2012年02月14日

便秘と夜尿症の関係、麻子仁丸

 米国のノースカロライナ州にある Forest Universityの研究で、30名の5〜15歳の夜尿症のある子供について調べたところ、いずれも排便の習慣があるのに、X線検査をしたところ、直腸に残留している便の量が多いことが分かりました。そこで排便を促す薬で治療を行ったところ、このうち25例で3月以内に夜尿症の問題が解決したという結果が発表されていました。
 つまり、直腸の便が増えると、膀胱の容積が減り、その便を排除してあげると、膀胱の容積が増えて、夜尿症がなくなったと分析されていました。

 私も、子供の夜尿症をよく中医クリニックで診察しています。中医学や漢方での夜尿症の治療は、比較的うまく行くことが少なくありません。
 日頃の臨床の中で、一部の子供たちに便秘の問題があり、便通がいいときは夜尿症がなくなるという現象には気づいていました。私にとってのヒントは、『傷寒論』にある麻子丸(脾約丸)でした。『傷寒明理論』には、「经曰:脾主为胃行其津液者也,今胃强脾弱,约束津液不得四布,但输膀胱,致小便数而大便硬,故曰其脾为约。」とあり、方剤学の教科書にも「肠胃燥热,津液不足。大便干结,小便频数。」と、ちゃんと尿に関しての記載もあります。(ただ、日本の翻訳本をみると、「小便频数」の部分が脱落しているものもありました。)
 中医学の教科書的解釈では、胃の中に熱がたまり、津液が正常に分布できず、膀胱に流れ込むために、頻尿が起こるというものですが、西洋医学の研究とつながるところがあり、私も嬉しくなってしまいました。特に、子供はまだ脾の働きが弱く、胃熱が盛んになりやすいので問題が発生しやすいのです。アトピー性皮膚炎に関しても、胃熱との関係は密接です。

 きっと、今後も中医学や漢方医学で既知となっている現象が、いろいろと西洋医学の分野でも明らかになってきて、うまく融合できるのではないかと期待しています。
posted by 藤田 康介 at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 脈案考察
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