2013年04月28日

5月1日より施行される中国の『精神衛生法』

 私が以前所属していた上海中医薬大学附属竜華病院は、ちょうど上海市の精神病治療の中核となっている上海市精神衛生中心の向かい側にありました。窓に格子が設置されていたりして、結構物々しい様子であったことを憶えています。

 いまだに中国では精神病疾患や障害者への認識が低く、家族からも理解が得られないのも事実です。そのため、「社会の安全のため」を名目に、本人の意志に関わりなく、強制的に施設に入院させるのが常となっていました。報道では、一部の自覚症状を本人が認識していて、自分自身で積極的に治療したいと来院する場合を除いて、8割が意志に関わりなく、精神病院に送り込まれているともいわれています。

 そんななか、5月1日から中国ではじめても『精神衛生法』が制定されることになりました。その特徴は、原則として精神病患者が自らの意志で施設への入院を決めることができるということが明文化されました。また、治療方針も患者自身の権利も尊重されると言うこと。そして、本人の同意なしに家族などが施設に送り込むことは違法行為と見なされると言うことです。一方で、重篤な精神病患者で、自分自身(自殺)や他人に危害を与える場合は、強制的に入院させることもありえるということです。

 ただ、新規定では退院することに関しても、患者の権益が重視され、自由度が増すようですが、この点に関しては、まだ精神病患者の家族からは根強い不安があるのも事実のようです。いずれにしろ、また一歩、国際的な感覚に向けて前進してきたのではないかと思います。

posted by 藤田 康介 at 07:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の医療事情
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