2012年12月20日

江蘇省鳳凰鎮永慶寺の鑑真和上伝説

 「日中友好」に貢献した偉人と言えば、中国人からも普通に名前があがってくるのが唐代の鑑真和上。私の地元、奈良にもあの唐招提寺がありますし、鑑真和上ゆかりの大明寺は今でもそのお寺があります。中国伝統医学(中医学)の医師をしている私にとっても、そして日本漢方(和漢)にとっても、中医学を日本に伝えた鑑真和上の功績には非常に大きいです。
 先日、ミニトリップの温泉旅行としていってきた江蘇省張家港エリアにある鳳凰鎮ですが、実はここに鑑真和上ゆかりの永慶寺というお寺があります。ここに伝わっている伝説というのが興味深いのです。


 鳳凰鎮という街には、鳳凰山という山があります。山というより丘ですが、付近に山がないので、高速道路からもよく目立ちます。いかにも風水の良さそうな場所ですが、鑑真和上が、5度目の日本行きに失敗し、再び江南地方に戻るときにここの永慶寺に立ち寄ったという伝説があります。

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 この5回目の失敗で、目が見えなくなった鑑真和上ですが、さらに道中潮風にあおられて寒性の関節痛をおこしてしまいました。永慶寺で読経しながら過ごしていたある日、鳳凰山を散策していると、偶然にも泉を発見。地元の人に聞くと、鳳凰が水遊びをしていたので鳳凰泉と呼ばれていたそうです。

 これは縁起がいいということで、鑑真和上はこの泉の水を使ってお風呂を沸かして入ってみると、なんと体がすっきりした感じがするというのです。さらに、半年間泉の水を使って風呂に入ると、関節痛はなくなり、見えなかった目にも薄明かりがさすようになったと言われています。

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(山の上からの景色)

 そして、6回目の日本行きでは、ここの泉の水を船に積み込み、無事日本に到着。さらに、弟子達がまとめた『鑑上人秘方』には、鳳凰泉が関節痛にいいという記載があるが、この鳳凰泉というのが、まさにここの泉だということです。

 実は、先日私が宿泊した温泉ホテルも、源泉から50℃のお湯が出て来ていますが、温泉ホテルから鳳凰山まではクルマで5分ほどの距離。きっと、鑑真和上が傷を癒した泉も、そうした成分があったのか、とにかく体が非常にポカポカしました。ちなみに、宿泊したホテルの温泉の成分はナトリウム炭酸水素泉でした。れっきとした温泉で、いまでも入浴できます。残念ながら、鑑真和上がみつけた鳳凰泉は今はありませんが、その山とお寺の面影は残っています。山の上にあるお寺からは、村全体が見渡せるようになっていて、立派な仏様がおられます。

 奈良にもゆかりの深い、鑑真和上の伝説が、こういったところで耳できることに、鳳凰鎮にはすごく縁を感じてしまいました。

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(一気に寒くなって氷が)

 しかし、6回目で日本渡航に成功した鑑真和上。命を犯してまでも日本に行こうとしたそのモチベーションは何だったのか。伝統医学を中国でほそぼそとやっている自分にとって、ぜひ知りたいテーマでもあります。


posted by 藤田 康介 at 07:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の魅力
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