2011年04月02日

癌症の放射線治療と鍼灸

 中国では、癌治療といえば、中医薬(漢方薬)を介入させることが一般的で、西洋医学・中医学双方の総合病院に、腫瘤科が設置されているのが普通です。ただ、上海においては鍼灸を癌治療に使っているところはあまり多くないような印象です。経験的に、痛みを緩和させるのに鍼灸は効果的なのは確かです。

 そんな中、スウェーデンの研究では、鍼灸を使うことで、癌患者に対する放射線治療で発生する嘔吐や悪心などの副作用に対して、有用であるというのがありました。このうち215人は針灸治療も受けたところ、37%が悪心、7%が嘔吐したのに対して、そういった治療を受けなかった62人は悪心を感じた人が63%、嘔吐したのは15%おり、明らかに差が出たということです。

 私が興味をもったのは、その後の研究です。215人のうち109人はいわゆる我々が中医学などで行っている針治療を行ったのに対して、106人は、鈍器のようなもので刺激を与えただけで比較してみました。その結果、双方の効果は基本的に同じだったようです。

 いずれにしろ体表から刺激を与えることで、放射線治療の副作用が緩和されるのなら、結構なことです。ただ、この研究にはどのツボを使ったなどの紹介がなかったので、一概には言えませんが、もう少し伝統医学の理論に忠実に治療を行えば、また違う結果が出てきたのではないかと思います。胃潰瘍の針灸治療の研究では、やはりツボを刺激するのとしないのとでは差が出ていました。

 理想はやはり、生薬と鍼灸を融合させた活用でしょうね。
posted by 藤田 康介 at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 脈案考察
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