上海ではいまのところインフルエンザの発生は散発的です。広東省ではH7N9型鳥インフルエンザの報告がありました。
中国疾病予防コントロールセンターとアメリカ国立衛生研究所の合同研究で、中国での季節性インフルエンザの流行とワクチンの使い方について興味深い論文が発表されていました。出典はPlos MedcineのサイトにCharacterization of Regional Influenza Seasonality Patterns in China and Implications for Vaccination Strategies: Spatio-Temporal Modeling of Surveillance Dataあります。
この研究では、2005年〜2011年にかけて中国全国30の省の193箇所の医療機関からインフルエンザ症例報告を分析しています。興味深かったのは、やはり気候の違いにより、インフルエンザ流行のピークが異なっているというところです。中国は大きいですからね。
A型インフルエンザの場合、北緯33度以北では1月〜2月の冬季にインフルエンザが流行し、北緯27℃以南では6月〜8月に流行する傾向があるようです。さらに、この間に属するエリアでは1月〜2月、6月〜8月にインフルエンザが流行するとのこと。ちなみに、上海はちょうどこの真ん中に属すので、年に2回はインフルエンザが流行しやすいようです。
一方で、B型インフルエンザは中国の大部分で冬季に流行する傾向あるということです。
北方で冬季にインフルエンザが流行するのは、やはり気温が理由と考えられていますが、南方で春にインフルエンザが流行することがあるのは降雨と関係があるという結果でした。
また、北方エリアでは10月頃から季節性インフルエンザの予防接種を、南方エリアでは2〜3月頃からが望ましいとしており、これはちょうどWHOの推薦している北半球と南半球の予防接種時期合致していることになります。
2013年12月17日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/82675422
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/82675422
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック