2014年10月02日

中医学の糕(こう)〜八珍糕〜

 国慶節直前に行った紹興旅行の続き。

 ご存じの通り、様々な点心(お菓子類)も、中医学の世界では立派な養生食となります。紹興の中医薬局「震元堂」で見つけたこの八珍糕もまたその一つです。なかなか美味でした。

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 この八珍糕の言われですが、清代の光緒6年(1880年)9月にさかのぼるらしい。


 一説によると西太后が、食生活の不摂生で、消化不良や食欲不振、下痢などの症状で苦しんだときに、太医たちが相談して出した診断は「脾胃虚弱」で、補脾益胃の生薬を処方したのが、この八珍糕の原形ともなる「健脾糕」だそうです。


 しばらくこれを服用した西太后でしたが、症状は改善し、食欲も増加、体力もついてきたとのこと。すっかり気に入った西太后は、「健脾糕」を「八珍糕」と呼ぶようになり、健康維持のためによく食したそうです。

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 八珍糕には、以下の8種類の生薬が使われています。


 茯苓・・・健脾補中・寧心安神作用
 芡実・・・健脾止泄作用
 薏苡仁・・・健脾開胃作用
 山薬・・・補虚・益肺腎作用
 扁豆・・・理中益気・補腎健胃
 麦芽・・・消食和中
 白朮・・・健脾補気・燥湿利水
 党参・・・益気健脾・生津養血


 こうみてみるとまさに参苓白朮散のベースがしっかりと入っていますね。


 服用方法は、それぞれをしっかりと粉にして、多少の砂糖と藕粉(蓮根が原料)を混ぜ、水に溶かして型に入れ固め、糕を作ってきます。


 さて、実際に食べてみると。。。。

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 これが意外と美味しい。甘さも控えめで、すっと胃の中に入っていきそうです。


 ただ、粉を固めて作ったものなので、パラパラと落ちてくるのが難点ですが。


 お菓子のようですが、ちゃんと中医師のアイデアと絶妙な処方の組み合わせが反映されています。中医薬の活用法の一つだと思います。


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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の薬膳・医食同源の世界