2010年03月28日

東京に来ています

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 日本統合医療学会が主催するシンポジウム「がんへの統合医療からのアプローチ」(東京大学理学部 本郷キャンパス 小柴ホール)に参加させていただきました。

 残念ながら、理事長の渥美先生のお姿はありませんでしたが、各会でご活躍されている先生方のお話を伺って、貴重な勉強をさせていただきました。

 上海からも上海腫瘤病院がんセンター(上海復旦大学付属腫瘤医院)の劉魯明教授も。この病院は、上海でも非常に有名で、私が以前いた竜華病院の近くにあるがんセンターです。上海では双方の病院を利用されている癌の患者さんも多いです。蛇六谷・白花舌蛇草・半枝蓮・白豆蒄・絞股蘭を原料に作られた中成薬の膵臓癌に対する効果と動物実験によるレポートでした。いま、中国ではこうした中成薬の研究が盛んですが、ただ弁証論治を語るのに、同じ組み合わせの生薬をずっと使ってもいいのか?という問題もあり、難しいテーマでもあると思います。

 国際統合医療教育センターの柳沢先生は、「高濃度ビタミンC療法」についてのお話でした。最近、癌治療をされている私の患者さんでも、この療法をされている方が時々いらっしゃり、詳しくお話を伺えてよかったです。最近では、体を元気にしたり、化学療法の効果を高めるなどといった成果も出ているようです。この中で、「癌は創傷治癒効果を担う細胞である」という学説を紹介されていました。すなわち、何らかの理由で損傷された細胞の、修復機能として最後の働きが癌であるというようなお話。80歳以上の高齢者には癌患者が増えなくなるという例から、治療する段階においても、癌細胞がたたくのではなく、これ以上成長する必要のない体内環境を作ってあげ、癌細胞と共存することを考える必要があるというものです。この考え方は、中医学の癌治療の世界では、かなり前から言われています。治療原則ともなる「扶正去邪」の発想も、こうした観点からきているのだとも思います。

 東京女子医科大学の川島先生からは、「ホメオパシー」についてのお話でした。ドイツで生まれたこの治療法は、自然治癒力がある患者さんに対して有効な治療法で、「ある症状で苦しんでいる人に、もし健康である人に与えたときに同じような症状を示すホメオパシー薬(レメディ)を投与する」というものです。興味深いのは、こうしたレメディは非常に高い濃度で希釈して使うという点。中医学や漢方の発想とはすこし違います。医師など有資格者で構成された「日本ホメオパシー医学会」もあり、これからも注目されていく治療法です。

 そのほか、「がん緩和療法」について国立がんセンターの下山先生、「放射線ホルミシス」について健康増進クリニックの水上先生が、お話くださいました。鳥取県にある三朝温泉など、ラジウム泉の人気が高いわけですが、ヨーロッパでもラドンをつかった治療は盛んで、「低線量の長期被爆者は、発ガンリスクが低く、死亡率が少ない」ということを事例を交えながら紹介され、自己治癒力の向上に使えるということでした。

 Gersonがん食事指導を行っておられる西台クリニックの済陽先生のお話で、「人間は草食動物である」というお話は驚きました。唾液アミラーゼ活性が年齢とともに高まるのが人間なのですが、これはネズミや豚などの草食動物に多く、肉食動物は逆に低くなるのだそうです。ただ、お話の中でヒポクラテスが「あなたの食べ物をくすりとしなさい」という発想は、中医学・漢方の未病の考え方ともつながり、現代医学での盲点の一つではないかと思います。結局、腕のいい医者には、病気としてやってくる患者さんがいないという話は、どこの医学でも同じなんです。

 最後の懇親会では、ご自身もがんになられ、25年間再発していないNPO法人いずみの会の中山会長とお話ができました。ストレスや心労が原因でがんになられた後、徹底的な食事療法をされ、いまでもがん患者の支援に力を入れておられます。お話を伺うだけで、パワーをいただけ、「ああ、これが生きる原動力なんだ!」というこを私自身で感じられました。病気を治すのには、医療関係者に頼るだけでなく、自らの力で努力しなければならないという点を強調されておられましたが、ストレスを持たない秘訣として「出来ないことはやらない」ということをおっしゃっていました。確かにそうかもしれません。。。。

 今、日本人の医療に求められているのは、我々1人1人が自分の体についての正しい知識を得て、健康に対してそのありがたさを認識し、それのために努力することなんだということを感じました。そして、医者自身も患者を診る限り、自分自身が健康であることに努力をしなければならないというのも大切です。

 第一線で活躍されている先生方のお話を聞けて、非常に有意義な1日でした。こうした会議に参加できたことを嬉しく思います。
posted by 藤田 康介 at 06:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動
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