2010年07月09日

夏にふと辛いものが食べたくなるわけ

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 中医学や漢方的な立場から夏の食べ物の問題を考えるときに、高温や湿気の問題が大きいので、必然的にヨクイニン(米仁)・冬瓜・黒ごまなど性質が比較的穏やかで、健脾去湿利水作用のある食べ物が浮かびますが、中医学の五行説的に考察すると、また違った見方もでてきます。

 『黄帝内経』にもあるように、人の体は四季の陰陽の変化と大きく関係があり、春は「生」、夏は「長」、秋は「収」、冬は「蔵」といった性質があることを知っておく必要があります。特に、夏はこの暑さからもわかるように、五行説では火に属し、五臓では心と関係があることになります。そこで、五行の相克の関係からみると、火は金に克つことができるので、火が強すぎなくなるように、金をサポートしてあげる必要があります。

 となると、五行説から金と関係の深い肺を補う必要があり、肺といえば五味の関係から「辛」がキーワードになってきます。そういった観点から、夏場に辛い物を食べるというのは意味があるということになります。特に、猛暑の季節では心火が強くなりすぎるので、金がしっかりと後ろ盾になってあげなければなりません。夏場は、空調にあたったり、冷たい物を食べ過ぎたりすることが多いわけで、そういった意味で寒気を防ぐ辛い物が役立つというわけですが、中庸を重んじる中医学で、四川料理のような辛い物を食べなさい、といっているのではなく、マイルドな辛い物を食べましょう、ということです。

 代表的な食べ物には、香菜とかニラ、生姜、タマネギ、ニンニクといったものになります。こういった食物は夏の食欲を増進させますし、発汗作用や血の巡りをよくする性質が多かったりします。そのほか、情緒の問題も大切です。五行説では、肺の五志は「笑う」になっています。喜ぶことで、肺の活動を活発にしてあげる必要もあります。

 さらに、肺を補うという観点からいうと、果物も大切です。梨なんかは肺を潤わせる代表的な果物ですし、咳止めの作用もあります。この上海の酷暑を乗り切るためにも、脾・胃以外にも、心・肺を考えた生活にもチャレンジしてみたいものです。

 中医学は本当に色々な考え方のつながりを大切にしますね。
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界
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