立夏から徐々に夏に突入していくわけですが、夏と言えば五臓六腑で、「心」とのつながりを考えます。中医学の心臓は、西洋医学のいわゆる循環器としての心臓ではなく、人間の精神的活動を司るものとして重要視します。天気が熱くなってくるわけですから、当然この心臓の陽気が盛んになりやすくなります。
暑さが増してくると、不快指数も急増し、イライラすることも多くなります。イライラは、交感神経の刺激とともに免疫力を低下させ、様々な疾患の原因となることは現代医学でもよくいわれることですが、夏こそ精神的な落ち着きを必要とする季節でもあります。
そのほか、これから夏至にかけて日照時間が長くなっていきます。夜寝る時間は遅くなる一方で、朝はいつもより早く目が覚めます。これは、自然界の陽気が盛んになっている状態と、身体のリズムが合致してきていることを意味し、決して不眠症というわけではありません。
そのため、夏こそ昼寝を重視したいこところです。元々夜の睡眠時間が短めなわけですから、30分以内の昼寝は疲れをとるのに有効ですし、汗を発散させるために血が体表に集まり安く、脳への血が減少して、眠気や疲労感へとつながります。
よく、「夏こそはスタミナ!」といって、夏にコッテリしたものを食べる人が多いですが、中医学・漢方的には、むしろあっさりがいいとされています。脂っこいものは、身体の「火」をより盛んにしますし、なにより脾・胃の働きを弱めてしまい、食欲不振へとつながります。
そのため、この時期は一般的にビタミンを豊富に含む果物や野菜類を食べるように心がけます。タンパク質類では、魚類がお勧めで、土用の丑にウナギをたべる日本の習慣とも関係がありそうですね。タマネギやニガウリ、冬瓜、豆類、胡麻、サツマイモ、胡桃、トウモロコシ、粟、などがよいとされています。益気養心・清熱解暑などの作用のある食べ物が効果的だということになります。
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