2010年12月13日

冬の大根と中医学

 中医学の養生で、「冬に大根をたべて、夏に生姜を食べよう」という有名な言葉があります。なにか逆のようなイメージがありますが、生姜の発散させる力を利用して、夏に発汗して体温を下げ、食欲を増進させるだけでなく、解毒の作用もあるので、食中毒の予防にもなるという意味があります。では、冬に大根を食べるというのはどういう意味があるのか、中医学的に考えてみます。

 『大雪』後の中医学的養生でも、ご紹介しましたが、冬というのはカラダを補うことが多い季節です。しかし、補うだけでは全身に補ったものを到達させることができません。

 循環を重んじる中医学では、絶えず「流れている」ことが必要でなのですが、「補う」ことはこれと相反してしまいます。そこで、補ったあとは「通」と呼ばれる、気血の流れを整えてあげることが必要なのです。例えば、運動することも「通」です。

 我が家でも妻が時々料理しますが、牛肉や豚肉を煮込むときに、大根を入れます。実は、この大根に「通」の大切な意味があります。

 大根の種、すなわち生薬:莱服子(ライフクシ)は、気の流れを整え、食べ過ぎたときの腹部膨満感、さらに喘息などの治療にも使いますが、大根にも解毒や痰をとる作用、さらに熱を冷ます作用などがあります。肉類と一緒に摂取することで、油っぽいものに対する脾・胃の負担を和らげ、消化を助けてくれることになります。すまわち、肉などで「補う」ことに対して、動きをもたらすことができる食材ということになります。

 といっても、禁忌もあります。有名なのは、生薬人参と大根を一緒に食べないと言うこと。人参は気を補う力の強い生薬ですが、大根は気の流れを生み出す力が強く、気を補う力に支障をきたします。また、大根をたべるとゲップが出やすくなることから分かるように、「気」が出やすくなります。よって、胃潰瘍など症状がある場合は、食べ過ぎないようにしましょう。

 でも、この時期、大根が美味しくなります。季節の野菜をしっかりと食べたいですね。
posted by 藤田 康介 at 06:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界
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