ただ、それが人間だけでなく、家畜や水産物にも多く使われているという情報は、以前から中国でも騒がれていました。それを裏付ける研究結果が華東理工大学・同済大学・精華大学などの研究チームが中国国内の雑誌『科学通報』に発表しています。メディアにも紹介されました。
これによると、中国の地表水からは薬品や化粧品などの成分158種類が検出され、このうち最も多い物質のトップ10はいずれも抗生物質であり、全体では68種類の抗生物質が検出されたということです。しかも、濃度や検出頻度が高く、上海にも流れている黄浦江や広東省の珠江に関しては検出率は100%だったそうです。確かに、これら川の流域は、人の生産活動が盛んであり、汚染問題も深刻なのは紛れもない事実ですよね。
論文によると、中国で毎年生産されている化学薬品や化粧品の原料は1300種類にものぼります。このうち、医薬品・化粧品などパーソナルケア製品に含まれる化学物質の年間生産量は3.3万トン。このうち70%は抗生物質だそうで、抗生物質の生産量がいかに多いかが分かります。この比率は、欧米なら30%ぐらいなのだそうです。
こうした物質は、生産工場から排出されるだけでなく、医薬品や化粧品が日常生活の中から生活排水として流されることもあります。さらに、中国の場合、農業・家畜・水産養殖などで直接的に使われ、それらが土壌や水を汚染している可能性も指摘されています。特に、一般的に中国でも認識されているのが水産養殖での濫用問題で、成長を促進するためにホルモン剤を使ったり、病気の予防のために抗生物質を使ったりしていることがあるということ。特に、中国の農村エリアでの汚染では、養殖業がもたらす影響がとても大きいことも認識されています。そもそも、農民達のそういった安全とモラルに対する知識の欠乏も問題だと思います。
これら物質が、人体にどれほどの影響をもたらすかは、はっきりとしたデータはまだ出ていません。しかし、何らかの影響があることは十分に考えられます。
(すこし古いですが、参考記事:環境中に存在する医薬品や化粧品等のパーソナルケア製品(PPCPs) について)
◆おしらせ◆
【中国での食の安全を考えるの最新記事】
最近、公害に関して土壌の重金属汚染が深刻で、広東省周辺の穀倉地帯では軒並み重金属汚染されています。
これら政府規格を超えるものを、良品と混ぜて薄めて合格させて販売とか、聞いていますが、実際、スーパーのバラ売りの検査表見ますと、国家規格の半分程度から上限近くまであり、汚染の実態がわかります。
購入者の女性に聞いたのですが重金属汚染自体を認識していませんでした。
政府は全国の耕作地の汚染度を調査しましたが、国家機密で詳細は未公表です。
抗生物質もですが、もうひとつがホルモン剤の乱用です。特に、女性ホルモン剤E2が飼料などに使われているようです。
薬の箱には、食品や飼料加工へは使用厳禁とまで記載されているくらい。
お米は東北米で逃げていますが、野菜類は有機栽培って言っても、重金属は?ですね。
飲料水は、逆浸透膜でも使わないとだめかもしれません。
ここ最近、お米は日本製に切り替えました。日本出張時に持って帰ってきています。飲料水は自宅では逆浸透膜を使っています。効果はてきめんだと思います。毎日の事ですので気を遣いたいですね。