2010年04月11日

鍼灸と禁煙

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 私はタバコを吸わないので、喫煙者の気持ちがわかりません。しかし、上海の禁煙運動になにか協力できるのなら、これまた本望です。最近、禁煙に関していろいろ調べていますので、すこしレポートします。

 2005年前後だったと記憶しているのですが、その当時は中国伝統医学をつかって禁煙を試みる人が多かったです。針灸科にはも禁煙外来をつくったところもありましたから。でも、その後、下火になり、いま上海では復旦大学付属中山医院に禁煙外来が残っている程度で、患者数も少ないようです。

 私も、最近、上海市内の薬局をいろいろ歩いてみて、なにか中医学関係であたらしい禁煙グッズが出ていないかみてみました。残念ながら、一時一世を風靡した「中脈烟克」に匹敵するような器具はありませんでした。

 ただ、中医学の世界では、とくに鍼灸の分野では禁煙に関する手段がないわけではありません。

 例えば、禁煙ツボは列欠(列缺(LU7))であるというものです。腕にあるのですが、肺の経絡に属する重要なツボで、このツボを禁煙ツボとして使う説もあります。列欠は、もともと頭痛や歯の痛み、咳や喉の痛みなどの治療に使います。列欠は、古代中国では稲妻を指しますが、このツボを押すと稲妻が走った後ように頭もすっきりするといった言い伝えからも関係があるといわれています。
 タバコを吸うと、肺に影響をあたえますが、列欠はそうした肺の働きを整える作用がありますからね。

 あと、「戒烟穴」という、禁煙専用のツボがあるという説もあります。場所は、陽渓穴と列欠穴を結んだ直線の真ん中で、ここを針などで刺激します。民間では、「戒烟穴」という呼び方は結構知られております。タバコを吸っている人なら、このツボを押すと痛みを感じるはずです。どうでしょうか? 
 ここに、肉桂や丁香などの生薬の粉を使って膏薬をつくり、貼ってみるのも一つのやり方です。

 ただ、「戒烟穴」という呼び方は、あくまでも民間での呼び方ですので、中医学の教科書にはありません。

 こうしたツボを刺激すると、タバコの烟がイヤになったり感じるようです。私はスモーカーではないのでわかりませんが。もしスモーカーがおられたら、試してみてください。少なくとも1週間は続ける必要があります。

 耳つぼですが、肺・口・胃・神門をメインに刺激します。これはどの説でも共通です。 さらに、気管・内分泌・交感など組み合わせます。耳つぼ用のパッチがありますので、それを貼り、タバコを吸いたくなったらそのパッチを押さえます。
 すると、ツボをはったところに違和感があると思います。それを1週間ほど続けると、タバコが美味しくなくなるようです。積極的に禁煙を目指す人なら、かなり効果的とはいわれています。

 しかし、せっかくの中医学があるのに、本場中国での禁煙に関する研究が十分ではないのはなにか寂しいですね。残念です。
 もし、鍼灸関係で禁煙方法をご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報交換しましょう!
posted by 藤田 康介 at 09:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 「治未病」という発想
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