そもそも野生の前胡がここの山々で多く見られていて、栽培するにも当然ふさわしいということですよね。日本語では「のだけ」と呼びます。
今年の秋口の咳は、咽が痛かったり、咳が止まらなかったりといった症状の方が多かったのですが、そんなときも前胡は大活躍しました。
地元の農家でも、感冒のときに前胡を使うと言っていました。
この日、山にはいると傘のような形で、白い小さな花がいたるところに咲いていました。ちょうど秋に花を咲かせます。前胡には白花前胡と紫花前胡があるのそうですが、ここで見かけたのは白花前胡でした。丈のあまり高くないのが良質だそうで、中医学や漢方の生薬としては、根っこの部分を乾燥させて使います。修治させると、鍋で炒めた炒前胡、蜂蜜で炒めた蜜前胡などもあります。
主な性質は、苦・辛・微寒。
主な効能は、疏散風熱・降気化痰。外感の風熱、肺熱痰鬱など黄色の粘っこい痰が多いときに使います。
前胡とよく似た名前で、柴胡があります。
まったく別の植物なのですが、一緒に使うことも多いです。処方箋でも柴前胡(各)とダブルで書くことも多いです。
咳はそもそも気の上下の乱れでおこるわけですから、気を上向きにうごかす柴胡と、気を下向きに動かす前胡を同時に使うことで、気の動きを上下に整えるのにふさわしいということになります。現代薬理学でも、袪痰作用などが確認されていますが、前胡も半夏などと組み合わせて痰をとるという処方もあります。
とはいえ、同じ感冒でも、寒さ系では使えないのでご注意を。
しかし、このあたりを歩くと、自然がまだまだ豊富で、日常使えそうないろいろな薬草に出会いました。詳しくはおいおい。
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