の苦みを抑えることができました。


 そのほかにも、秋の食材がテーマとなっていて、秋葵(オクラ)、百合根、南瓜に、秋に収穫される新鮮な蓮の葉も使っています。蓮の葉は、荷葉と言って、生薬としても使います。ご飯には、精神を落ち着かせ、胃を養ってくれる粟もまぜてみました。メインとなる鶏肉には、疲れた体を元気にし、秋の乾燥を潤す効能で、午後も元気に
仕事!という意味が込められています。

 もちろん、腹7分目と安全を意識して、弁当箱は小さめ。これが結構ポイントだったりします。さらに、有害物質が出にくいガラス容器を使っています。ガラス容器は少々重いですが、私は弁当箱として愛用しています。

 いつもここまで凝った弁当が毎日出てくるとは限りませんが(^_^)、それでも栄養には気を遣ってくれているようです。ありがたい。


甘霖・我が愛しの上海へ
 

posted by 藤田 康介 at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2012年08月06日

苦瓜(ゴーヤ)の汗疹での活用

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夏になると、うちの娘にも時々みられる汗疹(あせも)。お子さんがいらっしゃる皆さんもいろいろな対策をされているかと思います。

中医学や漢方の世界でも、昔から伝わっている方法が沢山有ります。中医学的な病因病気は暑湿が皮膚に蘊蒸(うんじょう)し、汗がうまく排泄されないからと考えます。『外科正宗・痤痱瘡』には、熱い身体に風があたることで毛竅が閉じてしまうからとあります。

 外用薬でよく使うのは、六一散や青黛散など。内服では緑豆や金銀花、忍冬藤、地骨皮などを使ったりしますが、上海近郊の田舎で活用されているのが苦瓜(ゴーヤ)。

 我が家では、苦瓜をみじん切りにして、薄荷を混ぜ、さらに水を少々足してその汁を皮膚に1日に2〜3回塗ります。苦みの強いゴーヤは、清解暑熱などの作用があり夏の瓜類の代表選手。塗ってもそれほど刺激がないので、子供でもまず大丈夫です。(ただし、ゴーヤでアレルギーがある方は避けて下さい。)これが結構いい感じで、赤みや痒みがラクになるかと思います。

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 そのほか、我が家では薬草風呂を作っています。この場合は、エキス剤などを使うよりも、煎じ薬のほうが圧倒的に有利です。ちょっとすっとした感じの清涼感があっていい感じです。

【連絡】 ・8月19日(日)は東京でのTCMN15周年夏大会での発表のため、休診します。
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2012年07月24日

冬にしか山羊を食べないのは勿体ない

7月22日は大暑。大暑といえば、上海の奉賢区・金山区エリアでは山羊を食べる習慣があるのです。薬膳でとかよく言われる、山羊は「上火」しやすいから、冬しか食べないというのは正直正しくない。むしろ、夏だからこそ大補できる山羊肉を食べるべきだ、という地方もあるのです。そう、土用の丑にウナギを食べるのと何となく似ている上海で食べる山羊肉の発想です。

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 去年に引き続き、金山区の漕にある知り合いの山羊肉屋へいって、山羊肉を食べに行ってきました。S4高速道を使うと、浦東新区からでも金山まではひとっ走り。ところが、去年と同じ場所にあるかと思いきや、近所に拡張OPENしていました。おお、よく儲かっているんだ!

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 お昼過ぎに入ったのですが、すでに大入り。辛うじて端に席を確保して、ナベをつつきました。地元の人でいっぱいです。山羊と言えば、内臓も含めてあらゆるモノをいただけますが、レバーや胃などの内臓もおいしい。何れもお湯で湯がいて火をしっかりと通したものなので、熱々をいただきます。醤油だけで食べられるのはお肉が美味しいから。不思議と臭みが全然無いのです。

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 中医学の薬膳の世界では、山羊肉は温中暖腎・益気補血となっていて、虚寒系の証や疲れの解消などにいいとされています。夏ばて気味ならいいかもしれません。

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 ところで、ここでも冷たいお茶は出て来ません。飲み物として出て来たのは暖かい佩蘭(はいらん)茶。祛湿・祛暑系の代表選手で、上海エリアの農村部では夏の代表選手の決明子とともにお茶として飲みます。さすが!

 季節とともに動く食文化の魅力。これぞ医食同源の中華料理ですね。
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2012年07月20日

夏こそ酸梅湯(自作してみました)

夏になると、上海の家庭や巷でよく目にするのが酸梅湯とよばれる飲み物。甘酸っぱい味が特徴で、独特の清涼感があり、酸味があるので咽の渇きが癒やせてけっこうクセになる味です。

 中医学や漢方薬の生薬としてよく使われる材料が使われます。我が家でも作ってみました。

 作り方はいたって簡単で、山査子50グラム・甘草3グラム・大棗4個(本来は烏棗があればよかったのですが。。。)・烏梅50グラム・氷砂糖100グラムを2リットルの水に2時間ほど浸けておきます。さらに30分〜1時間煮詰め、冷ましたら完成です。氷を入れてしまう人もいるでしょう。(^_^) (食材でつかう薬材ですが、手に入れにくい方は、私にメールをくださればお分けできます。)

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もともと清代に北京エリアで作られた飲み物。宮廷で暑さ対策として採り入れられ、それが上海エリアまで伝わってきています。1930年代に大世界あたりで売られていたのが有名だったそうです。その後、80年代に入ってコーラやスプライトなどの炭酸飲料が席巻するようになりましたが、それでも庶民の間では酸梅湯を飲む習慣は残っています。

 医食同源とか薬膳とか難しいことは考えずに、健康ドリンクとして使えそうですね。食欲がない人は、食欲増進に、油っぽいモノを食べて胃がもたれている人は、油分の分解に使えそうなレシピですね。
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2012年05月30日

生薬の山茱萸(さんしゅゆ)のお菓子

 生薬といえば、「苦い」というイメージがありますが、全部が全部そうではありません。美味しいモノも結構あるのです。この山茱萸もそうです。ほんのり甘みがありますが、クセがある味というわけではなく、幼児など子供の処方に使っても嫌がれません。

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 たまたま、河南省からのお土産で頂いたのが、なんと赤い実で有名な山茱萸(さんしゅゆ)を乾燥させたお菓子。上海周辺の浙江省や安徽省などでも栽培されています。山茱萸の有効成分はタンニンやモノテルペノイド多糖体などを有効成分にもっていて、日本漢方では滋養強壮で使われますが、中医学でも肝腎不足の目眩やインポテツなどのほか、多汗症や夜尿症の治療にも使います。中成薬としては、今や非常にポピュラーになった六味地黄丸や八味地黄丸などにも使われています。

 この山茱萸ですが、実は我が故郷の奈良県でも栽培されています。これだけ食べやすかったら、レーズン代わりにパンに入れてみてもいいでしょうし、いろいろ活用法がありそうですよね。
posted by 藤田 康介 at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2012年05月04日

乳がんと野菜摂取の関係

米国のVanderbilt University Medical Centerと、上海の疾病予防コントロールセンターとの共同研究で、乳がんと野菜摂取について興味深い結果が出ていました。

 原文は、Eating cruciferous vegetables may improve breast cancer survival にあります。

 研究対象となったのは、アブラナ科の野菜の摂取で、2002年〜2006年の間で、乳がんと診断されたステージ1〜4の上海の患者4886人(20〜75歳)に対して調査しました。乳がんと診断されたあとの36ヶ月の生存率をみると、殆どアブラナ科の野菜を摂取していないグループと比較して、乳がんによる死亡率を62%減少させることができ、再発リスクも35%減少させることが出来たというこです。

 アブラナ科の野菜と言えば、キャベツやブロッコリー、ダイコンなどのお馴染みの野菜です。確かに、中華料理にはよく出て来ますし、中国人の女性がよくたべる野菜でもあります。

 やはり、こうしたアブラナ科の野菜を日頃からしっかりと摂取することは大切なようですね。
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2012年05月03日

女性の更年期のホットフラッシュと豆乳の関係

更年期障害で中医学や漢方を服用されている方は多いと思います。私も、毎日のように診察していますが、効果が出やすいのは実感しています。
 そうした症状の中で、主訴としてよく登場するのが、やはり火照りなどホットフラッシュに関する症状だと思います。体感的にも非常に気持ち悪いこの症状に関して、様々な研究が行われています。

 今回見つけた論文では、日本やアメリカの研究グループがおこなったもので、19項目の大豆のタンパク質で有名なイソフラボンに関して、ダブルブラインドテストの結果、毎日最低54ミリグラムのイソフラボンを6週間から1年間摂取し続けたところ、ホットフラッシュの頻度が26%減少したとくことです。また、少なくとも12週間豆乳を飲み続けた場合、そうでない女性よりもホットフラッシュに罹患するリスクが3倍下がったということです。

 中国では比較的普通に豆乳を飲みますが、日本人は意外と飲んでいない人が多い。更年期障害と豆乳の関係はいろいろ議論されていますが、少なくともホットフラッシュには一定の効果がありそう。

 上海でも旭洋などの豆腐メーカーが無糖の豆乳を出していますし、我が家では自宅で豆乳を作っています。豆乳メーカーは、上海で売っています。コーヒーメーカーよりも種類が多いぐらいです。

 今回の研究でなるほどと思ったのは、更年期前になって豆乳を飲み始めても効果がでてきているという点ですので、今からでも決して遅くないと思います。量は、1日コップ2杯程度が適当ではないかと思います。上海の伝統的な朝食ではそれぐらい飲みますよね。

【参考文献】
Extracted or synthesized soybean isoflavones reduce menopausal hot flash frequency and severity: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22433977
posted by 藤田 康介 at 07:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2012年05月01日

長寿の街、江蘇省如皋(じょこう)を歩く

 5月の連休は2日間の休みがとれたので、家族と義父・義母を連れて、上海からクルマで200キロほどのところにある、江蘇省如皋へ視察に行ってきました。

 人口145万人の、中国ではどこにでもあるような規模の街ですが、2011年に国際自然医学会から「世界の長寿村」の称号を授与されるほど、世界でも珍しい長寿の街なのです。興味深いのは、このエリアが山間部ではなく平地であり、しかも経済的に比較的発達したエリアであるという点では、世界的にも珍しいのだそうです。如皋市の場合では、人口145万人中100歳以上の人の数は265人で、80歳以上となると、53000人にもなります。だからといって、天然温泉などがあるわけでもなく、地元の人に話を聞いたら、「遺伝子がいいのでは?」というなんともつれない返事でした。(^_^)

 ごく普通の街が、なぜ長寿の街になっているのか? 医学をやっているものからすると、非常に不思議な感じがします。街全体が、長寿を観光のテーマにしようという取り組みもあったりして、興味深いです。

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 まずは、上海などと比較して、圧倒的に空気の質がいいのです。これは、今回も私自身が運転して、上海から崇明島をぬけて、江蘇省にはいったのですが、蘇北と言われるエリアは緑も非常に美しい。上海エリアがなんとなくホコリっぽく、緑がどす黒く感じたのと全然違いました。高速道路の街路樹をみればその違いがはっきりと分かります。

 また、街周辺には工場がないのもいいことだと思います。G15高速道を走ってきたときも、南通あたりはさすがに工業地帯がありましたが、それを抜けると田畑が続くばかりです。如皋は、長江に近い側に良好な港があり、そちらに産業が集中しているそうですが、内陸側は少ないのだそうです。

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 そして、なによりも街を歩いていて感じたのは、やはり人が少ないこと。これはストレス回避という面においても重要で、精神的に穏やかになりますよね。立派な学校もあり、小学校の中には文廟の大成堂(江蘇省の文化遺産)がありました。

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 ぐるりとクリークに囲まれた、典型的な城壁のあった街なのですが、その中には昔ながらの街も残っています。1600年の歴史を持っていて、今でもそこに普通に人たちが生活をしています。観光地化されていないのが嬉しいです。定慧禅寺というお寺には、市内を一望できる塔も復元されていました。そうした、文化的なカラーが色濃いのもこの街の特徴だと思います。

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 長寿というのは、やはり医療だけがいくら発達してもダメなのだと思います。街全体の雰囲気はとても大事だと思います。それは、おそらく中医学で言う「気」の流れと関係があるのではないかとも思ったりします。如皋の街がなんとなく気持ちよく感じるのも、そうした「気」と関係があるのではないかと思いました。

 
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2012年04月28日

1日2杯の紅茶が妊娠率を高める?!

 米国・ボストン大学のProfessor Elizabeth Hatchらのグループによると、1日2杯程度の紅茶を飲んでいると、妊娠しやすくなるのでは?という研究がこちらの記事にありました。ちょっと興味深いので、紹介しておきます。

 この研究では、デンマークで、これから妊娠する計画がある、平均年齢28歳の女性、約3600人を対象に行われました。もともとはカフェインの妊娠に対する影響をしらべるのが目的でした。そこで、1年間にわたって、どういう飲み物を飲んでいたか、記録してもらうことにしました。その結果、紅茶を1日2〜3杯飲んでいた人の妊娠率が、飲んでない人よりも27%く高くなっていることが分かりました。
 一方で、コーラなどの炭酸飲料を飲んでいた場合、逆に20%妊娠率が下がりました。興味深いことに、コーヒーを飲んでいるグループは変わりませんでした。どうやら、紅茶を飲むことは、妊娠することに対して有利な可能性があるようです。紅茶内に含まれている、抗酸化物質などが、男性と女性の生殖能力を高めるのかもしれません。


 さらに調べてみると、Professor Elizabeth Hatchの研究でCaffeinated beverage and soda consumption and time to pregnancyというのもありました。ここでも、やはり炭酸飲料は妊娠には不利なようです。


 中医学や漢方医学を活用した不妊治療は、西洋医学と比較して、日常生活云々についていろいろきめ細かな注意点があったりします。中医学の食養でも、紅茶と言えば体を温めるお茶の代表的なもの。やはりそういったものが女性にとって大切なんだろうということは想像に難くないと思います。

posted by 藤田 康介 at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2012年04月04日

乾燥系痰咳に使えるダイコン飴(萝卜糖汁)を作ってみて

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ちょうど清明節連休の1日目に風邪を引いてしまい、熱を出してしまった娘。熱は1日で収まったのですが、咳が残ってしまい、夜も咳で苦しそうだったので、今回はダイコン飴(萝卜糖汁)を作ってみることにしました。

 作り方は簡単で、普通のダイコン(白いダイコン)に、水飴か氷砂糖をいれて24時間ほど浸けておきます。割合は、大根500グラムに対して、水飴が20CC程度。今日は、我が家に水飴がなかったので、氷砂糖約100グラムで代用しました。

 ここで使える大根は、辛ければ辛い方がよいとされていますが、味は出てくるシロップへの影響はそれほどありません。大根を1〜2センチ四方に切って、氷砂糖としっかりと混ぜると、1時間もすれば汁がどんどんと出てきます。

 大根は、中医学や漢方の世界では萊菔と呼び、その種の莱服子は生薬としてよく使います。種は消食降気化痰の作用があるのですが、大根そのものも気の巡りを整えて、痰をとる働きがあります。特に、春先は空気も乾燥しているので、燥邪による風邪がよく見受けられます。そんなときに、簡単に家でもできる方法ですので、ぜひ試してみてください。氷砂糖や水飴は、ここでは甘さをつけるだけでなく、肺を潤す働きがあるといわれています。よって、燥邪+痰系の慢性気管支炎にも使えます。

 ダイコン飴は、私も子供の頃に親が作ってくれたことを覚えています。まさに、中医学・漢方的なアプローチができる食療だったのです。

 味も非常にマイルドなので、子供でも気軽に服用できます。
posted by 藤田 康介 at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2011年12月08日

荠菜(ナズナ・薺)

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 上海で比較的よく食べられる野菜、ナズナ(中国名:荠菜)。日本では春の七草の一つですよね。ぺんぺん草と呼ばれることもあります。

 我が家ではもちろん料理に使いますし、上海市内の饅頭屋さんでは、肉まんのバリエーションの一つに、荠菜肉包をよく見かけますが、これがまさにナズナ(薺)です。

 実は、上海では結構巷に生えていたりします。原産地は中国だそうで、いまでは広く世界に分布していますが、上海では近年栽培されるようになっています。市場でも時々見かけますね。

 先日、世紀公園に散歩に出かけたら、お年寄りが木の下でせっせと草を採っていました。よく見てみると、ナズナでした。これだけ上海で都市化が進んでも、自然の中之恵みはちゃんと残っています。

 中医学の世界では、医食同源の食べ物の一つです。日本でも、漢方医学の世界では医食同源の食材として使われます。性質は、甘・淡・涼なので、産後の出血や、血尿、月経過多、目の腫れや赤みなどに使います。利尿作用や浮腫にもよく、中医学では涼血止血・清肝明目・利水などの効能がつけられています。
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2011年07月24日

百合緑豆湯

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 三伏真っ只中の上海の夏。

 今朝も蒸し暑いのですが、朝食に妻が百合緑豆湯を作ってくれました。甘さの中に、緑豆と百合根のほろ苦さが美味しいですね。

 夏の医食同源、まさに薬膳の逸品です!
posted by 藤田 康介 at 07:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2011年07月17日

ザ「緑豆」

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 中国人の食生活をよく「医食同源」と言いますが、その背景にはやはり季節感と食との関係が密接にあると思うのです。そのときの旬の食べ物を食する幸せは、人間にとって非常に大切だと思います。

 ということで、上海市内のカルフールで見つけた一コマ。

 これだけ緑豆があれば、インパクトありますよね。

 漢方薬(中医薬)としても使う緑豆は、夏の上海人の生活には欠かせません。

 三伏真っ盛りの上海からの歳時記でした。
posted by 藤田 康介 at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2011年07月02日

「涼茶」の飲み方の注意点

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 よく火鍋を食べるときなど、飲料水代わりに例えば「王老吉」の赤い缶の涼茶を飲んでいる人を見かけます。確かに、身体を冷やす働きのある涼茶は、夏場の暑さ解消に良さそうですが、茶とはいえ効能が普通のお茶と少し違うので注意が必要です。

 一般的な注意点を書いておきます。

 まず、涼茶の処方には、生薬が使われているので、沢山の飲むものではありません。特に、冷え性の人や、下痢気味であったり胃の調子の良くない場合は避けたほうが無難です。

 また、子供や高齢者もなるべく避けましょう。子供は汗かきで、熱く感じることが多いのですが、大人の「上火」とはすこし意味合いが違います。子供の場合、いわゆる「純陽の身体」であり、冷えの刺激を受けると、身体の調節が難しく、腹痛や下痢の原因になることもあります。同様に、陽気が弱い高齢者でも問題がでてきます。

 女性も、生理が来ているときは飲むのを避けましょう。「涼茶」などで急に身体を冷やしてしまうと、寒邪が血に入りやすくなり、生理痛などの原因になりかねません。

 というわけで、冷やす性質のある「涼茶」は、決して冷やした状態では飲まないで、出来るだけ常温で、しかも量をほどほどにすることが大切です。

 もちろん、うまく活用すれば、夏の暑さを吹き飛ばす便利な飲み物になるはずです。
posted by 藤田 康介 at 16:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2011年05月03日

とは言っても、辛いモノは食べたくなるわけで

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 中医学にせよ、漢方にせよ、生薬を服用するときは、患者さんに辛いモノなどの刺激物や、脂っぽいモノをはせるようにお願いします。中医学的な観点から、脾・胃を守るために必要不可欠なことなのですが、健康な人からすれば、やはり辛いモノは食べたくなるものです。

 もちろん、食べ過ぎはよくありませんが、そんなときどうすればよいのか、いろいろな秘訣があります。

 たとえば、トウガラシを使うときでも、乾燥したものは性質的にきつくなるので、生のものを使うと比較的穏やかになります。さらに、中華料理では炒めることが多いのですが、高温で炒めることが熱性の性質を和らげることができます。

 辛いモノを食べるときは、水分は大切です。四川料理を食べるときに、菊茶などが好まれるのにも、上亢した陽気を、下げる働きがあるからです。ヨーグルトや牛乳も清熱作用があるのでいいでしょう。酸っぱいものも辛いモノを食べたときにおすすめで、消化酵素の働きを高め、胃腸の運動を盛んにします。代表的なものには、山査子のほかに、柚子などの柑橘類もいいわけです。辛い料理に、お酢を調味料として組み合わせるのも、辛さをコントロールするためには重要です。

 辛く感じる熱性の食べ物に対して、それを冷やす食べ物の組み合わせも大切です。野菜系ではニガウリや豆腐、ヘチマ、レンコンなどがそうです。ニガウリはその苦さから、体を冷やす性質であることが分かります。(言い換えると、食べ過ぎに注意する必要があります。)さらに、アヒルの肉も陰を補う作用があるといわれています。魚の肉もいいですが、逆に牛肉はダメです。

 辛いモノを食べ過ぎると、便通にも影響を与えます。人によっては下痢をすることもあるでしょうし、逆に便秘の原因になったりもします。よって、胃の熱を順当に排出するためにも、サツマイモ類もぜひ食べたいところですし、辛さにより湿熱が気になるの場合は、ハトムギなどもいいことになります。

 そういう意味では、伝統的な食べ物の組み合わせは大切ですよね。それが薬膳に繋がるのです。
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2011年04月08日

ニワトリ

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 上海でも、いまだに市場にいくと活きた鶏が売られています。上海人は鮮度のよい魚にはあまりこだわりませんが、鶏に関してはとことんこだわる傾向にあります。そのため、鶏一羽をさばけるかどうかどうかは、大切な料理テクニックのようです。

 中医学の世界では、鶏は体を補う食品として有名です。体を温め、五臓六腑にパワーを与え、冬場にはよくメニューに登場します。

 ところで、中医学の薬膳の世界では、一応雄鳥と雌鳥を区別します。

 体もでかく、大きな声で鳴く雄鳥は、中医学的には腎の陽を補う力が強く、インポテツであったり、何となく精力がないような男性にお勧めです。ただ、陽気が強すぎる嫌いがあるので、元々体の陽が強い体質の場合は、避けます。同時に、高血圧や痛風、熱が高い風邪引きの場合などでもおすすめできません。よって、アレルギー体質の人(アトピーなど)や、皮膚の弱い人(乾癬など)などは食べるのを控えるべきでしょう。 雄鳥は肉がしまっていることが多いので、鶏肉として炒めると美味しいと言われています。中華料理では、栗などとよく一緒に炒めますよね。

 一方で、脂肪分が多い雌鳥は、気血を補うのによいとされます。よって、女性に雌鳥がいいといわれるのは、そのためです。生理中に出血が多かったときや、産後に体の栄養をつけないといけないときなど、虚弱体質の方にはおすすめです。我が家でもスープとして登場するのは、やはり雌鳥です。
 

 最近、屋外を走り回っているニワトリにこだわっている上海人も少なくありません。
 美味しい鶏肉を食べたいという思いは、中国人に多いわけで、日本の地鶏にもひょっとしたらチャンスがあるかも。
posted by 藤田 康介 at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2011年03月24日

加熱したトマト

 考えてみれば、中華料理ではよくトマトが登場します。
 
 一番代表的なのは、「番茄炒蛋」。トマトと卵炒めです。

 この料理、正直言って私は衝撃的でした。日本人の私からすると、トマトと卵を炒めるというのはかなり異色の組み合わせに感じたからです。

 ちなみに、中国の人たちで、「自分でできる料理は?」と聞かれて、「番茄炒蛋」と答えると、ずばり「料理ができない」の代名詞になっております。

 中国では麺類にもトマトはよく使われます。牛肉とトマトという組み合わせが多いように思いますが、料理の世界でも「番茄煮牛肉」といったメニューもあります。これも薬膳というのかな??ウイグル料理などにもトマトは食材として欠かせません。(下の写真は、私の大好きなトマト系のラーメン)

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 さて、中華料理のトマトは、その殆どが熱した状態で登場します。たまに前菜で生トマトが出てきますが、あまり多くありません。中華料理ではこうした生トマトに砂糖がかかっていることもあり、また驚き!

 実は、最近のアメリカの研究で、熱したトマトのほうが生のトマトよりも骨粗鬆症や前立腺癌などの癌症、さらに心臓や血管などの疾患予防につながるということです。イリノイ州国立食品安全センターが発表しました。

 それによると、トマトを加熱することで抗酸化作用のあるトマチン(Tomatine)が増強され、炎症や血栓を防ぐ作用が高まるということ。

 生野菜の栄養素が高いうんぬんと言われる中で、このトマトのトマチンの性質は興味深いですね。

 ちなみに、中医学の薬膳の世界ではトマトは胃・肝の経絡に属し、甘・酸・涼の作用があり身体を冷やす系の食材でもありますが、胃腸の働きを整える作用もあります。温めることで、身体を冷やす作用が軽減されるはずで、ある意味合理的かも知れません。
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2011年03月20日

ニラのおハコで陽を蓄える?!

 妻の実家から、手作りの点心の差し入れがありました。

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  中国語では、「韭菜盒子」と呼びますが、日本語で言うと「ニラのハコ」といってもいいのではないでしょうか。小麦粉で作られた生地のなかに、ニラがぎっしりと詰め込まれています。ニラをたっぷりと食べるのにはふさわしいメニューかもしれません。

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 中のニラは、卵炒めされており、皮の食感とものすごくマッチして美味しいのです。巨大餃子ぐらいのサイズがあります。 上海の街角でも時々売られていますよね。

 この時期、ニラを食べるメニューが多いように思います。
 ニラのことを、中国語での別名を「壮陽草」とも呼びます。文字通り、身体の陽気をパワーアップさせる食べ物です。春の陽気が盛んになってくるときに、また早春の寒さを吹っ飛ばすためにもぜひ食べてみたい食材の一つです。

 漢方薬や中医薬ではインポテツなどの治療に、このニラの種を使ったりしますが(韭菜子・五子丸)、ニラ自身にも身体を温める働きがあります。また、血巡りを改善する作用もあったりします。これは、ニラのにおいの成分でもある「硫化アリル」の働きと関係があり、ビタミンB群の含有量が多いことからも、ニラを食べたら元気になることと繋がるかと思います。

 とはいえ、もともと身体が火照っていたりする熱系の体質の人はあまり食べ過ぎないように、ということです。
posted by 藤田 康介 at 17:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2011年02月16日

立春以降に食べたい食べ物

 日本でもすっかり有名な言葉になりましたが、『黄帝内経・素問』の「四気調神大論編 第二」に「春三月(立春から立夏まで)、これ発陳という。天地倶に生じ、万物以て栄える。夜に臥し早く起き、広く庭を歩き、神を被き形を緩す、以て志をして生ぜしむ。」という一節があります。
 すなわち、春はしっかりと生気を養って、肝を労り、成長を助けてあげることで、夏になって寒性の病、さらに夏ばてまでも防ごうという発想です。なんともいい言葉ではないでしょうか。

 それはともかく。結局、食べ物も人体の陽気を発散させるのを助けるような食べ物がいいということになります。これがいわゆる中医学の「発陳」の思想につながります。

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(立派に生えてきたニンニクの芽、土の下にニンニクがあります。江蘇省無錫にて)

 具体的には、2月は一般的に、ダイコンやニラ、タマネギなどを食べるように言われますが、その原理は、上記のように春に盛んになる肝気を発散させ、陽気を補ってあげるという中医学的な養生の思想に基づきます。とくに、もやし類(緑豆もやしや大豆もやし)、生姜の芽、ニンニクの芽なんかがお勧めです。

 植物の発芽は、そもそも種の中に溜まった物質を発散させるというイメージがあり、これぞ発陳の典型ということになるのでしょう。

 ただし、こうしたモヤシ類は一般に身体を冷やすものが多いです。胃腸が冷えやすい人は食べ過ぎず、またモヤシとあわせて生姜などを組み合わせるのもいいでしょうし、この時期なら温性のニラと炒めるのもまたよいです。中華料理で、ニラとモヤシが一緒に炒められることが多いですが、これもバランスを整えるのによいと言うことになります。ニラレバなんかも、そういった意味では気血の不足を補うのにはいいメニューです。

 ニラは、中医学・漢方の世界で、ニラの種を不妊症の治療に使うように、陽気を補う作用があります。その中でもとくに、肝の陽気を補う性質があります。ただし、陽気が盛んな人は食べ過ぎないように気をつけましょう。

 また、五行説で春が青色に属することからも、セロリやほうれん草などの葉物が時期的にもいいことになります。

 陽を養うには、身体をしっかりと動かし、外の陽気を身体からしっかりと吸収させることが非常に大切になります。
posted by 藤田 康介 at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界

2011年01月21日

ちょっとした中医学の薬膳的咳対策

 娘がすこし風邪引いてしまいました。一時熱を出しましたがその後熱は収まって、今は多少咳をコホコホしている程度です。ただ、風邪が上海でも流行しだしているみたいです。

 咳と聞くと、昔も今もいろいろな民間的な治療法がありますが、中医学の世界では薬膳の分野で色々な方法があります。

 以前、「中医沙竜」で紹介したを使った方法は、中国人の家庭でも非常にポピュラーです。うちでもよくやりますので、少しご紹介しておきます。

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 日本でもよく見かける「蜜梨」を使います。

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 真ん中に穴をあけて、氷砂糖をいれますが、蜂蜜でもいいです。

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 鍋の下に水をいれて蒸すこと20〜30分で梨の身が透明になります。

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 これを寝る前に食べます。主に、痰のあまり絡まない乾燥系の咳に使うことが多いです。

 そのほか、日本でもお馴染みの大根飴ですが、中医バージョンもあります。こちらでは、大根の中をくりぬいて、その中に蜂蜜をいれて水を少々加えて20〜30分程度蒸します。子供の肺炎などで、咳が止まらないときなど補助的治療法として使えます。

 風邪のあとの鼻水は結構厄介です。アレルギー性鼻炎などでもそうですよね。そこで、中医学の方法で、自宅で簡単にできることとして、ニンニクを1〜2かけをつぶして10CCぐらいの水に半日漬けます。そして、綿棒をつかって1日3〜4回鼻の中の粘膜に塗ってあげます。ニンニクそのものの殺菌作用とともに、鼻が通ってすっとするハズです。

 これらすべて、私自身も試してみましたが、なかなかいい感じでした。いろいろな方法があるものです。
posted by 藤田 康介 at 18:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界