2014年12月30日

浙江省富陽でみた中医学

  12月29日。富陽訪問2日目。(1日目はこちらから)

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 富陽賓館の朝食ビュッフェには、蕎麦入り餃子のほかにも、お馴染みのキクラゲと棗のスープがありました。滋養強壮目的の白キクラゲは、中国のホテルでの朝食ビュッフエではよく出て来ます。

 さて、どんな小さな街でも、中医学はあるし、老舗の中医薬局や名医の話は伝わっているものです。こういうのはぜひ見ておきたいところです。

 富陽までやってきたので、まずは中医薬局探し。

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 ここには、1748年(乾隆一三年)創業の「王振和」という老舗薬局があり、早速見学に行きました。この薬局が有名になったのも、生薬の卸業や、伝統的な炮製方法を継承して、さらにさまざまな名処方があったからだとか。王氏舒筋膏、王氏保腎丸、全鹿丸、紫雪丹などがそうで今にも伝わっています。こういう処方をどれだけ持っているかでも、治療効果に差が出てきますからね。

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 立派な薬局はいまも目抜き通りにあり、大勢の患者さんで賑わっていました。大きな生薬棚は健在で、数人の薬剤師が中で動き回っていました。この日も2人の医師が診察に入っていました。中国では、中医薬局に医師が雇われて診察をすることはよくあります。とくに、ブランド名のある老舗薬局では、色々な名医がやってきます。

 そのほか、富陽では中医学の骨傷科の名医を輩出しています。その中の一人に張紹冨医師がおられました。若干10歳より父親から中医骨傷科(整形外科)を学び、1984年に富陽中医骨傷科医院を創立し、とくに杉の木の皮でつくった小挟板による骨折部位の固定方法を開発したことで有名になりました。晩年、体を壊して入院したのにもかかわらず、病床から患者さんを見続けたという逸話が残っているようです。

 中国各地には様々な中医学の特色が残っています。これからも時間がある限り足を伸ばして見ていきたいと思います。

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2014年12月22日

上海で冬至に食べるお団子〜湯圓〜

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 今年は12月22日が冬至でした。冬至は中医学でもとても大切な節気で、24節気の中でも最も古い節気とも言われています。日本でも柚子風呂に入ったりいろいろな風習がありますが、中国各地も同様で、寒さの厳しい北方エリアでは餃子を食べ、上海など南方エリアでは湯圓と呼ばれるお団子を食べます。ワンタンを食べるところもあります。

 そもそも、冬至は人々の生活にとってもとても大切で、周代では冬至を1年のはじまりとしていたらしく、その名残もあっていろいろな行事が今にも伝わっているのでしょう。

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 我が家でもお団子を作りました。子供がいるとこういう年中行事は楽しいもので、喜んでお団子をこねていました。

 お団子になかには中にはいろいろな具を入れますが、我が家では豚肉を入れました。黒ゴマをラードに溶かしたペーストを入れることもあります。握り拳大ぐらいのお団子ですが、中国ではとてもめでたい食べ物の一つなので、ありがたくいただきました。

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 中医学を生業とする私達にとって、冬至が過ぎてくると、徐々に陽気が増えてくるという意味でとても重要です。冬があるからこそ、春が待ち遠しくなるのですよね。四季があるのは結構なことです。

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2014年12月17日

東京雑司ヶ谷でのミニ講演会/小学校の同級生との再会

 12月15日〜18日は東京滞在でした。

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 午前中は雑司ヶ谷でお店を開いた、上海でもお世話になっている代島さんのお店、「展示室」へ。

 ここのお店の2階で、近所の方を対象にした中医学の座談会をしようというのが話のきっかけで、この日も20人ぐらいの方々が来られました。

 ミニ講演会というか、むしろ座談会みたいな感じで、ざっくばらんに中医学に関する色々なお話ができたらと思っております。今回も2時間たっぷりとお話しました。

 以前、上海で診ていた患者さんもかけつけてくださり、懐かしい顔も多かったです。いろいろなご相談もあり、この日は結局1日夕方まで「展示室」におりました。また次回もここで講演する予定ですのでお楽しみに。

 しかし、雑司ヶ谷は良いところですね。池袋まで歩いて行ける距離にあるというのに、なんともいえない落ち着いた雰囲気があります。この展示室もとっても素敵な空間で、メディアにも紹介されたりしています。

 そのあとは、一路、成城学園前まで移動。小田急線は生まれて初めての体験だし、とても新鮮な気分でした。

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 この日の夜は、三重で過ごした小学校時代の同級生の林幸司君と再会。まさか、このタイミングで、しかも東京で会えるとは思ってもいませんでした。

 小学校時代、クラスも一緒でよく遊んだのですが、私が奈良に引っ越してからとんとご無沙汰していました。ただ、お互い小学生時代から三国志・水滸伝に憧れていて、その後共にして中国屋として仕事をしているとはこれもなにかのご縁だったのでしょう。

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 彼は今や大学で教鞭をとっていて、どっぷりと中国の研究に浸かっていました。これからも何かの繋がりが出てくるかもしれません。美味しい日本料理をいただきながら、とても楽しい一時を過ごせました。

 たまに日本にくるから、こういう出会いもあるわけで、やはりワクワクしてきますね。

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2014年12月16日

千葉松戸でのミニ講演会

 12月15日〜18日は東京滞在でした。

 16日は出版社でのうちあわせをすませたあと、千葉松戸へ移動。
 この日はあいにくの冷たい雨+風で寒かったです。おまけに、北小金についてもタクシーがない!

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(北小金駅にて)

 いつもお世話になっている北小金のカムクリニックでミニ講演会をしました。2014年は大阪での仕事が忙しかったりして、なかなか時間の融通が難しかったりしたのですが、やっと実現しました。

 この日、開始時刻が18時と中途半端だったのにもかからず、地域の住民の方を中心に、多くの方が来て下さいました。こうやって少しでも中医学に関心をもっていただけるととても嬉しいです。いつも私の講演に来て下さっているおばあちゃんも元気でした!ありがとうございました。

 お話をすることで、いま日本が求めている伝統医療とはどう言うものかをよく知ることができます。そのなかで、中医学の役割も考えていきたいと思っています。

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 夜は、高橋クリニックの忘年会に飛び入り参加。会場はいつもの流山市では穴場的なイタリアンのお店へ「オステリア シャーラ」(住所:〒270-0161 千葉県流山市鰭ヶ崎1579-5 電話04ー7159ー2418)へ。
 東京医療学院大学の武田先生にも久しぶりに再会し、日頃なかなかお目にかからないスタッフの皆さんにも会え、美味しいイタリアンとともに楽しい宴となりました。また2015年もよろしくお願いします。

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2014年12月09日

中医塾第2回 冬の養生〜冬至とカゼ予防〜

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 この中医塾、2015年になってどんなに忙しくても月1回は実行すると決めています。そもそ、中医学というといきなり陰陽五行説とかのうんちくを話し出すから難しく感じるのであって、要は中国で伝わっている伝統的な医学であるのだから、本来はとっても庶民的かつ直感的で分かりやすいはずなのです。そして毎回、いろいろと活用出来る伝統的な中医学に伝わっている本物の薬膳茶も試飲して頂いています。
 ここでは「おばあちゃんの智恵」的な要素が詰まっているので、もっと現代の人たちにも知ってもらいたいし、私も日々勉強しています。私が毎月1回中国の田舎へ出かけるのもそのためです。

 さて、前回の第1回に続き、第2回はいまこの季節にぴったりの「冬の養生」がテーマです。 2014年は12月22日が冬至ですので、それに関連する中国の習慣もご紹介しました。冬令進補とか膏方、さらに三九貼はいまやすっかり一般的ですが、それ以外にもいろいろあるのですよね。

 日本でも農村にさまざまなうんちくが伝わっているはず。残念ながら私は中国にいる時間のほうが長いのでそれらを研究するチャンスは少ないですが、中国の長江デルタエリアと似た農耕文化もあるわけだし、その共通点を探ってみたいものです。

 ただ、一つ言えることは、養生の考え方こそが、中医学理論の核心だと私は信じています。

場所:上海市長寧区栄華東道98号維多利亜大厦
時間:次回第3回は2014年1月20日AM10時より1時間30分程度
費用:150人民元
参加予約必要:18918248339(Chinese Life 周)
使用言語:日本語
※毎回満席になっておりますので、お早めにご連絡ください。

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