
朱丹渓(1281-1358)といえば、中医学に携わっている人なら知らない人がまずいないぐらい有名な医学者の一人です。中医学の医学者の中では「大器晩成」としても有名で、もともと儒学を勉強し、30歳過ぎから『黄帝内経・素問』を読み、医学の勉強をはじめました。様々な理論を残し、現代の中医学では「相火論」や「滋陰学説」などは大きな影響を与え、日本にも伝えられています。

その朱丹渓の陵墓が、出身地の浙江省金華義烏にある赤岩村に残っていると聞いて、早速訪れてきました。
上海から325キロ、クルマを走らせてちょうど4時間のところでした。現在の住所では、赤岩鎮東朱村の中にあります。
現代の中国では、高速道路ネットワークが非常によく出来ていて、長距離運転の苦にならなくなりました。

朱丹渓の陵墓は、現在は1992年に大きな陵園になっていて、拝観料を支払えば一般の人も拝観できます。
一応、陵墓の周りは養生公園として整備されていますが、何と言っても見所は大きくて丸い陵墓です。文革で一度破壊されましたが、1979年にオリジナルに修復され、1989年には浙江省の文化財になっています。

ちなみに、近くには中国の国の文化財にもなっている古い石橋があり、「古月橋」と呼ばれています。浙江省エリアには多くの古橋があったのですが、洪水で流されたりしてその多くが残っていません。そんななか、800年の歴史をもつ、宋代の橋である「古月橋」。この日は残念ながら修復中でしたが、ひょっとしてあの朱丹渓も歩いたかも知れません。そう思うと、とても身近に感じます。

朱丹渓が生活していた赤岩鎮は本当に素晴らしい環境のなかにあります。後ろには大きな山がそびえ、豊かな水もあり、静かな村でした。
地元では朱丹渓に関する様々なエピソードが伝えられており、庶民に愛された医者だったことがよく分かります。
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