2010年12月15日

頑固な咳と肝

 最近、風邪の症状はおさまったのだけど、咳がなかなか止まらないという症状で来られる方が少なくありません。西洋医学の病院もいろいろまわられて、色々なお薬を試されたのだけど、ダメだったというケースが多いのですが、中医学でも咳の治療には色々なやり方があります。

 私が最近よく見かける慢性咳は、喉がからからに感じて、喉がイガイガするというパターンです。空気の汚染とも多少関係があると思いますが、こんな時、以外と中医学では五臓六腑の肝から考えてみるとうまくいくことが多いよう思います。

 黄帝内経でも、肝の足厥陰肝経は喉と関係があると考えますし、足少陽胆経絡も耳の後ろから喉に入りますから、関係が深いことは容易に分かります。

 さらに、肝は人のストレスとも深い関係があり、肝がストレスなどで凝り固まると、肺の気の流れを乱し、咳が発生するというプロセスも考えられます。

 外からのウイルスや細菌などの外邪の影響を受けやすいのも肺なのですが、逆に五行説の金と木の関係から、肺が弱ってしまうと、肝を押さえ込むことができず、肝が盛んになって逆に肺を攻撃するというプロセスもあり、悪循環に陥ってしまうとも考えられます。さらに、肝が盛んになりすぎてしまうと、今度は身体の水分に相当する津液の代謝がよくなくなり、痰ができやすくなります。となると、柴胡系の生薬を使うことになります。

 ちなみに、慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、咽頭炎などの症状があるときも、慢性の咳となることが多いのですが、昔から鼻を通す作用があるといわれている辛夷・蒼耳子・黄芩・路路通などの生薬を使い、さらに煎じたときの湯気を鼻から吸引してもらうと、すっきりとした感じがするはずです。

 また、百日咳や慢性気管支炎、肺気腫などの咳では、背中の肺兪などを温めてあげたり、足の裏の湧泉穴(足底中央の前方陥中で、足指を屈すると最も陥凹する部)に、うちの薬局でも作っている膏薬を貼り付けるという方法もあります。肺から遠い位置のツボを刺激することで、咳を納めるという方法は、中医学ではよく使います。

 咳の治療は、中医学でも本当にいろいろ経験があるものです。
posted by 藤田 康介 at 18:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 脈案考察
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