
2月4日の立春が過ぎてしまい、2月8日の春節も終わり、あっというまに2月19日の雨水にまで来てしまいました。旧暦でいうと1月12日になります。そして、1月15日になるとついに元宵節で、春節イベントも大詰めを迎え、上海の街に出稼ぎ労働者が戻ってきます。2週間以上の春節休みが本当に終わってしまうわけです。地方では、数が減ったとはいえ、都会へ出て行く家族とのお別れがあったり、学校も本格的な授業に入ることになります。

元宵の宵は「夜」の意味で、春節を越えた1年のうちで最初に満月になる日になります。豫園にいくと、様々な形をした「立山」に明かりがともされ、多くの市民が繰り出します。またお団子を食べるのも元宵節の楽しみの一つ。ちなみに、道教では旧暦の1月15日を上元節、7月15日を中元節、10月15日を下元節と言います。やはり1月15日というのは大切なんですよね。例年は爆竹花火大会になりますが、今年は上海市内の規制がキツイでのおそらくムリでしょう。
旧暦や二四節気がいいなと思うのは、中医学の臨床における患者さんの体の季節的変化と季節の変化が直感的に一致すると言うこと。そして、日常生活で暦でうまく区切りが出てくるので、生活にメリハリがつきます。
もちろん、iPhoneやiPadのカレンダーでも、簡単に旧暦(中国歴)や二四節気を表示させることができます。
旧暦表示は、設定→メール/連絡先/カレンダー→別の暦を表示→中国歴
二四節気の表示は、設定→メール/連絡先/カレンダー→アカウントの追加→その他→照会するカレンダーを追加 と進み、サーバーの覧にこの
http://www.google.com/calendar/ical/2i7smciu430uh0mv3i0qmd8iuk%40group.calendar.google.com/public/basic.ics
をコピーして貼り付けて下さい。日本の国立天文台の二四節気のデータが表示されます。
ぜひ、旧暦のある生活を日常に取り入れてみたいです。
さて、雨水の季節になると、雨が明らかに多くなります。上海でも昨日今日と雨がちです。気温が上昇し、雪がある地方では雪が溶け始め、三寒四温の状態になるわけです。雨が多くなるので「雨水」といいます。
中医学では「肝」の季節です。春になると肝が旺盛になり、消化器とも関係が深い脾・胃の働きを弱めてしまいます。中医学では五行説の関係を使って「木克土」といいますが、お腹の調子を崩しやすくなります。また、雨水になって、雨が多くなると、外界の寒湿が体を襲い、脾胃に湿気が溜まるわけです。というわけで、体を冷やすような食材を控え、またストレスなど肝に負担がかかることを控え、消化のよい雑穀など五味で言うと「甘」と呼ばれる食材を使うわけです。

また、気温差が激しいので、高齢者の血圧の変化には要注意です。狭心症や心筋梗塞が起きやすくなります。そのため、中医学では伝統的に「春捂」ということを考えます。首や肩をしっかりと温め、寒邪が入ってこないようにするわけです。また、気温が上昇してきても、衣類をすぐに減らさず、下半身の保温を重視した「下厚上薄」も、血液循環が思わしくない下半身を温めるのに有効ですね。なにより、これから温かくなると精神的な疲れを訴える人が増えます。情緒的な不安定は、高血圧や喘息、心臓病などを持っている人からすると体へのダメージが大きいわけで、様々な養生法を活用していきたいところですね。
日本行きのスケジュールはこちらからどうぞ。
◆東和クリニック・中医科での担当スケジュール◆
【「治未病」という発想の最新記事】