2012年09月21日

秋の咳・喘息の発作対策

 秋も本格化してきて、空気の乾燥が一段と感じられるようになってきました。私のところに来られる患者さんも、ぼちぼちと呼吸器疾患が多くなる傾向になっていました。昼間や夜寝ていると時に、すこし油断して風寒の邪気にあたってしまうものなら、夜には咳が始まるというケースもあります。

 秋の咳は、「秋燥」と関係があるといわれています。よく五行説の考えから、肺と秋はともに金に属し、肺は潤しを好み、乾燥を嫌うので、秋の燥邪の影響を受けやすく、咳が発生するという仕組みです。また、気候の変化によって、秋の初めはまだ気温が高いから温燥となり、秋の終わりには涼燥となります。温燥では、はき出しにくい痰(血が混じっていることも)や咳、鼻や口の乾燥、喉の痛みなどの症状があり、有名な処方として、桑杏湯(そうきょうとう・桑葉・杏仁・北沙参・浙貝母・梨皮などなど)や清燥救肺湯(せいそうきょうはいとう・生石膏・桑葉・麦門冬・阿膠・枇杷葉などなど)などを使います。

 一方で、涼燥の場合は、秋の深まりと共にやってきて、頭痛・鼻水・咳・唇の乾燥・鼻づまり・喉の痒みなどの症状となります。冷えなどもともない、空咳がなかなかとれないタイプです。よく使う処方が、杏蘇散(きょうそさん・紫蘇葉・杏仁・茯苓・前胡・桔梗・枳殻などなど)です。以上の処方は、患者さんの症状にあわせて、さらに細かく加減していきます。例えば、咳が頑固な場合は百合や紫苑なども使います。このあたりは、いろいろなバリエーションがあります。

 また、そうした咳や鼻炎などの風邪の症状が、気管支喘息の発作を引き起こすことがあります。

 中医学で喘息の発作というと、痰飲が体の中にたまり(宿痰)、それが寒さ・雨などの気候の変化や情緒の不安定により動き出し、発作が起こると考えるのが一般的です。特に、気温が下がったり、湿度が雨などで急に高くなったときなど、変化があるときに喘息の発作がよくおこるが、気温が上がりはじめると発作が減る傾向にあるという研究もあります。さらに、上海だったら以前紹介した大気汚染の原因も十分に考えられるでしょう。

 軽度の咳なら、わざわざ薬を飲まなくても、日頃の食べ物で調節したいところ。蜂蜜・百合根・梨・蓮の実・蓮根・山芋・白キクラゲなどで、辛いものや刺激の強いものを避けなければいけません。また、のど飴もうまく使う必要があります。もし、薄荷が入っているような刺激の強いのど飴なら、口の粘膜の血管を収縮させる働きがあるので、燥邪による咳のように、はっきりとした炎症がない場合は、血管が収縮するので粘膜を傷つけ、口内炎になることがあるといわれています。

 喘息の発作が考えられるのなら、まずは大気汚染度も含めた天気予報には注意したいです。気温が急に下がりそうな場合は、冷たい空気で刺激しないようにマスクなどをして喉をまもるか、秋も深まってくると、早めに衣類を増やして寒湿から体を守る必要もあります。もちろん、秋の初めは体質を改善するために、外での適度な運動も必要です。免疫力を高め、寒さ対策をする絶好のチャンスです。中医学による喘息治療の特徴は、発作が起きないように症状緩和期にどれだけのケアができるかというところにあります。

 

【連絡】・東京での温泉気候物理医学会講演のため、10月7日(日)は休診します。
・リニューアル!甘霖・我が愛しの上海へ





posted by 藤田 康介 at 09:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 脈案考察
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