2015年01月04日

中国で新たに15種類の生薬が「薬食両用」に指定され、101種類に

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(蘭州拉麺のお店から譲ってもらったスープの中に入るスパイス)

 中医学の特徴として、「薬食同源」ということばからも分かるように、副作用が少なくて、長期服用が可能な生薬が日常的に食材として利用されています。2002年に中国衛生部が中医薬のなかで食材として使える生薬のリスト86種類を発表していますが、最近最新版が発表され、さらに15種類増えて101種類になりました。食材としても使えるので、薬膳や健康食品などにも使われることが多いと思われます。今回はその概要を見てみたいと思います。

1.2002年に薬食同源に認められた生薬86種類

丁香(チョウコウ、クローブ)・刀豆(ナタマメ、成熟した種)・茴香(ウイキョウ、調味料として)・八角茴香(八角ととして調味料で使う)・小薊・山薬・山査・馬歯莧・烏梅・木瓜(ボケ)・火麻仁・代々花(枳実の花・つまりダイダイの花)・玉竹・甘草・白芷・白果(ギンナン)・白扁豆・白扁豆花・竜眼肉(桂圓)・決明子(日本ではハブ茶になっていますが)・百合・肉豆寇(にくずく、調味料ナツメグの原料)・肉桂(シナモン)・余甘子(ユカン、インドのアーユルヴェーダでも使う)・仏手・苦杏仁/甜杏仁・沙棘(サジー・砂漠地帯の緑化に活躍、活血化瘀)・芡実(池にみるオニバスの実)・花椒(四川料理に欠かせない)・赤小豆・麦芽(もちろん大麦が原料)・昆布・大棗・黒棗・羅漢果・郁李仁(イクリニン)、金銀花、青果(オリーブの実)、魚腥草(ドクダミ)・生姜・乾姜・枳具子(キグシ、二日酔いに使いますね)・枸杞子・山梔子・砂仁・胖大海・茯苓・香櫞・香薷(地上部分を使いますが、紫の花がきれいですね)・桃仁(桃の種)・桑葉・桑椹子(桑の実)・橘紅・陳皮・桔梗・益智仁(実を調味料として使うことも)・蓮葉・莱服子(大根の種)・高良姜(調味料、安中散に入っていますね)・淡竹葉・淡豆鼓(中国の納豆、ニオイはそっくり)・菊花・黄芥子(カラシ)・黄精・紫蘇・紫蘇子(紫蘇のタネ)・葛根(クズ)・黒胡椒・蒲公英(タンポポ)・槐米(エンジュ、白い花がきれいで、日本でも公園で見かけます)・酸棗仁(枝にトゲが多いので注意)・榧子(カヤの実、お菓子としても重宝ですが、虫下しに)・芦根・白茅根(チガヤ、野原でよく見かける白いフサフサ、こっちでは解熱利尿の民間薬です)・薄荷(葉っぱだけでなく、地上部全体を使います)・薏苡仁(ハトムギ)・人参(食用する場合は1日3g以下、妊婦・授乳期・14歳以下の子供は控える)・蜂蜜・阿膠(ロバの皮のゼラチン質)・牡蠣(貝殻)・藿香・薤白(がいはく・ラッキョウ)・烏梢蛇(カラスヘビで無毒)・蘄蛇(百歩蛇で”ひゃっぽだ”、中国では五歩蛇、蛇類は人工養殖されたもののみ使用可)・覆盆子(キイチゴ、華東エリアにも多いです)・鶏内金(鶏の砂嚢、砂ずり)

2.新たに追加された生薬15種類

山銀花(金銀花との区別が話題になりました)・芫荽(コリアンダー、香菜)・玫瑰花(バラ科のハマナス)・松花粉(松の花粉・料理で使います)・粉葛(こちらでも葛湯に使います)・布渣葉( ミクロコス・パニクラタ、東南アジアに生息し、涼茶用)・夏枯草(涼薬用として1日9g以下)・当帰(香辛料として1日3g以下)・山奈(火鍋の調味料、調味料として1日6g以下)・西紅花(調味料として1日1g以下、蔵紅花)・草果(日本では小荳蒄と呼ばれ、スパイス”カルダモン”として重宝。1日3g以下調味料として)・姜黄(日本ではウコン、ターメリック。1日3g以下調味料として)・荜拔(ヒハツ、スパイスとして使われる。1日1g以下調味料として)

 こうみてくると、お馴染みの素材ばかりですね。また、同じ漢字で表記していても、日中間での意味の違いが発生しており、混乱を招く原因にもなりつつあります。また、今回はスパイに使われる生薬が追加されています。中国では、火鍋や蘭州拉麺のスープに伝統的によく使われますから、当然の成り行きだと思います。当帰もついにリストに入りました。

東和クリニック・中医科での担当スケジュール
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 生薬・漢方薬・方剤・中成薬