大慶油田総医院中医リウマチ科の李俊松教授等のグループによる研究で、68名のシェーグレン症候群の患者を無作為に2組に分け、一組は西洋薬の硫酸ヒドロキシクロロキン(中国では結構普通に使われています)、もう一組は硫酸ヒドロキシクロロキンと中医薬の併用しました。生薬処方は、清肝養陰・祛瘀潤燥の処方を組み、菊花・枸杞・白芍・太子参・山薬・生地黄・知母・沙参・麦冬・玄参・竹葉・丹参・莪朮・鬼剪羽などを使っていました。要は、一貫煎などの基礎処方に、活血化瘀を加えた感じでした。
この結果、西洋薬を使ったグループでは、口の渇き・目の乾きが改善したのが78.1%であったのに対して、中医薬を併用したグループでは91.7%と効果が高まった模様。
シェーグレン症候群は、中年以上の女性に多い疾患で、肝腎陰虚・陰液不足が基礎にあり、燥熱と陰虚が強まると、瘀血が発生して、脈絡が阻害され、さらに陰虚や燥熱が強まる流れになります。よって、このグループが使った処方に、活血化瘀を加えているのはなるほどですね。
シェーグレン症候群のような自己免疫疾患では、やはり漢方薬・中医薬との併用が一定の効果が出せるようですし、今回の研究ではありませんでしたが、中医薬単独でも症状改善に役立つのではないかと思います。

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