2015年03月15日

ついに新しいエキス剤(顆粒剤)分包装置が稼働

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 お気づきの方も多いかもしれませんが、半年ぐらいかけて私達が準備を進めてきた上海市にある東和クリニックの浦西古北院で新しい中医薬局がいよいよ稼働をはじめています。

 新しい中医薬局では、今までにない衛生的な処方環境を実現しました。これで、処方後の調剤スピードも向上し、より早く患者さんの手元にお薬をお届けすることができるようになりました。お急ぎの場合は、当日にお薬をお持ち帰りいただくことも可能になっています。とくに感冒や急性の下痢など緊急時には重宝します。

 これまで、中国の中医薬といえば、煎じ薬が主流でしたが、煎じ薬はどうしても質にばらつきが出てしまい、また刻み生薬そののもを扱うために、在庫の管理が大変でした。現在、中国では薬局で刻み生薬を煎じるやりかたが普及しましたが、それでも液体を持ち運ぶという問題はありました。特に、飛行機で移動するときは大変です。そこで、中国では日本とは違った単味エキス剤が登場し、それを調合することで自由な処方を作ることができるようになりました。

 ただ、従来の中国での単味エキス剤には、生薬一つ一つが初めから分包されていて、それを組み合わせて患者さん自身が服用時に混ぜるというのが多かったのですが、新しい装置の登場で、服用時に1回だけ袋をあけたらすぐに服用できるようになりました。これも大きな進歩です。また、小さな袋で分けられていたときは、規格外の細かなグラム数の調節ができませんでしたが、今ではグラム数の調節も自由自在になっています。

 また、エキス剤の調剤では、如何に湿気ないようにするかというのが大きな問題で、服用時に中身が固まってしまったら効能そのものにも影響がでてきます。人力で分包するときには大きな問題になっていました。しかし、今回の装置を導入することで、湿気対策も万全になっています。なにより、調剤作業そのものが分包を含めて機械化されたのが大きく、乾燥装置も導入されました。

 ところで、日本にもツムラなどがエキス剤を出していますが、中国のエキス剤の最大の特徴は、なんといっても生薬の香りが残されているという点です。お湯に溶いたときに、極めて煎じ薬に近い香りを感じることができます。

 また、煎じ薬とちがって、農薬や重金属の検査も容易になり、今では中国の単味エキス剤も海外に輸出される時代になりました。
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調剤方法ですが、まず処方箋をパソコンに入力します。私もいろいろ試行錯誤しましたが、結局、湯液のときのグラム数よりかなり少なめでも期待通りの効果が出せることが分かりました。

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 入力された処方にあわせて薬棚のライトが点灯し、そのカートリッジをぬきます。もちろん、生薬棚にも乾燥装置がついて、エキス剤が湿らないようになっています。

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 また、それぞれのカートリッジはバーコードで在庫管理されていて、バーコードを読ませます。バーコードと薬名が一致していなければいけません。分包作業がはじまります。

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 そして、袋に入ったエキス剤が出て来ます。
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 服用方法は簡単で、粉を直接コップにいれて、お湯を入れればOKです。
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 うまく溶けてくれると思います。もちろん、お茶として服用することも可能です。

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 この仕組みにより、より正確なグラム数で、機械的に調剤できるようになりました。今まで衛生的に問題があった中医薬局も、清潔に管理できるようになりました。さらに装置を改良して、もっといいエキス剤を患者さんに提供できるよう研究したいと思います。

東和クリニック・中医科での担当スケジュール
posted by 藤田 康介 at 21:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 生薬・漢方薬・方剤・中成薬
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