2012年05月10日

中医学によるダイエットの問題

 これから暑い季節になってくると、だんだんと薄着になってきますが、冬に蓄えすぎた「肉」を、少しでも減らそうというわけで、ダイエット(減量)を目的に、うちの中医クリニックに来られる方が少なくありません。

 中医学では、肥満治療に関して一定の認識があります。よくそのガイドラインとして使われているのが、2002年に中国で発表された『中薬新薬治療肥胖病的臨床研究指導原則』で、単純性肥満を5つのタイプに分類しています。すなわち、胃熱湿阻型・脾虚湿阻型・肝欝気滞型・陰虚内熱型・脾腎陽虚型の5つになります。

 上海の巷では、鍼灸による美容やダイエットが人気のようですが、これも中医学による減量手段の一つです。鍼灸によるダイエットは果たして本当に効果があるのか?臨床では確かにいろいろな実績があるようですが、実はその科学性に関しては色々な意見があるのもまた事実です。ただ、一般には鍼灸によって中枢神経から食欲を抑制し、内分泌の働きを調節し、胃腸の消化吸収を抑えるという考え方は一般的です。中医学的には、さしずめ、鍼灸によって気血のバランスをとり、経絡の流れを整えるといった感じでしょうか。


 その観点から行くと、耳ツボや灸や抜罐も使えそうですし、もちろん生薬も併用することも可能です。ただ、はっきりと言えることは、無理に排便を促したり、極端に食べるものを減らしたりするのが目的ではなく、中医学ならではの体のバランスをとることが大切だと思います。そのためには、最低でも、前述した5つのタイプのうち、せめて実証と虚証の区別ぐらいはしっかりとつけておく必要があると思います。

 また、ダイエット(減量)の治療を行う時、まずは肥満の原因をしっかりと見極める必要があります。中医学のうち、とくに鍼灸などの経穴での刺激が有効なのは単純性肥満で、その他の疾患が原因での肥満では、まずその疾患の治療を行わないといけません。

 では、減量のスピードとしてはどれぐらいが理想なのでしょうか?WHOの情報と、私自身の経験からも1週間に1.5〜2キロぐらいが理想とされ、これを越えると健康的なダイエットとは言えません。リバウンドのリスクも高まります。

 ちなみに、WHOの、Dietのページを色々見てみたら、トップの写真で登場しているのが、ジャンクフードではなく、どうみても我々がよく食べる中華料理のような気がします。こうみると、不健康そうな感じがしますよね。(でも、実際の家庭料理はそうでもないです。)

 減量に関しては、もちろん中医学の様々な治療法も有効ですが、まずは、自分自身の体重をしっかりと認識し、食べている量を把握すること、そして運動していることを実感することが大切だと思います。そして、リバウンドをしないためにも、継続ができる必要があり、極端に食べる量を減らさないことがポイントです。特に、日本でも問題になっている、日本人の晩ご飯の時間が遅い問題は、健康のためにも早急に解決すべきで、寝る3〜4時間前には何も食べないと言うことをぜひ実践したいところですよね。
posted by 藤田 康介 at 17:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の魅力
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/55773783
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック