2010年03月06日

中国海南島産農薬ササゲの問題とその背景

 あれだけ農薬問題が騒がれても、相変わらず出てくる農薬に汚染された野菜の問題。今年に入って、中国で賑わしているのが、武漢・上海・鄭州・合肥・杭州・広州などで検出された中国海南島産ササゲの農薬問題です。すでに、中国市内11の大都市で流通してしまったことがわかっています。

 ササゲは、中華料理でもよく使いますし、日本にも平安時代に伝わり、赤飯などの豆に使われることもあります。マメのサヤごと、野菜炒めにして食べることもあります。

 今回、ササゲに使われた農薬は、中国でも使用禁止されている殺虫剤イソカルボホス(isocarbophos)です。かなり高濃度で検出されました。

 海南省当局では、2月26日現在、問題の原因究明と対策の強化を表明していますが、この問題はかなり根が深そうです。

 データによると、海南島で生産されるササゲは、年間40万トン。今年に入ってすでに20万トンが出荷されました。このうち、陵水県英洲鎮、三亜市崖城鎮で生産されたものに問題がありました。

 では、なぜ禁止されている高濃度のイソカルボホスがササゲから検出されたのか?当局の分析では、農家が勝手にこれら農薬を手に入れて、散布したとし、さらにササゲのように発育が早い野菜に対して、農薬が十分に発散しないうちに収穫してしまったため、高濃度のイソカルボホスが検出されたと考えられています。

 さらに、海南島エリアでは、農薬の検出技術が後れていて、設備も十分ではないということです。特に、簡易検出キットでは、農薬濃度の程度まで検出することができないほか、残留農薬濃度ませ検出できる機械が海南島には1台しかないという報道も出されていました。大量の農産物を生産している海南島なのに、あまりにもお粗末だったようです。

 広東省江門で、同じく海南島産の節瓜(小冬瓜)でも、高濃度のイソカルボホスが検出され、大きな問題となりました。

 広州の『羊城晩報』の報道には、農民のコメントが紹介されていましたが、現在、中国の農民に普遍的に言えることとして、農業業界の混乱と、農薬使用に関する技術トレーニングが根本的に不足しているとしています。 確かに、我が家のアイさん(家政婦さん)のように文字も読めない農民が多いことからも、想像に難くありません。

 さらに、高濃度の農薬が手軽に買えてしまう状態も、相変わらず続いていると証言しています。また、作物が被害にあっても、それが病気によるものか、害虫によるものか区別できない人が多く、とにかく毒性の強い農薬を使ってしまえ、と判断している農民が少なくないようです。病院で高価な抗生物質を使えば、なんでも効くと信じている中国人が多いのとよく似た発想ですね。

 では、消費者はそうした農薬の状況を知るよしもありません。広州市当局が、野菜に対しての農薬を除去する方法を紹介してました。

1.野菜を水で数回しっかりと洗う。
2.水の中に30〜60分浸ける。
3.熱湯をかける。
4.料理に使う。

 といったプロセスを踏めば、95%以上の残留農薬は除去できるので、市民にも実行するように勧めていました。安全は提供されるものではなく、自分たちで努力して手に入れなければならないのが中国では常識ですよね。

 いろいろ生きるための知恵がつきます。
posted by 藤田 康介 at 13:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国での食の安全を考える
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