2011年06月05日

今更ながらヨモギのお話

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(艾と菖蒲)

 2011年6月6日は中国では端午の節句。この時期、よく登場するのがヨモギ(艾・艾葉)です。キク科の植物で、葉っぱを生薬として使います。
 上海の街を歩いていても、菖蒲やヨモギを市場で買って帰っている人たちをよく見かけます。あの強烈な香りから、ジメジメした時期に邪気を飛ばす薬草として重宝されてきたのです。

 中医学的な効能は、消寒除湿・温経止血・止痒などが有名で、お灸の原料にもなります。中国の中医学や日本の漢方の世界では内服でよく使いますが、それ以外にも外用でも重宝します。私も臨床で、湿疹や皮膚の痒み、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹の外用薬を作るときに欠かすことができない生薬の一つになっておりますし、皮膚疾患の入浴剤としても非常にお勧めです。

 韓国の韓医などで「蓬蒸し」が一時期流行っていましたが、特に足浴には効果的で、疲労回復や不眠などのほかにも、殺菌作用が強いことから水虫や足のにおいの予防などにも使えます。婦人科では、冷え性の方の生理痛や月経過多などにも使えます。

 精油が有効成分で、その50%以上がシネオールと呼ばれる精油です。こうした精油が香りとして鼻から入ってくると、殺菌作用も期待され、特に子供の皮膚などにも優しく作用してくれます。

 中国では、今から3000年ぐらい前の殷の時代から艾葉は薬浴として使われてきました。湖北省では、子供が生まれたら3日間は艾風呂に入れる習慣もあるそうです。端午の節句の艾風呂である「蘭湯沐浴」の習慣だけではなかったのですね。

 日本ならどこにでも生えているヨモギですが、残念ながら上海ではあまり見かけません。こういった薬草もうまく活用したいところです。
posted by 藤田 康介 at 06:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 生薬・漢方薬・方剤・中成薬
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