2013年07月24日

腹七分目がいいらしい、上海での実験

 中国にいると、会食などで満腹になることが社交上必要となる状況にどうしてもぶちあたりますが、これが身体によくないというのは百も承知です。

 中医学の養生ではハ分目どころか、腹七分目というのが普通で、中国語でも「腹七分目」が一般的です。この違いに意味があるかないかは私はよく分かりませんが、上海交通大学の趙立平教授らのグループがこんな実験をして発表していました。

 結果は7月にすでに『Nature Communications』に発表されています。
 実験ではマウスを使い、脂質が少ないエサと脂質が多いエサをグループ分けして与え、さらに摂取量も全く自由に食べさせるグループと7割程度に制限するグループ、自由に食べさせて運動させるグループにも分けました。

 この結果、寿命が一番長かったのは、低脂肪のエサを摂取制限していたグループで、低脂肪のエサを自由に食べていたグループよりも寿命の中間数が20%増加したということです。一方で、一番寿命が短かったのが、高脂肪のエサを自由に摂取していたグループ。これと低脂肪のエサ摂取量を制限していたグループと比較すると、高脂肪のエサを自由に摂取していたグループよりも寿命の中間数が50%も増加しました。長いものでは4年間も生きたそうです。

 さらに、興味深いのは高脂肪の食べ物でも、量を制限したグループで有意義的に寿命が延び、低脂肪で自由に摂取したグループと低脂肪で運動させたグループのとほぼ同じぐらいの効果が見られたということ。やはり食べる量は重要ですね。

 さて、運動に関してですが、高脂肪のエサを食べていたグループでは、運動有無による寿命に対する影響はあったが、低脂肪のエサでは運動有無による寿命への影響は殆どなかったらしい。運動する時間がないのなら、極力低脂肪の食べ物を摂取するほうがよいということかも。

 結局、低脂肪と高脂肪の食べ物が寿命に与える影響は大いにあり、肥満と寿命との関係も十分考えられますね。

 この実験では、さらにマウスの腸内細菌についても調べています。マウスの腸内細菌は、年齢と相関性があり、とくに中年時期になると飲食の影響を大きく受けやすくなるということです。
 また、低脂肪のエサで摂取制限をしていたグループは、その他のグループと腸内細菌で大きな違いがあることもわかりました。ただし、運動の有無による腸内細菌の違いは殆ど見られなかったと言うことです。

 そこで、研究グループでは寿命が長くなることと関係のある腸内細菌と、逆に短くなる腸内細菌を洗い出しました。その結果、寿命が長くなる腸内細菌は、乳酸菌など腸の細胞に栄養を与えたり、炎症を防ぐ働きがあったりしますが、寿命が短くなる腸内細菌は、疾患の発生と関係があるということでした。

 摂食制限により、適度の量の栄養が吸収され、残った食物繊維が腸に適度残り、有益な腸細菌を残す一方、食べすぎることで過剰なタンパク質などの栄養素が身体に有害な腸内細菌を増やしているのではないかと考えられています。

 研究グループでは、さらに研究を進めて、腸内細菌と食べ物の関係を明らかにし、腸内細菌がどういう構成で成り立っていて、毒素類を出していないか、さらに毒素がどういう影響を身体に与えているかを分析できるようにしたいということです。

 現代社会では食べるものが溢れているので、量を制限するのは難しいことかもしれませんが、でもどんなに身体に良いものでも、食べ過ぎたらダメと言うことですね。




 
posted by 藤田 康介 at 18:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の健康事情
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