その結果、お腹が出てきて、悪玉コレステロールや中性脂肪が上昇して、心臓病や脂肪肝などのリスクが上昇する云々の話になりますが、お腹が出ていない人でも、運動をしなければ同様にコレステロールの値が上がってしまい、心臓病や動脈硬化のリスクが高くなってしまうということが分かっています。
これは、イギリス・エセックス大学(The University of Essex)の研究で、痩せている人も運動を続けなければ、総コレステロール(TG)と悪玉コレステロール(LDL−C)が上昇してしまう傾向になるということです。
この研究では、110人の男性を痩せていても毎週3回有酸素運動をしている36人、痩せていて運動しない46人、太っていても運動する習慣のない28人に分けて観察しました。
その結果、体重も身長も痩せている2つのグループでは統計学的意義はなかったものの、運動しないグループのほうが、運動をしたグループよりも総コレステロールや悪玉コレステロールが高く、脂肪量に関しては太っている人の方が多くても、運動をしていなければ血液中のコレステロールの量は痩せていても太っていても同様に高くなって、心臓病や動脈硬化のリスクが高まるということでした。
そのためにはまず食べる量や質をコントロールすることが必要です。中医学や漢方の薬膳など体に良いものでも、量を取りすぎてしまえばナンセスです。さらに、中華料理では、高温の油で揚げたり炒めたりするものも多く、トランス型不飽和脂肪酸を摂取しやすくなります。
そのためにも、可溶性食物繊維(soluble fiber )を含む成分の食べ物を摂取し、野菜や果物、穀物、豆類が大切なのです。
【「治未病」という発想の最新記事】