2014年05月05日

産後の冷え

 IMG_0494.jpg(上海市高橋鎮にて)

 不妊治療で中医学・漢方や鍼灸を使う人が、以前と比較して明らかに増えてきたと思います。これは母体の負担を軽減するのにも結構な事だと思いますが、残念ながら相変わらず当帰芍薬散を不妊治療の目的で延々と飲み続けている人が多いのもまた事実。本当はもっと体調にあわせて変化が必要なのです。

 しかし、意外に知られていないのが産後の体調管理に中医学・漢方を使うということ。
 中国では極めて一般的な習慣でもあります。

 産後1ヶ月間は「坐月子」といって、中国ではすべての活動をストップさせ、身体を休めます。(テレビすら見ないという人もいます)そのための専用の家政婦さんを雇うぐらいですから。このとき万が一女性が家事などで休めなく、しかも体調不良になったりしたら、すべて旦那さんの責任!と一生言われ続けられることになります。そのほかにも、乳腺炎になってしまったとき、おっぱいの出がよくないとき、詰まってしまったとき、そして逆に母乳をとめるときなども使えます。

 さて、産後の体調管理で、ときどき私も診ることがあるのが産後の身体の冷えです。これは正常に出産したとき以外にも、流産をした後も含みます。とくに、寒い季節の冬や、エアコンをよく使う夏場なんかも要注意です。関節の冷え以外にも、四肢の冷えや痺れ、腰や背中の怠さも伴います。これが、産後から数ヶ月、場合によっては数年間続くこともあります。

 基本的に、産後は身体が弱ります。中医学的には、出産により母体が元気を損ない、気血が損傷されると、様々な外邪が侵入する腠理という体表の穴が緩くなり、気血がさらに不調になります。そして様々な症状を引き起こすわけです。

 このうち、季節柄よくみられる外邪が風邪・寒湿邪で、これらが腠理から体内に入り込むと冷えや痛みを引き起こしやすくなります。そこで、気血を補い、それをベースにして血の巡りを整え、温めてあげることが必要です。こういう場面では、やはり中医薬(漢方薬)は力を発揮できるわけです。産後のケアで、黄耆・白朮などの益気健脾系、杜仲・続断・巴戟天などの補腎助陽系の生薬が使われやすいのもそのためです。
 

おしらせ

posted by 藤田 康介 at 19:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 脈案考察
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