2011年02月09日

中医薬(漢方薬)による鬱病治療

 最近、他の病院でうつ病と診断を受けたり、各種疾患が原因でうつ状態を抱えてらっしゃる患者さんを立て続けに診察しました。中医学(漢方)で何ができるのだろうか?とお思いの方の多いのですが、意外と経験実績がある分野でもあり、しかも殆ど副作用がないので活用する価値はあるかと思います。中医内科学でも、鬱証という証が作られているぐらいです。

 一般的に女性の方が罹患しやすいなどと言われますが、決してそうではなく、男性も多いです。

 最近、北京中医薬大学第3附属医院の唐启盛院長らが研究した「抑鬱症の中医症候学規則の研究」で、中国の国家科学技術進歩奨2等奨を獲得した論文がありました。

 この中で、1221例の患者さんを対象に中医学におけるうつ病治療の分類があり、腎虚肝欝・肝欝脾虚・肝胆湿熱・心腎不交・心脾両虚・心胆気虚の6種類を中医診断基準に入れていました。

 治療効果も、西洋薬の抗うつ剤単独のグループと比較すると、中医薬を使ったグループは、鬱症状が改善の効果が出てくる時間が7日間かかったのに、西洋医学のグループでは21日かかり、6つのパターン全体で比較しても、5-8%治療効果を高めることができたと言うことです。

 とくに、中医薬を使った場合、不眠症や疲労感、食欲不振などの合併症にも対応でき、患者さんにも受け入れやすいというメリットもあります。

 私も、場合によっては鍼灸なども併用させ、中医の処方と組み合わせて治療を実践してきました。鬱症状といっても、10人おれば10人とも症状が違うので毎回いろいろな処方を考えますが、そこそこ成果が出ているように思います。

 補足ですが、最近、アメリカ国立衛生研究院の研究で、鬱症状を罹患した人の方が、罹患しなかった人よりも骨密度が低下するというデータが発表されていました。大腿骨の骨密度を計測した場合、罹患したグループの方は、13%骨密度が減少し、脊椎の骨密度も7%減少するのだそうです。
 これは、ステロイドホルモンの分泌と関係があるようで、鬱症状を訴える人の方がステロイドホルモンの分泌が増えるからで、日頃から太陽にしっかりとあたり、運動をし、骨によい食生活をする必要があるということです。確かに、そういった生活習慣を改善することができれば、鬱症状の改善にも役立つはずですね。
posted by 藤田 康介 at 07:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 脈案考察
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