2010年11月22日

今年初めての膏方が出てきました

 寒くなってくると、我々中医学をしている医師が忙しくなってくるのが膏方の処方です。

 膏方とは、生薬20〜30種類をじっくりと煮詰めてペースト状にする内服薬です。冬至以降から服用を始めるのですが、膏方作りは手間がかかるため、例年11月の中旬以降から処方に取りかかります。中医学の養生でいう、冬に体を補う「冬令進補」の代表選手とも言えるでしょう。

 子供から高齢者まで服用できる膏方ですが、例えば女性の冷え性や、虚弱体質、喘息の発作の予防、受験生のカゼ対策など身近な処方のほかに、さまざまな慢性疾患にも対応します。大学院にいるころは、これを使って小児ネフローゼの再発予防ができないか、研究していました。症状が安定している場合、一度処方すると1ヶ月程度は服用できます。

 この膏方ですが、中国の中でもとくに上海など江南エリアで盛んで、どこの中医病院の外来も、膏方外来は大変な混雑になります。私も、師匠と一緒に外来をよくお手伝いしたものです。

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 今年も、うちの中医クリニックではこういうケースにしました。伝統的な膏方は、壺に入っているのですが、壺だとカビが生えやすいので、今年も密封パックを使っています。1回で飲みきりなので、服用はしやすくなりました。さらに、実際に生薬を煎じるときにつかったガラも一部ですが添付してみました。どういう薬を煎じたのか、見てみたいという患者さんが多いからです。

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 膏方は、処方が多少大きいので中医師にとっても腕のみせどころになります。私の場合は、自宅に持ち帰ってじっくりと処方を練るようにしています。
 一般に、膏方の材料は大きく分けて飲片(いわゆる生薬)と細料、さらに輔料の3つから構成されます。細料とは、人参粉や冬虫夏草粉など比較的高価な生薬で、直接加熱せずに後から加えます。また、輔料とは、氷砂糖や阿膠など、膏方をペースト状にするのに必要な材料です。

 我々にとって、この膏方の処方が一段落したら、いよいよ年末!といった気分になりますが、もうしばらく処方に忙しい毎日になりそうです。
posted by 藤田 康介 at 08:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 「治未病」という発想
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