

富陽賓館の朝食ビュッフェには、蕎麦入り餃子のほかにも、お馴染みのキクラゲと棗のスープがありました。滋養強壮目的の白キクラゲは、中国のホテルでの朝食ビュッフエではよく出て来ます。
さて、どんな小さな街でも、中医学はあるし、老舗の中医薬局や名医の話は伝わっているものです。こういうのはぜひ見ておきたいところです。
富陽までやってきたので、まずは中医薬局探し。

ここには、1748年(乾隆一三年)創業の「王振和」という老舗薬局があり、早速見学に行きました。この薬局が有名になったのも、生薬の卸業や、伝統的な炮製方法を継承して、さらにさまざまな名処方があったからだとか。王氏舒筋膏、王氏保腎丸、全鹿丸、紫雪丹などがそうで今にも伝わっています。こういう処方をどれだけ持っているかでも、治療効果に差が出てきますからね。


立派な薬局はいまも目抜き通りにあり、大勢の患者さんで賑わっていました。大きな生薬棚は健在で、数人の薬剤師が中で動き回っていました。この日も2人の医師が診察に入っていました。中国では、中医薬局に医師が雇われて診察をすることはよくあります。とくに、ブランド名のある老舗薬局では、色々な名医がやってきます。
そのほか、富陽では中医学の骨傷科の名医を輩出しています。その中の一人に張紹冨医師がおられました。若干10歳より父親から中医骨傷科(整形外科)を学び、1984年に富陽中医骨傷科医院を創立し、とくに杉の木の皮でつくった小挟板による骨折部位の固定方法を開発したことで有名になりました。晩年、体を壊して入院したのにもかかわらず、病床から患者さんを見続けたという逸話が残っているようです。
中国各地には様々な中医学の特色が残っています。これからも時間がある限り足を伸ばして見ていきたいと思います。
◆東和クリニック・中医科での担当スケジュール◆