2011年01月08日

1日30分歩くことと大腸癌のリスク

 近年、ディスクワークをする人が多く、単純に「歩く」と言うことでさえなかなか難しくなってきていました。
 上海では、とくに会社と家を車の送り迎えで往復している人も多いため、実際の運動量をいろいろ聞いてみると、1日に歩く量がたった3000歩というようなこともありました。坐っている時間が長ければ長いほど、寿命が縮まってくるといった研究結果も読んだことがあります。

 今回見つけた論文では、アメリカ・ワシントン大学の研究で、毎日30分歩くだけでも、歩かない人と比較して大腸癌による死亡リスクを低減し、大腸癌だけでなく心臓病や糖尿病のリスクも低減できるということでした。また、仮に癌が発見されても、歩くことを含めた体の鍛練を続けると、癌の再発リスクを下げることができるということでした。

 この研究では、約15万人の男女が参加していて、1982年〜1997年に体を鍛えた状況を記録し、1998年〜2006年にかけて大腸癌による死亡率を調べました。その結果、毎日4時間マラソンやフイットネスなどの運動を続けていることが様々な疾患に罹患するリスクを下げ、さらに大腸癌による死亡率を最も下げることができるということです。また、運動することで大腸癌の発病も、10年あまり遅らせることが可能だとしています。

 毎日4時間の運動というのは、上海にいて仕事に励む人たちではかなり難しいかもしれません。しかし、毎日30分となれば実現不可能ではありません。30分だけ歩くことを続けるだけでも、様々な疾患に罹患するリスクを下げることが可能だという結論になっています。

 決して今からでも遅くありません。今日から運動を少しずつ始めたらいいのです。

 中医学や漢方をやっていた昔の医学者たちも、現代生活がこんなにも体を動かさないものだったとは、想像もつかなかったことでしょう。今の30分が、将来の何時間という時間を節約してくれるのかもしれません。

 私もがんばります!
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 「治未病」という発想
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