2013年06月29日

湿気の季節はどう過ごすか

 今年の上海の梅雨は、ジメジメしますよね。気温が高い日はまだそれほど多くないのですが、なかなか太陽が顔を見せない。そして雨も多い。

 こんなとき、体調の不良を訴える方も増えます。特に、脳血管系に持病を持っている人は、気圧の変化で交感神経優位な状態が続き、血圧や心拍数が上昇したりするものです。また、ジメジメ感に負けてしまって、ついついエアコンの温度が低すぎるのも問題で、特にもともと身体を動かして汗をかくことが少ない人は要注意。逆に運動して大汗をかいて、エアコンの効いた部屋に急に入ったりするのもよくない。こうした現象は、中医学では六淫の一つである、湿邪が体内に入ってくることと絡めて考えます。

 さらに、最近の傾向として、食欲不振や下痢、眠い、だるいといった症状を訴える方も少なくありません。下痢までいかなくても、大便が粘っこい、あまり水を飲みたくないなどといった症状も湿邪と関係があります。また、湿邪が体表を攻めると皮膚疾患も増えてくる。アトピー性皮膚炎や湿疹など日頃抱えていた症状が悪化したり、蕁麻疹や神経性皮膚炎、水虫などの真菌感染などがそうです。湿邪が経絡に入ってしまうと、肩こり腰痛、関節痛などの症状が出て来ます。関節リウマチや偏頭痛を持病に持っている人が、この時期に痛みを感じるのはそのためとも考えられます。

 では、この湿邪に対してどのように身体を対応させるべきか。近年、伝統医学のブームも手伝って、色々なところでも記事が出ていますが、少し整理してみます。

 まずは、なるべく湿気を感じる場所には行かないと言うこと。エアコンをうまく活用して、大雨の時は窓を開けすぎない、またエアコンのフィルターはまめに掃除する(出来たら月に1回)、外に出たときは雨に濡れないようにして、あまりジメジメした場所には居続けない、衣類の調節はこまめにといった点です。とくに、若い女性にみられますが、冷たい雨の中サンダルで走り回っている人がいます。これは、まともに湿気を呼び込むので注意です。

 この時期、私が中医学を勉強した上海を含めた、江南エリアでは、湿に対する様々な地元の生薬を使い、中国北方エリアの中医学とはまたちょっと違うのです。例えば、上海の田舎にいけば、フジバカマがはえているのをよくみかけますが、これもこの時期によく使います。

 原則は、生もの・冷たいもの・油っぽいものは湿を呼び込みやすいので食べないようにする。湿気対策以外にも食中毒予防のために重要です。暑い時期に、辛いものを食べて汗をかきたいという人もいますが、これは場合によって陽過剰状態を引き起こしてニキビなど皮膚疾患や腫れ物を悪化させると考えます。一方で、熱冷ましの冷たいビールや飲み物は、陽気を損傷させてしまう。このあたりのバランスが難しいかもしれません。

 ということで、やっぱり消化機能を整える健脾化湿系のものが重要となってきます。代表的なのは、ハトムギ・山芋・冬瓜・フジマメ(白扁豆・ビャクヘンズ)・緑豆・小豆など。さらに、ハスの実・椎茸・白キクラゲ・カリフラワー・セロリ・キュウリ・空心菜
・ニンジン・南瓜・モヤシなんかがお薦め。上海の市場にいけば、これからの時期増えてくるものばかりですよね。

 それと、湿邪を追い出すには、運動はとっても大切です。最近、日本のCMでも見かける「気血」という言葉ですが、この気血を循環させ、滞りをなくすことが実は湿気対策には大切です。適度に汗をかくこともそうです。そういった意味では、サウナでダラダラ汗をかくよりも日本式にぬるめのお湯に浸かることに方が中医学的にも理にかなっていると私は考えます。


 
posted by 藤田 康介 at 07:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 「治未病」という発想
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/70175347
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック