
この本は、私も最近やっと手元に届いたのですが、外感も内容もとっても厚みのある本に仕上がっていて、とても嬉しかったです。結構売れているようで、すでに第三刷の印刷に入っているとか。よかったです。
私は「ここに中医学がある限り」のタイトルで執筆に参加しております。近年の日本国内の状況を見てみると、日中関係にフタをしてしまいたいような話をよく耳にしますが、そんな中でも、日々着々と過ごしている我々がいることを、少しでも知ってもらえたらと思いで書きました。
いずれにしろ、私の職場である中医クリニックでは、日本人は私一人だけですし、患者さんも地元中国の方が少なくなく、それでも日々日本人であることを意識して生活する必要もそうありません。中国の中医学を日本人の医師が診察しているというのは、ちょっと変に見えるかも知れませんが、日本人だからこそ気がつくことがいろいろあるのもまた事実だと思います。
私の妻方の親族は、中国全国におりますが、どんなときにでも連絡を取り合っていて、むしろ日本の私の親せきより距離感が近いぐらいです。政治やマスコミ報道を抜きにすると、格段変わったことのない私自身の日中関係ですが、でもそうした地道な関係が、きっと将来大きく実を結ぶだろうと私は確信しています。
なかなか普段耳にできないエピソードがぎっしり詰まっておりますので、ぜひお読み頂けたらと思います。

実は、この上海でのお祝い会では、特別ゲストとして参加された陳祖恩教授の横に偶然にも座らせていただきました。以前からぜひ一度お会いしたかった先生で、戦前を中心に上海にいる日本人の研究に著作も多いです。そのなかで、戦前は上海の人口が400万人程度で、10万人もいた在上海日本人のことに触れられ、いまの2400万人の人口と比較すると、その桁違いの多さに驚かされます。
今後も、中国人との国際結婚が増えるでしょうし、1日何十往復も飛んでいる日中間の航空便のことを考えると、とてもフタをできるような状態ではないことは確かです。相互理解を深めるためにも、少しでもこの本が役立てばよいと思っています。
最後に、「Q Italian&Wine」のスタッフの皆様ありがとうございました。最後に出て来たパスタがとっても美味しかったです!

8月〜9月の日本出張予定