高齢化が進む老中医達の臨床経験を伝承するために、中国では国家中医薬管理局などが中心になって、さまざまな取り組みが行われています。中医学のベテラン医師を老中医といいますが、弟子達がつながっていて、先生の学説を継承していくのが慣例です。 そこで、中医学を管轄する国家中医薬管理局名中医工作室プロジェクトの一環として、2005年8月から上海中医薬大学に「名師伝承研究工程」が作られ、裘沛然先生など9人の老中医の工作室が設置されました。
工作室では、専任のスタッフが配属され、裘沛然先生の医案や講義案に論文、さらに著作や詩なども収集され、学術思想や臨床経験の整理などが行われています。そして、2012年4月にはその成果を対外的に発信する「国医大師裘沛然伝承工作室」のHPがOPENしました。(URL:http://www.chinaqpr.com/)
中医学の医師というのは、単に病気を診察できるだけでなく、人間的にも、人文的にも魅力があり、多くの人たちを惹きつけてきました。このサイトをみると、医案だけでなく、生前の講義などの動画もアップされています。こういった試みは、これからもぜひ継続してほしいと思います。中国の中医学の裾野が広いのは、こうした地道な努力とも関係があるのでしょう。
2012年05月11日
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