
中国の旅は、まさに食探しの旅ですよね。そして、これがまさに医薬同源と言われる根源になっているのだと思います。今回、雲南にやってきてその食文化の多様性に改めて感動し、彼らが驚くほど豊かな食生活をしていることを実感しました。百貨店のお総菜やコンビ二がなくても、全然困らない彼らの食文化は、今も頑なに継承されています。
●黒い梅干し

今回私が滞在しているエリアは、雲南でも白族が多く住んでいます。そのなかでも洱源は梅の産地として有名で、気候的に梅の飼育にも適しており、至る所で梅を加工したモノを売っていました。海抜2000メートルで栽培される梅には、害虫がつきにくく、農薬も殆ど要らないというメリットもあります。洱海梅子というブランドもあり、政府によって保護されています。梅の栽培に関しては2000年以上の歴史があるというわけですから、筋金入りですね。

洱海では彼らはいまだに梅酢を使っていました。日本でも昔はあったそうですが、少なくとも私は食べませんし、上海エリアでも滅多に見ません。しかし、このエリアには健在でした。そして、この梅酢を作るときに出て来た梅が、梅干しに加工され、もしくは中医薬や漢方薬の烏梅になります。この烏梅が「うめ」の語原になっているとも言われています。
さらに、洱源には梅と青じその組み合わせで作られる蘇裹梅もありました。そのほか、上海でもお馴染みの話梅は、まさに現代中国人の味に改良された梅干しですね。とにかく梅を使ったバリエーションは非常に豊富です。これほど伝統食の中で梅が活用されているのは、中国でも珍しいと思います。
●豚の生皮

本当の生の豚肉は、さすがに寄生虫の心配があるので食べられませんが、雲南省洱源エリアで、源泉で88℃の温度がある温泉水で洗った豚肉であれば、伝統食としてその豚の皮が食べられていたそうです。現在では、豚の皮の表面を丸焼きにした豚が市場でも売られていて、それを「生皮」として白族の人たちは食べています。豚の皮を黄色になるぐらいにまで炙ってあるわけで、このシャキシャキ感がたまりません!

そして、さらにスパイシーなタレがつきます。材料には梅酢のほかにも、山椒や生姜、香菜のほかにも、漢方薬や中医薬で使われる大麻の種(火麻仁)などをブレンドします。

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