2012年06月21日

夏至がすぎると陰にも注意を

 今年は6月21日が夏至でした。

 夏至とは、中医学の世界では陽気が最も盛んになる季節です。と同時に、この日から陰気が徐々に増えてきます。陰陽のバランスの中では、非常に大切な節目でもあります。興味深いのは、夏至を境にして、陰を好む植物が徐々に出てくるのです。代表的なのは、7月1日の「半夏生」で、漢方薬や中医薬でよく使われる半夏は沼地や湿地帯の日陰を好むのですが、暑い中でもそうした陰を好む植物が生えてくるのもこの時期です。

 夏至は五行説では「火」にあたります。これまで盛んだった肝気が徐々に弱まり、心気が盛んになってきます。そのため、睡眠が相対的に短くなったり、イライラしたりすることが多いのも理解できます。肝から心に変わったことで、食べ物も、酸っぱいものから苦いものに移ってきます。代表的なのは瓜類。我が家でも食卓にいろいろな瓜類が出てくるようになりました。代表的なのは、ゴーヤやヘチマ、ヒョウタン、冬瓜、西瓜類ですが、そのほかにも日本ではあまりみかけない瓜類が市場に沢山並んでいます。

 さらに中国では、「冬には餃子をたべて、夏には麺を食べる」という言葉もあります。夏至に麺を食べると言うことは、麦の収穫が終わり、美味しい麺が食べられるということを意味しています。新米ならぬ、新麦ですよね。

 汗がかきやすくなると、体の疲れも増してきます。汗が出るときは、体の毛細血管が拡張し、血液の分布が変わってきます。そのため、もともと血圧が低い人は、さらに体の不調を訴えるようになります。また、水分の流出により循環血液量が減少し、これもまた体調不調の原因になりますが、中医学では一般的に、「虚」の状態になるといわれます。

 そういうときは、上海近郊の奉賢や金山ではあっさりと調理した羊肉を食べる習慣があります。これが非常に美味しいのです。また、浙江省では立夏を過ぎたら、補う習慣があるのもそのためで、特にトマトや鶏、ネギうあ瓜類をつかったスープを作ったりします。何れも「清補」とよばれるような、軽く補うことを指します。もちろん、中医薬や漢方薬をつかって、夏の体調のバランスを整えることもできます。

 これからやってくる、恐怖の上海の夏。なんとか元気に乗り越えたいものですね。
posted by 藤田 康介 at 11:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 「治未病」という発想
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