癌患者を世代別にみると、70歳以上が全体の45%を占め、続いて50〜69歳が42%、50歳以下が13%となっていました。
また、タバコを吸っている人は、吸っていない人よりも肺がんリスクが10倍高まるとか、夜勤が多い女性は乳癌になりやすいとかそういった傾向も上海でみられますが、なんといっても日常生活での問題点は多い。
たとえば、カビの生えたトウモロコシや落花生に含まれるアフラトキシン問題は中国で暮らしている人なら一度は耳にしたことがあるはず。「地溝油」と呼ばれている不良リサイクル油もこのアフラトキシンを含んでいて、肝臓癌の原因にもなります。また、冷蔵庫に食材を詰め込むことも実は癌の発生にも深い関係があります。食材は新鮮な物を買い、使い切るようにしたいところです。
癌予防に関しての運動の重要性については、このブログでも何度も取りあげていますが、それでも運動不足の人が相変わらず多い。毎日最低30分は歩かないといけないし、出来ることなら1時間は確保したいところ。その他、塩分の取りすぎ、果物の摂取不足、糖分のとりすぎ、肉類の食べ過ぎなどなど挙げるとキリがないですが、基本はバランスの良い生活をすることです。
上海市の女性に多い乳癌に関して、興味深い試算が紹介されていました。
もし早期で発見され、患部の外科手術だけで治療が行われた場合、放射線治療も抗癌治療も必要なく、6000〜7000元程度で治療は完了します。しかし、手術範囲が広まれば、放射線治療や抗癌治療も必要となり、その費用は20000〜30000元にもなるとのこと。(上海市での場合)
また、上海市癌康復倶楽部の統計でも、癌治療にかかる費用のうち、40%は最後の1年に費やされ、このうち40%は亡くなる最後の1ヶ月に費やされることになるという調査結果を出しています。早期発見と早期治療が経済的な負担に関しても如何に大切かがよく分かります。
最近、日本人の間でも癌治療に関して、中医学(漢方医学)の活用を考えられる方も増えてきていますが、残念なのは末期になってから来られる方が多いということ。西洋医学の標準治療法や検査はもちろん大切ですが、我々東洋医学をやっているものからすると、少しでも早く活用してもらえたらと思うのです。最近は、中国でも煎じ薬だけでなく、エキス剤の活用が便利になってきて、患者さんの負担も軽くなってきています。
今後も様々な研究が行われていくことかと思いますが、西洋医学同様に東洋医学でも早く手を打つことが大切だと思います。

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