そのときに感じたことを色々書いてみたいと思います。今回は沖縄の食について。
沖縄料理といえば、ゴーヤチャンプルしか食べたことがなかった私ですが、今回の旅を通じて地元の人の食文化の一面を垣間見ましたし、なによりも中華料理(とくに上海料理)との共通項を多く見つけ、上海人の私の妻も驚いていました。
沖縄料理も中華料理同様にとってもシンプルな食べ方をされています。特に、今回の旅で主に滞在した今帰仁(なきじん)エリアで食べた「アグー豚肉」は絶品です。豚の本場中国でもなかなかここまでのお肉は食べられませんが、いや美味しかった。
今帰仁でも結構有名なしゃぶしゃぶ専門店「長堂屋」で食べたしゃぶしゃぶはアグーの味を一番良く引き出していたと思います。いろいろこだわりのあるお店で、ポン酢や薬味、タレ類はすべて自家製で化学調味料なども一切使っていないとのこと。
そもそもアグーは600年前に中国大陸から導入されたもの。しかも体重は普通の豚の半分から三分の一程度の小型の豚です。この品種を守るために、沖縄県ではいろいろ研究を重ねているようです。
【データ】「長堂屋」沖縄県国頭郡今帰仁村字玉城710-1
0980-56-4782
HP: http://www.nakijin.net/
しかし、沖縄の豚料理は本当に上海料理に似ているのです。上海でも豚足はフツーに売っていますし、豚足(テビチ)なんかはどこのお店も美味しかったです。もう骨までとろけてしまいそうな感じでした。
上海料理の代表の一つ、紅焼肉なんかはまさに沖縄のラフティーですよね。味付けも甘党。ラーメンにも欠かせない豚肉の数々はとても印象的でした。ラフティーに関しては、美ら海水族館のある本部町の居酒屋「亀蔵」さんのが印象に残っています。店の外観からして、ちょっと入ってみたい誘惑に駆られます。我が家では私も含めてみんな下戸なので、泡盛チビチビとまではいきませんでしたが、でも雰囲気は抜群でした。
【データ】「亀蔵」沖縄県国頭郡本部町大浜880-3 ニライ荘1F
0980-47-7122
さらに、もっと豪快な豚料理にも巡り会いました。名前もそのまま「骨汁」です。沖縄今帰仁の手打ちそばの専門店で、売り切れ御免のお店「まんてん」で見つけた料理です。中国でよく食べられる「骨頭湯」とそっくりですね。妻はそばよりもこちらを注文していました。骨の髄をしゃぶることができればもっと美味しいでしょうが。
【データ】「まんてん」沖縄県国頭郡今帰仁村仲宗根315
0980-56-2618
もう一つ、沖縄の料理で忘れてはいけないのは山羊料理。今帰仁で地元の人と色々話をしていると、今帰仁地区では山羊がとても大切だということに気づきました。お祝い事には山羊料理が出てくるそうで、一昔前は海岸で山羊をしめていたそうです。さすがに、上海では刺身では食べませんが、沖縄では山羊の刺身もありました。
ただ、中国と大きく違う食べ方は、沖縄では艾をトッピングします。お灸につかう、あの艾です。中医学や漢方では生薬としても使いますが、これはちょっと不思議。中医学では艾といえば温める性質の生薬。山羊といえば温める肉の代表選手。両方とも温める性質なのですが、地元の人に聞くと、山羊を食べ過ぎると鼻血がでるので、そのために艾をたべるとか、確かに、生薬としては止血作用はありますが。。。。
ちなみに、中国では山羊肉といえば香菜です。私は苦みのつよい艾よりも香菜のほうが好きなのですが。
ところが、今帰仁村では意外と山羊を食べさせてくれるお店がなく、地元の人に教えてもらった「ゆなみ」へいきました。地元の人が数人いた程度で、女将に「山羊しかないけど大丈夫?」「本当に食べられるの?」とか何度も聞かれましたが、もちろん「OK!I」。山羊を食べるために来たのですから。
メニューを注文することもなく、さっそく出てきたのが「山羊汁」。
味はなかなかいいのですが、もうすこし豪快にお肉のある部分を食べたかった。いや、それぐらいにしておくのがちょうど良いのかもしれませんね。女将にきくと、夏のあついときに山羊で滋養強壮をするということなので、上海でたべる伏羊と一緒ですね。
このように、沖縄と中国の食文化にはとても関連性があることが分かります。日本本土とはまた違った発展をしているわけで、気候風土にあった独自性が興味深いですね。
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私は、山羊汁にヨモギを入れるのは臭い消しのためと聞きましたが
那覇にも山羊料理を食べさせるところが、ひっそりとあります