2014年09月07日

暦で「白露」を迎えて気をつけたい秋の養生

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(さよなら、2014年夏!沖縄瀬底ビーチにて)

 我々現代人の生活では、なかなか旧暦を注意しないかもしれませんが、中医学では旧暦による季節の変化をとても大切にします。2014年も9月8日についに白露です。実際に、気温もどんどん下がりだし、上海でも肌寒さを感じるようになってきます。今年は、夏の暑さがかなり中途半端な印象だったので、秋の感じ方も例年とはちょっと違うように思います。

 この時期、まず気をつけたいのが「秋凍」の考え方です。寒くなってくると、人の腠理(皮膚表面にある毛穴のような無数の穴)がだんだんと閉じてきて、冬対策にはっていくのですが、この状態で早くから暖かい格好をしてしまうと、腠理が十分に閉じることができず、外の寒気を体内に入れてしまうことになります。

 中国人がとてもびっくりすることの一つに、日本の幼稚園や小学校の服装がとても薄着であることですが、冬の乾布摩擦なども本来はこの「秋凍」の養生思想と関係があるのではないかと思っています。

 ただ、この「秋凍」もほどほどにしなければなりません。とくに、高齢者や子供、基礎疾患があるような人は、温度変化にあわせて適度に衣類を着るようにしたいところです。とくに、足と腹部を温めるようにしてください。

 臍灸が有名ですが、中医学ではお臍を使った治療法「臍療」もいろいろあります。そもそも、お臍部分の表皮は薄いだけでなく、皮下脂肪も少なく、豊富な末梢神経があるところです。そのため、とても敏感な部位となるわけですが、とくに「寒邪」に関しては十分な注意が必要です。寒さが原因で胃腸を壊したり、下痢・腹痛をおこしたりするのもそのためです。この時期、うちのクリニックでもお灸を希望される方が増えてきます。

 また、足には足厥陰肝経、足太陰脾経、足陽明胃経、足少陽胆経、足太陽膀胱経、足少陰腎経の6本の重要な経絡が走っているだけでなく、心臓からも離れており、血液の循環が悪くなりがちです。そのため、「寒さは足からやってきて、熱は頭から発散する」という言葉があるわけです。

 食べ物に関しては、まさに「食欲の秋」になってきます。暑い夏の間、体力を消耗してしまい、気候もよくなってきて食欲全開となるわけですが、やはり注意も必要です。中国では、「貼秋膘」という言葉があって、味の濃いこってりした肉類を食べる習慣がありますが、これも胃腸の負担がかからないようにするする必要があります。一方で、真夏は必要だったスイカなどの食材はそろそろやめなければいけません。

 秋口になってくると、酸っぱい物が恋しくなります。上海の市場でも石榴が並ぶようになってきました。ブドウやそろそろ酸っぱいミカンも美味しい季節になってきています。秋は肺に属し、酸っぱい物を食べることで肺を収めてあげる必要があるからです。

 いずれにしろ、元気に冬を迎えることが出来るように身体を調節したいところですね。

東和クリニック・中医科での担当スケジュール
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 「治未病」という発想