
上海で腫瘍を専門に治療・研究復旦大学附属腫瘤医院の乳腺外科の研究グループが、中国の若い女性に関する乳癌に関しての最新調査結果『生活方式と心理ストレスが若い乳腺患者疾患に与える影響』を発表しました。研究対象が中国人ということもあり、日本人にも参考になるのではないかと思い、ここに紹介します。
調査対象となったのは、40歳未満の乳癌患者582例と40歳未満の良性の乳腺疾患患者540例。
全世界では、乳癌患者の11%が35〜45歳の世代であり、アジアではさらに増える傾向にあるということ。中国では2008年に乳癌発病総数の12.56%が40歳未満であり、上海市の調査でも、1990〜2007年にかけての40歳未満の乳癌患者数は乳癌発病総数の10〜20%前後に推移しているようです。
今回の調査では、初潮年齢、流産回数、睡眠状態、飲食状況なども踏まえて分析されました。
その結果、直系親族に乳癌患者がいた場合、いない場合よりも乳癌リスクが2.4倍高まり、子供を産んでいない女性は産んだ女性よりもリスクが高まるほか、妊娠出産した年齢が若ければ若いほど、リスクが下がることも分かりました。また、喫煙との関係では、日常生活でタバコの煙を吸う受動喫煙の状態であれば、乳癌発生リスクは1.6倍に高まるとのこと。また、動物性油が乳癌発生リスクに関係あることも分かったということです。
また精神的ストレスと乳癌の関係も強く、疲れやすかったり、忙しすぎたり情緒不安定であったりすることも危険因子であると言われています。特に、夫婦間の円満な関係も重要です。
結局、規則正しい生活・禁煙・野菜類の摂取・ストレスからの解放・情緒の安定・適度な運動などを続けることが乳癌予防に関してとても重要であることが裏付けされたと言えるのではないでしょうか。とすると、中医学で言ってきている様々な養生に関する考え方も、きっと有効に作用するものと推測されますね。
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