2014年06月11日

マスクと生薬と偏頭痛

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 中医薬(もしくは漢方薬)を使って偏頭痛の治療をするのはかなり効果的であるのは以前にもご紹介したとおりです。西洋医学の痛み止めを飲む前に、ぜひ中医学や漢方医学を試して頂きたいと思うわけです。良質な生薬であれば、一定の効果があることは間違いないと思っています。(「良質な」がポイントです。ここに私はこだわっています。)

 ところで、浙江省長興県といえば、上海から天目山や安吉などに行くときによく通る街ですが、ここの中医院が興味深いマスクを開発して中国で特許を取得しています。

 中医学では偏頭痛の原因を風邪によるものと、体内の五臓六腑の虚によるものと考えますが、この病院の研究グループでは活血化瘀の生薬をできるだけ細かい粉にしてそれを袋につめてマスクにして当てる方法を考え出しました。生薬として使うのは、頭痛の内服薬としてお馴染みの川芎・白芷・当帰・細辛・氷片など。この生薬の混合粉は使用直前までビニル袋に保管し、使うときに取り出してマスクの中に挟み出します。そうすると、生薬の有効成分が発散し、鼻粘膜から吸収され、偏頭痛治療するというもの。確かに、鼻粘膜から吸収した方が嗅神経回路をうまく活用して脳の痛みに作用できるかもしれません。使用する生薬の量も内服と比較して減らすことができる可能性も十分にあります。

 研究グループによると、偏頭痛の患者100例を対象にした研究では、内服とマスク法の比較で、マスクを使ったグループのほうが痛み止めの効果やQOLの改善に関して有効であったということです。

 中医学では、生理学的な側面も考えて、如何に直接的に患部に薬効を届けることができるか研究されています。私は、今後の中医学の発展に関して、とても興味深い取り組みだと思います。

東和クリニック・中医科での担当スケジュール

 
posted by 藤田 康介 at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学の魅力

数字でみる2013年の中国の中医学

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(上海で有名な西洋医学の総合病院、華山医院)

 毎年公表されますが、中国の厚生労働省にあたる国家衛生計生委員会が発表した2013年度の統計で、中国での医療における、中医学の役割がどの程度なのか、数字からいろいろ知ることができます。ここでいう中医系医療機関には、中医・中西医結合・民族医学も含みます。

 2013年末現在、中国全国にある医療機関の数は97.4万箇所あり、このうち入院施設をもつ病院は2.4万箇所になります。また、この97.4万箇所のうち、入院施設をもつ中医病院は3590箇所、中医門診部(クリニック)は38328箇所になっています。意外と少ないと感じるかも知れませんが、実際は西洋医学の病院にも中医科があるため、これはこの数字に反映されていないようです。

 ベッド数でみると、西洋医学も含めた総ベッド数は618.2万床ですが、このうち中医系病院のベッド数は68.7万床になります。前年比8.8万床の増加ということです。

 ちなみに、2013年度の中国全国での医療機関における診察数はのべ73.1億人、このうち中医系医療機関はのべ8.1億人診察しているようです。内訳は、中医医院がのべ4.9億人、中医門診部(クリニック)がのべ1.2億人、その他の医療機関の中医科がのべ2.0億人ということです。

 入院患者では、2013年で全医療機関ではのべ1.92億人ですが、このうち中医系病院では2276万人となっていて、前年比12.6%の増加とか。

 中医学の医師の数では、2013年は39.8万人で約40万人いることになり前年比3万人の増加に(このなかには、医師だけでなく助理も含みます)中医薬剤師(士)の数は11万人だそうです。

 ここから分かるように、やはり中国でも圧倒的に西洋医学のほうが数では優勢のようですが、その特徴をいろいろ活かすように努力はしているように思えます。

東和クリニック・中医科での担当スケジュール

 
posted by 藤田 康介 at 17:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国の医療事情