腊の字は蝋とも関係があり、祭事の意味があると言われていて、1年の終わりになる12月には様々な祭事があるので、腊月といわれています。
一方で、お正月があけた1月15日に春の七草を食べる習慣が日本にありますが、時期は同じ頃とはいえ、日本は新年1月の行事、中国では12月の行事ですので意味合いはかなり違います。

上海でもお粥を食べる習慣があります。この時期、豫園や老舗の中医薬局などにいくと、お粥を振る舞ってくれます。地方によってお粥の中に入れるものが異なるのですが、中医薬局にいくと、生薬(漢方薬)の中から、お粥の中にいれるのにふさわしいものを選んで売っているところもあります。
上海人に一般に好まれる腊八粥は、クコの実や落花生、小豆、ハトムギ、蓮の実や山芋、茯苓(松の根元にできる菌類・生薬です)などを入れたりしますが、写真のようにグリンピースが入っているパターンもあったりします。

12月は腊肉と呼ばれる肉の乾物(中華ソーセージやハム)ができてくる時期でもあり、こうしたものをお粥にいれると結構いい味が出てきます。今年も、我が家では中華ソーセージを作りました。

いずれにしろ、体がしっかりと温もるお粥は、この時期には欠かせません。
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