2015年03月22日

銀行の中国人富裕層への講演会でお話して

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 上海に長くいると、いろいろなところから講演の依頼があったりするのですが、3月22日は、保険会社でも有名な平安保険系列である平安銀行の大口預金者むけの講演会でお話してきました。平安銀行といば、もともとは深セン発展銀行で、商業銀行として最近大きく発展してきた銀行の一つです。

 いわゆる「富裕層」とは、どういう人たちが聞きに来るのだろうか?ととても興味津々だったのですが、会場の中に入ってみると、外見はごく普通の人たちで、私がむしろびっくりしたぐらい。銀行は、こうしたお客さんに資産運用とかそういうアドバイスをしているわけですね。

 聞きに来る人は40〜50代の地元上海の女性ということでしたので、私からは中医学を使っての乳癌・卵巣癌などの最近の婦人科系の癌疾患研究動向や、大気汚染に対する最近状況などを1時間ほどお話しました。確かに、この層の人たちは、家族や自分自身の健康に対しての関心が高いだけでなく、日本の原発事故による放射線の問題など、環境と社会的問題に関しても活発に意見交換しました。日本人はあまり気づいていないかも知れませんが、「フクシマ」に関しては、まだまだ外国人の間では厳しい指摘がでてきます。これは、中国でも同様です。

 中国語でたまにこうやって講演するのは、私もとても勉強になります。なによりも、今の上海の人たちが何に関心をもっているのかを直接的に感じることができますからね。

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(上海の静安寺)

 ところで、いま沢山の中国人が日本に観光旅行にいっていて、日本人も「お客様」として中国人に接するチャンスが格段に増えていると思います。我々は往々にして、外見から人を判断しがちですが、中国人の富裕層に関しても、決して分からないということです。確かにフェラーリを街角で時々見かけるような上海ですが、ごくごく普通の上海のおばちゃんが、実は資産運用のプロであったりするわけなのです。

 この日は中国のテレビ局の収録も入っていたので、ちょっといつもよりは緊張気味だったかもしれません。(^_^)

東和クリニック・中医科での担当スケジュール
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2015年03月15日

ついに新しいエキス剤(顆粒剤)分包装置が稼働

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 お気づきの方も多いかもしれませんが、半年ぐらいかけて私達が準備を進めてきた上海市にある東和クリニックの浦西古北院で新しい中医薬局がいよいよ稼働をはじめています。

 新しい中医薬局では、今までにない衛生的な処方環境を実現しました。これで、処方後の調剤スピードも向上し、より早く患者さんの手元にお薬をお届けすることができるようになりました。お急ぎの場合は、当日にお薬をお持ち帰りいただくことも可能になっています。とくに感冒や急性の下痢など緊急時には重宝します。

 これまで、中国の中医薬といえば、煎じ薬が主流でしたが、煎じ薬はどうしても質にばらつきが出てしまい、また刻み生薬そののもを扱うために、在庫の管理が大変でした。現在、中国では薬局で刻み生薬を煎じるやりかたが普及しましたが、それでも液体を持ち運ぶという問題はありました。特に、飛行機で移動するときは大変です。そこで、中国では日本とは違った単味エキス剤が登場し、それを調合することで自由な処方を作ることができるようになりました。

 ただ、従来の中国での単味エキス剤には、生薬一つ一つが初めから分包されていて、それを組み合わせて患者さん自身が服用時に混ぜるというのが多かったのですが、新しい装置の登場で、服用時に1回だけ袋をあけたらすぐに服用できるようになりました。これも大きな進歩です。また、小さな袋で分けられていたときは、規格外の細かなグラム数の調節ができませんでしたが、今ではグラム数の調節も自由自在になっています。

 また、エキス剤の調剤では、如何に湿気ないようにするかというのが大きな問題で、服用時に中身が固まってしまったら効能そのものにも影響がでてきます。人力で分包するときには大きな問題になっていました。しかし、今回の装置を導入することで、湿気対策も万全になっています。なにより、調剤作業そのものが分包を含めて機械化されたのが大きく、乾燥装置も導入されました。

 ところで、日本にもツムラなどがエキス剤を出していますが、中国のエキス剤の最大の特徴は、なんといっても生薬の香りが残されているという点です。お湯に溶いたときに、極めて煎じ薬に近い香りを感じることができます。

 また、煎じ薬とちがって、農薬や重金属の検査も容易になり、今では中国の単味エキス剤も海外に輸出される時代になりました。
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調剤方法ですが、まず処方箋をパソコンに入力します。私もいろいろ試行錯誤しましたが、結局、湯液のときのグラム数よりかなり少なめでも期待通りの効果が出せることが分かりました。

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 入力された処方にあわせて薬棚のライトが点灯し、そのカートリッジをぬきます。もちろん、生薬棚にも乾燥装置がついて、エキス剤が湿らないようになっています。

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 また、それぞれのカートリッジはバーコードで在庫管理されていて、バーコードを読ませます。バーコードと薬名が一致していなければいけません。分包作業がはじまります。

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 そして、袋に入ったエキス剤が出て来ます。
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 服用方法は簡単で、粉を直接コップにいれて、お湯を入れればOKです。
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 うまく溶けてくれると思います。もちろん、お茶として服用することも可能です。

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 この仕組みにより、より正確なグラム数で、機械的に調剤できるようになりました。今まで衛生的に問題があった中医薬局も、清潔に管理できるようになりました。さらに装置を改良して、もっといいエキス剤を患者さんに提供できるよう研究したいと思います。

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2015年03月13日

「医道の日本」3月号 耳鳴の治療について

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 西洋医学でも中医学、漢方医学でも耳鳴の治療はかなり難しく、私自身も著効した症例もあれば、なかなか苦戦している症例も少なくありません。今回は、「医道の日本」社からの依頼もあり、中国の現代中医学における耳鳴治療のとらえ方について、症例討論も含めてまとめてみました。

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2015年03月11日

神保町の揚子江菜館&雑司ヶ谷でのミニ講演会

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 今回で雑司ヶ谷での座談会風講演会は2回目になります。

 私も色々お世話になっていて、陶芸家でもある友人が上海で展開している「展示室」の東京バージョンが、実は雑司ヶ谷にもあり、その2階で私が東京に行ったときに不定期ですが、地域の人たちと中医学の交流をするためのミニ講演会の会場になっています。

 今回も、10人ぐらい集まってくださいました。

 春の養生のお話以外にも、最近の中国のこと、中医学の豆知識などを紹介しました。そういう話をしていると、上海に最近旅行に行ってきたよ!という声もあったりして、なんか私も嬉しかったです。

 こういう小さな講演会では、日頃皆さんが疑問に思っておられることを耳にすることができるので、私も大変勉強になります。

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 そう、差し入れていただいた美味しい桜餅もいただきました。春ですね!

 雑司ヶ谷って池袋に近いのですが、下町の雰囲気を色濃く残していて、とても良い感じです。都会の中のオアシスといった感じですね。

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 夜はタカハシクリニックの高橋先生ご兄弟と、タイご出身の丹羽先生と神保町の揚子江菜館で会食。この揚子江菜館が明治29年創業と聞いてびっくりしました。

 上海では創業百年のレストランはそうたくさんありませんが、東京にはこういう老舗の中華料理店が多いですよね。

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 考えてみれば、学生街であった神田を起点として、明治時代から沢山の中国人留学生がこのあたりで暮らしていたそうです。(揚子江菜館のエピソードについては、こちらをごらんください・看板メニューという「五目涼拌麺」はちょっと気になります。)

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 魯迅、孫文、周恩来が暮らした街東京。
 そして、いまや中国人観光客の日本旅行ブーム。

 そういう観点から東京をみると、また興味深いものですね。

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2015年03月10日

東京神田の薮蕎麦&松戸北小金でのミニ講演会

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 東京出張のときに毎回やっている、カムクリニックでのミニ講演会。一般向けの講演会のなかでは、最も息の長い講演会かも知れません。
 記録をみてみると、実は2011年からやっていて、今回で6回目になります。

 まずは東京で一度は行っておきたかった神田の薮蕎麦で腹ごしらえ。こちらも1880年創業ということですから、すごいですね。

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 11時半からOPENということですが、もう行列ができていました。

 日本人の蕎麦に対する情熱というのは、相当ですね。中国でも蕎麦はありますが、蕎麦というとなんか貧しい食事のイメージがあり、そこまで拘ることはありません。
 
 薮蕎麦のお見せの中にはいると、なんか独特の緊張感が走っています。

 それもそのはずで、女将が番台に立っていて、注文を独特の口調で読み上げています。なんかこう「真剣にたべる蕎麦」といった感じです。確かに麺は美味しいし、そばつゆも堪能しました。

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 しかし、さすがにゆっくり食べるのはどうも気が引けるので、黙々といただいて、お店を後にしました。
 中国の麺館とはまた違った感覚ですね。ただ、中国でも杭州の菊英麺店のように、麺を真剣に食べさせてくれるお見せもあります。

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 その後は、北小金までお邪魔して、地元の人への中医学養生のための小さな講演会。今回も常連さんだけでなく、都内からも来て下さり、小さな会場には入りきらず、廊下まで・・・。

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 とくにPRもせず、口コミでこれだけの方に中医学のお話を聞いていただけるなんて、とても嬉しい限りです。


 講演終了後は、東京駅へとんぼ返り。久しぶりに上海師範大学時代の仲間でもあるSFEの小谷さんに再会。今は主に東京を拠点にされていますが、相変わらず上海、そして中国への思いは熱い。我々のように90年代から中国に関わっている中国屋はそんなもんです。(^_^)


 夜は、信濃町で漢方の某大手製薬会社の担当者と会食。担当者といっても、大学時代の後輩。実際、上海中医薬大学を卒業して、大手の製薬会社に勤めている人が少なくありません、こういう中国で勉強してきた我々日本人留学生の卒業生ネットワークも、徐々にできています。

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 中国の中医大学で勉強した中国人が、日本に留学し、日本で仕事して帰化するというパターンはよく見かけますが、逆に中国の大学で中医学を勉強してきた日本人はまだまだ決して多くありません。でも日本に戻ってきて、鍼灸界だけでなく中医学や日本漢方の世界で活躍している人も増えてきています。嬉しい限りです。

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2015年03月06日

上海日本人学校の2年5組の皆さん、ありがとう!

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 またまた日本人学校の中学生に特別講義してきました。

 日本人学校は、いままさに卒業のシーズン。
 一歩校舎の中に入ると、私の母校でもないのに、なんか懐かしい感じがしますね。(^_^)

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 今回は2年5組にお邪魔しました。これが結構ユニークな取り組みで、プロジェクト名は「ミドリムシは地球の未来を変える」で、生徒達がグループに分かれて、ミドリムシの活用法を色々と考えてプレゼンするというものです。

 それぞれのグループがいろいろと発想を出してきて面白かった。

 あるグループはゆるキャラの「ミドリン」を作ってきたグループもありました。しかも、サンプルまで作ってきているし、私もびっくりしました。

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(ミドリン!これはヒットするかもです)

 生徒達の発表を見ていて、プレゼンの仕方を知るというのは本当に大事だと思いました。私達が中学生のころは、プレゼンというとせいぜい模造紙に何かを書くか、OHPを使うかでしたが、いまではPPTもあります。うまく使いこなせている生徒もいて、時代の変化を感じますね。寸劇をしてくれるグループも。(^_^)

 そのあとは、私からも5組の皆さんにプレゼンさせてもらいました。タイトルは「身近な生薬」。
 ドクダミとセミの脱け殻である蝉脱(蝉衣)について、中医学での活用方法と現代の研究、そしてその将来性について話しました。

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 私がここで強調したかったのは、こうした薬材はミドリムシ同様、身の回りにたくさんあって、だけど十分に活用されていない点。そして、まだ分かっていないことがたくさん有って、研究する題材が豊富にあるということ。

 中学生達をみていて、この中から一人でも漢方や中医学方面の研究に進んでくれる人が出てくればと思いました。私も、子供のころに出会った沢山の先生方の影響を受けました。今度は私がそういう影響を子供たちに与えることができれば本望です。

 4月までの日本と中国各地への出張スケジュールが出て来ました。↓をご覧ください。
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2015年03月03日

中医塾第4回 春の養生

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(雲南省巍山の春)

 3月3日には、毎月恒例の中医塾ということで、春の養生についてお話しました。日本の春は、アレルギー性鼻炎もあり、なにかと厄介な季節。また、暖かくなってくると気分的な不調を訴える方が多いのも特徴です。この時期を如何に乗り越えるかを、皆さんと考えてみました。

 中医塾の申し込みなどはこちらをご参照ください。1回単位での受講になっています。

4月までの日本と中国各地への出張スケジュールが出て来ました。↓をご覧ください。
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