2014年09月27日

上海邦人コミュニティ交流会(在上海日本総領事公邸)

 9月27日に在上海日本総領事公邸にて、上海邦人コミュニティ交流会が開催されました。ちょうど私もお声がかかったので、診察の合間をぬって参加、自分がこれまでやってきた中医学について簡単にプレゼンさせていただきました。

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 この日は、小原雅博総領事のご挨拶をはじめ、上海の邦人コミュニティーでご活躍の皆様のお話を伺うことができ、非常に参考になります。

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 在上海日本総領事公邸は立派な洋館で、上海市の文化財でもあり、「盛宣懐の住宅」と呼ばれています。

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2014年09月24日

中国医師資格の定期考査完了


 今年2014年からはじまった制度で、中国では医師免許を持っていても、2年に1回定期考査試験を受けて登録更新をしないといけないわけですが、その合格証が送られてきました。といっても、医師免許に貼るペラペラのシールだけなのですが。。。。

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  4月頃に中医学の基礎知識のほかに、法律や道徳、さらに一般常識的な試験問題もありましたが、試験会場に出向いて、パソコン操作をして受験する中国語でのシステムで、中国で無数の試験を受けてきた私達にとっては特に難なくこなせました。

 ただ、さすがになにも勉強していないで臨むとまずいわけで、それなりにしっかりと勉強しないといけません。(詳しくはこちらから。)

 まあ、このクニでは毎年のようにいろいろな試験が登場して、制度がころころ変わるので、最新の情報に注意する必要があります。これも別の意味でのチャイナリスクなのでしょうね。

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2014年09月20日

上海岐阜県人会のセミナー、そしてMarco9月号

  9月は本当に色々なところでお世話になっております。

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  9月20日は、上海岐阜県人会にお邪魔しました。私自身が岐阜県に関係があるわけでもないのですが、強いて言えば温泉と山が好きなので、それで訪れるぐらいかもしれません。

 でも、なんと岐阜県上海事務所の方に声をかけていただき、上海国際機場賓館でのセミナー講師を引き受けさせていただきました。

 もちろんテーマは中医学に関するものです。夕方の交通渋滞で集まりが心配されましたが、最終的には30人程度がご参加されました。

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 ちなみに、我が奈良県はここ上海に県が事務所はありませんし、おそらくこれからもないでしょう。(^_^) でも岐阜県は、世界各地の事務所が縮小されるなかでも、上海での活動を地道に行っておられ、県人会も63回目というのですからこれもすごいことです。多い時は50人ぐらい集まるとか。いろいろ参考になりました。我々奈良県人会もがんばらないと。

 たしかに、上海在住の日本人は減ってきていますが、出張者は逆に増えてきているので、腰を落ち着けて中国を見つめることができる我々の役割も大切だと思っています。

 しかし、ここの上海国際機場賓館はなかなか便利ですね。虹橋空港のすぐ近くで、客室乗務員御用達のホテルの一つなのですが、そこそこの大きさのセミナーできる部屋もあります。私もここで何回か講演した経験がありますが、地下鉄でもアクセスできます。もちろん、駐車場の心配もありません。

 ちなみに、たまたまこの会でいただいた雑誌Marcoの9月号には、先日大高先生がインタビューしてくださった私の記事が掲載されていました。しかも偶然かと思いますが、この9月号が岐阜県特集。今回の岐阜県人会にばっちりの組み合わせでしたね。

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 これも何かご縁。今後ともよろしくお願いします。

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2014年09月15日

『中医臨床』2014年9月号 連載「夏の刮痧」

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 上海に限らず、中国の南方エリアでは、夏ばて予防や治療に刮痧がよく使われます。近年は自宅でもできる簡単な養生法の一つとして、人気も出て来ていますが、その刮痧について、我が家での活用方法も含めて紹介しました。

 中医学の代表的な治療方法の一つです。

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2014年09月07日

暦で「白露」を迎えて気をつけたい秋の養生

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(さよなら、2014年夏!沖縄瀬底ビーチにて)

 我々現代人の生活では、なかなか旧暦を注意しないかもしれませんが、中医学では旧暦による季節の変化をとても大切にします。2014年も9月8日についに白露です。実際に、気温もどんどん下がりだし、上海でも肌寒さを感じるようになってきます。今年は、夏の暑さがかなり中途半端な印象だったので、秋の感じ方も例年とはちょっと違うように思います。

 この時期、まず気をつけたいのが「秋凍」の考え方です。寒くなってくると、人の腠理(皮膚表面にある毛穴のような無数の穴)がだんだんと閉じてきて、冬対策にはっていくのですが、この状態で早くから暖かい格好をしてしまうと、腠理が十分に閉じることができず、外の寒気を体内に入れてしまうことになります。

 中国人がとてもびっくりすることの一つに、日本の幼稚園や小学校の服装がとても薄着であることですが、冬の乾布摩擦なども本来はこの「秋凍」の養生思想と関係があるのではないかと思っています。

 ただ、この「秋凍」もほどほどにしなければなりません。とくに、高齢者や子供、基礎疾患があるような人は、温度変化にあわせて適度に衣類を着るようにしたいところです。とくに、足と腹部を温めるようにしてください。

 臍灸が有名ですが、中医学ではお臍を使った治療法「臍療」もいろいろあります。そもそも、お臍部分の表皮は薄いだけでなく、皮下脂肪も少なく、豊富な末梢神経があるところです。そのため、とても敏感な部位となるわけですが、とくに「寒邪」に関しては十分な注意が必要です。寒さが原因で胃腸を壊したり、下痢・腹痛をおこしたりするのもそのためです。この時期、うちのクリニックでもお灸を希望される方が増えてきます。

 また、足には足厥陰肝経、足太陰脾経、足陽明胃経、足少陽胆経、足太陽膀胱経、足少陰腎経の6本の重要な経絡が走っているだけでなく、心臓からも離れており、血液の循環が悪くなりがちです。そのため、「寒さは足からやってきて、熱は頭から発散する」という言葉があるわけです。

 食べ物に関しては、まさに「食欲の秋」になってきます。暑い夏の間、体力を消耗してしまい、気候もよくなってきて食欲全開となるわけですが、やはり注意も必要です。中国では、「貼秋膘」という言葉があって、味の濃いこってりした肉類を食べる習慣がありますが、これも胃腸の負担がかからないようにするする必要があります。一方で、真夏は必要だったスイカなどの食材はそろそろやめなければいけません。

 秋口になってくると、酸っぱい物が恋しくなります。上海の市場でも石榴が並ぶようになってきました。ブドウやそろそろ酸っぱいミカンも美味しい季節になってきています。秋は肺に属し、酸っぱい物を食べることで肺を収めてあげる必要があるからです。

 いずれにしろ、元気に冬を迎えることが出来るように身体を調節したいところですね。

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2014年09月06日

デング熱(中国語;登革熱)予防は一人一人にかかっています!

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 日本でも東京を中心に感染例が出ているデング熱ですが、中国でも南方エリアでは比較的頻発している蚊を媒介とする伝染病でもあります。中国衛生当局では、8月26日に『デング熱診療ガイドライン(2014年度版)』を出して注意を呼びかけています。

 これによると、早期発見・早期治療・蚊を避けるための隔離がとても重要といわれています。中国でも毎年よくデング熱は発生しているので、その経験は我々も活用できると思います。デング熱は中国語では登革熱と書きます。発音からの表記でしょうね。9月4日現在、広東省では1145例が感染し、このうち31例が重篤化しているようですが、報告症例数としては例年の倍と言うことです。地区別には広州市が1021例と大部分を占めています。暖かい広東省では、7月〜11月が蚊の活動が活発な時期で、政府も蚊の対策に乗り出しています。

 私自身で出会った患者さんにも、実際に過去にデング熱に感染して重篤化して生還された方がおられ、その時の話を伺うことができました。重篤化すると出血傾向が強くなり、血尿や血便、吐血、鼻血、膣出血などあらゆる箇所からの出血があったそうで、ご本人もびっくりするような症状だったそうです。感染後、デング熱の同型ウイルスでは免疫力がつきますが、異型ウイルスでは再度感染の可能性があります。

 潜伏期間は3〜15日とされており、発病前の15日間にデング熱流行エリアに行っていたり、居住地区でデング熱が発生していたり、白血球と血小板が減少しておれば、デング熱の疑いがあると判断されます。

 主な症状ですが、発熱が急で、24時間以内に39〜40℃まで上昇します。また、顔面+首+胸部の皮膚が赤くなり、結膜が充血したり、歯茎から出血したりリンパが腫れてきたりします。さらに、全身の倦怠感が強くなり、頭痛+目のまわりの痛み+筋肉の痛みを伴います。嘔吐や腹痛下痢などが発生することもあります。

 一般的にデング熱で重篤化しやすいのは、糖尿病・高血圧・心臓病・肝硬変・消化器系の潰瘍・喘息・腎不全などの基礎疾患を持っている人、肥満者、高齢者、乳幼児、妊婦なども要注意です。また、少数ですが死亡例も出ていて、急性心不全、急性腎不全、急性呼吸窮迫症候群、中毒性肝炎、脳炎などが死因となっています。

 世界的に見ても、東南アジアでデング熱が猛威をふるっています。『羊城晩報』の報道では、9月1日現在、マレーシアで53000例が感染し80例が死亡、フィリピンでは35000例が感染し100例以上が死亡、シンガポールでも14000例が、タイでも19000例が感染したということです。台湾でも1000例が感染し、初めての死者も出ているようです。

 デング熱の対策は、まさに蚊を増やさない、蚊に刺されないにつきると思います。そのため、一人一人の予防対策がとても大切です。
 中国南方エリアでは夏になるとよく言われるのが、ベランダなどに水たまりがないか、植木鉢などに水がたまっていないか、注意することです。とにかく蚊を増やさないようにすることです。水生植物を栽培している場合は、3〜5日に1回水を交換するとともに、根っこもしっかりと洗うように。蚊の卵が付いていることがあります。また、池がある場合は、魚をかって蚊の発生を防ぎましょう。

 中国ではまだ見かけますが、蚊帳も有効です。特に午前7時〜9時、午後4時から夕暮れ時ぐらいが蚊の活動が盛んになるので、長袖+長ズボンなどの対策の他、草むらや木陰などに行かないように気をつける必要があります。

 暑いエリアでは、蚊媒介による伝染病はどうしても発生しますにで、日頃から情報をチェックしておく必要があると思います。

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2014年09月01日

中国茶と中医学の接点&上海でミニ講演会

 あっという間に9月に入ってしまいました。
 今年の上海の8月は暑さらしい暑さがあまりなく、夏があっさりと過ぎ去ってしまいそうな感覚です。

 先日、Chinese Life総経理兼CLTS学長の大高勇気先生がうちのクリニックを訪問してくださり、某雑誌向けのインタビューを受けました。私にインタビューされた内容は9月には上海で発行されるそうです。

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 以前から、中国で中国茶を勉強されている日本人は奥さんを中心にとても多く、そのお話しも患者さんからいろいろ伺っていたのですが、こうしてお茶の分野での指導で第一線で活躍されている方にお会いできたのはとても嬉しい限りです。大高先生は広州・深セン・上海と各教室を飛び回っておられるようですね。

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 これも何かのご縁と言うことで、さっそく8月26日には大高先生が教えておられる上海古北の教室で、2周年記念のイベントの一環として1時間あまり中医学のお話をさせていただきました。テーマは「女性のための中医学」。

 これも不思議なことに、大高先生の教室はちょうどうちのクリニックの隣のビルでした。

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 中国茶の世界も、中医学の世界と非常によく似たところがあります。それはまず人々の建康とも深く関わりがあり、日常生活に欠かせないという点、そして双方とも数千年の歴史をもっていることだと思います。また、大高先生も安心・安全なお茶を求めて中国中を奔走されているようですが、それは我々中医学の世界でも一緒で、私も少しでも安全な生薬を探し求めて中国を歩き回り(ドライブし)、その成果を臨床で使っています。

 中医学の養生のなかでも、お茶は大切な要素を持っています。中医学にも茶療法という分野がありますが、これから大高先生とどんなコラボができるのかが楽しみです。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 最近の活動