2013年10月16日

上海市の公的医療保険(医保)に加入

 2013年の私にとってのビッグイベントは、日本人としての中国でグリーンカードの取得だったのですが、せっかく全世界で5000人程度しかいない中国のグリーンカード(永久居住証)を所得できたので、次はこれを使って上海市の基本医療保険加入の手続きを進めていました。

 2009年頃から上海市でも規定が出来ていて、詳しい状況はこちらにありますが、実際加入したという人は殆ど聞きませんし、どういった待遇を受けられるかということもよく分からないのが実情ではないでしょうか。

 ただ、企業サイドからすると、この医療保険は会社側の負担が大きく、そのわりには利用者が使いにくいというデメリットもあります。しかし、中国語が堪能で、ある程度医療に対する知識が有り、ローカル病院でも全然問題ないという人なら、あっても便利かもしれません。上海人とほぼ同じの公的医療保険待遇となります。

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 私も、管轄している区の保険事務所にいって手続きをしました。ただ、日本と違って手続きしたらすぐ加入できるのではなく、手続き後4ヶ月の保険料納付の実績が必要です。

 そして、さらに私が興味深いと思ったのは、病院にかかったときに自己負担の計算です。

 基本的に上海の公的医療保険では、完全に保険から給付される部分(A)と、完全自己負担になる(B)、そして40〜50%自己負担となる(C)の3つの部分から構成されています。

 (A)の部分は、掛け金から決まります。ここは自分の銀行口座のようになっていて、毎月の掛け金の額から完全に100%支払われる毎月の限度額が決まります。もし1ヶ月使い切ることがなかったら、次の月に繰り越されていき、どんどん貯まっていく仕組みです。

 しかし、(A)を使い切ってしまったら(B)の部分に移行します。すなわち医療費が(B)の額を超えるまでは、完全に自己負担になります。この(B)の額は、年齢とも関係があって、年齢があがるに従って(B)の完全自己負担の限度額が下がることになります。うちの義母などは完全自己負担の分は300元程度でした。

 そして、(B)の額を超えると、今度は自己負担率40〜50%の(C)の部分になります。具体的にどれぐらいの自己負担率になるかは様々なケースで変わってくるようですが、だいたいその程度だそうです。

 ただ、これらはあくまでも上海市が運営している「基本医療保険」の分です。さらに企業によっては、保険でまかないきれなかった医療費を、福利厚生の一環として会社負担してくれるところもあり、またそうした負担は医療領収書からの税控除もうけられるということです。

 保険加入の手続きが完了すると、社会保障カードと自己管理用の記録ノートが配付されます。

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 上海市内の公立病院はネットワーク化されていて、今後は診察券ではなく、どの病院でも社会保障カードをつかって診察を受けることになります。また、カルテは記録ノートに書いていきます。もちろん、病院にも電子カルテシステムがあり、この記録ノートにもカルテ内容が印刷される仕組みです。もちろん、糖尿病や高血圧など慢性疾患も問題有りません。公立病院だったら中医学に関係する鍼灸・生薬(煎じ薬・エキス剤)・推拿・気功などでも使えます。

 中国は市・省によって医療保険の制度が全く違います。また異なった市・省間での医療保険の相互利用もまだまだ未整備の状態で、たとえば広州で上海の公的保険を使うということもまだ実現していません。それでも、上海市に関して言えば、公的健康保険の加入者はほぼ100%の状態にまで増えました。

 いずれにしろ今後、さらにめまぐるしく制度が変化していくのではないでしょうか。

 でもやっぱり、改めて適用範囲の広い日本の国民健康保険の制度はすごいと思うわけです。ただ、病気にほとんどならない人も保険料を納めているわけで、上海みたいに使わなかった分の一定額がプールできる仕組みは、健康増進と意識改善のためにいいのではないかと思いました。

*参考情報*上海医保


posted by 藤田 康介 at 12:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の医療事情
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