
私もこのブログで以前、六味地黄丸と精子の質・男性不妊の治療でという記事を書いておりますが、あわせてそちらも参考にしていただければと思います。
ただ、精子の問題を考えるときに、男性の生活習慣の問題は必ず考えなければいけません。スタンフオード大学の研究で、肥満と過体重の男性の精液の数と質が劣るという結果が出ていました。テキサス州とミシガン州で妊娠を希望している468組の夫婦で、男性のウエストと体重を測り、射精時の精子の量との関係を調べました。それによると、BMIが正常範囲の場合、平均射精量は3.3ミリリットルでした。一方で肥満でBMIが最高レベルの場合、射精量は2.8ミリリットルで量が減りました。また、ウエストが102センチ以上だと、94センチ以下のグループと比較して、射精量は22%減少しました。実は、この射精の量は精液の質を見る上でとても重要といわれており、精子が安定した環境で活動するためにも欠かせないとされています。また、脂肪が精子に与える影響としては精子の成長を妨げたり、陰嚢の温度を上げてしまったりと諸説がありますが、いずれにしろ、あまりよくないことは確かです。
また、飲食が精子に与える影響に関しても興味深い研究がありました。
一般に、男性の年齢が大きくなると、精子のDNAが破損され、染色体異常が出やすいといわれています。イギリスの研究では、44歳以上に男性に対して、柑橘類やイチゴ、ジャガイモなどビタミンCが豊富に含まれている食品を摂取したら、こうした食材をあまり食べない人にくらべて、精子のDNAの破損が20%近く減ったということです。同様に、亜鉛を含む魚介類、ビタミンEを豊富に含むナッツ・胡麻類、葉酸を含む緑の野菜などの食材も大切です。精子の質を高めるために、活性酸素によるダメージも防がなくてはいけません。さらに、精子の成長を妨げる女性ホルモンに似た物質も要注意です。これに関しては、偏頭痛とペットボトルもご覧ください。
この分野は、中医学の薬膳・養生とも深く関わりがあります。我々現代人の生活からすると、ちょっとした工夫が必要ですね。

【中医学の薬膳・医食同源の世界の最新記事】